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ハーブなどの自然食品を通販にて販売 ~BIG通販Proのカスタマイズで自社にあったシステムを構築~

八ヶ岳の麓、蓼科高原 茅野駅からほど近い静かな別荘地の一角に、雰囲気のあるハーブ専門店があります。店内に入ると、木の温もりとハーブの香りに包まれ、雪深い季節にも温かみを感じました。

こちらのショップを経営されているH社様では、ドライハーブやハーブティ、アロマテラピーのオイルなどのリラクゼーションに欠かせないグッズや、八ヶ岳高原の自然いっぱいの近隣で採れたはちみつなどを、別荘地のショップとECサイトを含む通信販売でご提供されています。

また、こちらのショップではハーブの専門家である、店主様によるアロマテラピーセミナーや、ハーブ利用法の教室なども定期的に開催されています。

ショップの立地上、お客様は観光客ももちろん多いとのことですが、自然志向が高まる昨今、お土産というよりも、セミナーを受けて商品の良さを実感した生徒さんや、体や美容によいハーブティなどを日常的に購入される若い女性などが多くなってきたようです。

別荘地にあるショップは、夏の観光シーズンを終え、冬を迎えると売り上げも減少します。そこで、遠方の方や日常的に購入されるリピーターのために便利な、ECサイトによる通販を5年前から実施されています。

ショップに来られたお客様が、東京の自宅に戻ってECサイトから購入したり、セミナーを受けたお客様と卸売りの契約を結びB2Bのおつきあいに発展したりと、店舗、セミナー、ECなどの通信販売(卸売り・小売)の3つの事業がうまく全体を支えあっている、と社長は語ります。

既存システムからの入れ替え

以前から通信販売による販売をしていたため、通販用のシステムも既に導入済みだった同社。導入したパッケージソフトも当初は便利に使っていましたが、通販=対個人客のみという考えのもとに作られたソフトでは、卸売り客への請求機能が弱く、請求業務の作業効率の悪さが問題となってきていました。

「日常業務のストレスを軽減し、これまでかかっていた業務時間をお客様へのサービスのために使いたい・・・」そんな社長の思いから、97年に導入したシステムの切り替え時期を迎えた際に、ボトルネックとなっていた請求業務と、対個人の両方に対応できるBIG通販Proへの入れ替えをしていただきました。

入れ替えにあたり、社長が一番気にしたことは、旧システムとの操作の親和性。これまでのパッケージソフトに慣れていた社員に、違和感なく新システムを受け入れてもらうため、大きく2点を実践されました。まず、社長の構想をシステムに反映するために、いくつかのカスタマイズを施し、自社の業務にあったシステム構築を目指しました。2点目は、社員教育。今までのシステムの流れに沿った操作マニュアルを作成して、社長自ら操作指導にあたられたそうです。おかげで、社員の方にもすんなりと受け入れて頂けたようです。

業務にあわせてカスタマイズ

通販では、インターネットや電話で全国から注文を受けるため、地域別・重量別の送料計算やランク別の売り単価など、お客様の住んでいる地域やランクによって決められるルールが多数あります。 これまでは、ベテラン社員がお客様の名前を見て、お客様ごとの条件を判断しながら出荷指示する必要がありました。

今回の導入で、商品の納品書とともに同封する次回の注文書に、顧客台帳で管理されている、B2B(卸売り)・B2C(個人)区分によって印字する内容やコメントを変え、お支払い方法や宅配便の時間指定などを記入する項目を印字するカスタマイズをしています。これにより、受注を受け付けたのがたとえ新人でも、注文書に記載された通りに出荷指示ができるようになり、社員全体での業務分担が可能となりました。

また、お客様に毎回記入させないように予め住所を印刷したり、受注伝票入力時に過去の取引をすべて閲覧できるようにし、社員が一番使用する機能である受注・出荷まわりの業務効率化を図りました。 顧客ランクも通常3ランクまでのものを5つまで拡張し、より詳細にお客様の管理をされています。

便利になった点として、入金管理についても挙げられています。BIG通販Proでは、一般消費者がよく利用する、コンビニ振り込みや郵便振替などの一取引につき一入金となる入金消しこみ方法と、卸売りの締め日請求による一括入金の2パターンの入金処理が可能となっています。一括入金だけでなく請求金額の一部入金処理もできるので、売り掛け管理が非常に楽になったと社長は語ります。入金予定日の管理をすることにより、回収率も上がったそうです。

他にも、細部にまで工夫を施し、同社にとって使いやすいシステムとなりました。

今後の展望

システムの入れ替えから、約1年。システムが整い、更なる業務の見直しと、次の事業展開を検討中の同社。現在、売り上げの構成比としては、卸売りのB2Bが若干B2Cを上回ります。実店舗と通販のバランスを考慮しながらも、B2C事業に力を入れたいと社長は語ります。

まずは、B2C拡大に大きな可能性を秘める、ECサイトの充実に着眼し、新しいしくみづくりをされています。毎月更新されるホームページにブログシステムを取り入れ、更新頻度を上げたり、RSSシステムによる更新情報配信で、押し付けのプッシュ型ではなく、お客様が欲する情報を、的確にお届けしたいとのことです。

社内の業務効率化と、お客様への顧客サービス向上。この両面を、事業全体を見据えた上で、社長を筆頭に全社を挙げて取り組まれている姿勢が印象的でした。