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函館の味を全国へ-本格稼動した通販部門でBIG通販Proを活用

函館の象徴、趣のある坂道の中腹に立つ名店である五島軒様は、地元では知らない人が居ないほど有名なレストランです。中でもカレーは、“函館のカレーといえば五島軒”と言われるほどの人気メニューとなっています。

創業明治12年。本店の設立当初は、ロシア料理とパンの店として創業されました。しかし、明治19年の函館大火に見舞われ、店舗が全焼したのをきっかけに業務を転換。

フランスで修業したシェフを加え、フランス料理店として再出発し、現在に至ります。

通販事業の本格稼動

五島軒のカレーは当初、厨房の賄い料理として作られ、のちに地元のお客様に愛される味になったそうです。レストランのお土産コーナーで販売されているレトルトカレーは、道内のみならず全国へと口コミで広がっていくことになります。カレーは、具材の違いでレトルト18種類、缶詰11種類のラインナップがあります。缶詰は主に贈答用として、レトルトは自宅用として利用されています。

フルコースデリカ

北の三重奏

汐さい

五島軒のカレーやお菓子は、直営店、百貨店でも購入できますが、お土産で持ち帰った全国のお客様より電話で注文を頂くことが多くなってきました。

レトルト商品を売り出してからしばらくは、レストラン本店の片隅で地方発送を承っていましたが、その需要が増える一方で徐々に手が回らなくなってきたそうです。そして、3年ほど前から、お客様からのご要望にお応えする形で本格的に通販事業がスタートしました。

基幹システムとパッケージソフトの併用

工場に隣接した販売部門では、以前より百貨店やスーパーへの卸売りをされていたため、既にB2B向けのハイエンドの基幹システムを導入されていました。しかし、卸売りと個人のお客様への取引形態とは異なる部分があったため、パッケージソフトであるBIG通販Proを導入頂き、通販部門でご利用いただいています。

自社サイトによるECも実施中の同社ですが、パッケージの裏に記載された電話番号をみたお客様から、直接電話やFAXでのご注文が多いとの事です。

受注処理の後、納品書と送り状を印字して隣の工場に出荷依頼をします。基本的に、販売部での仕事はここまで。あとは工場から出荷されるのを待つばかりです。

導入効果

システムをどのように使われているのか、との質問に、少し考えながらも「システムの使い方は、とてもシンプルです。」と販売部の長谷川様。

BIG通販Pro導入の一番の効果は、お客様確認が楽になったことのようです。

「特に、年配の方からのご注文は、前回の商品がおいしかったので、前回と同じものを・・・と言われることがよくあります。商品名を聞いても、確かこれだったような・・・というふうに、あいまいなんです。こういった場合、前回の注文履歴から商品名を確認できるので便利です。また、ずっと昔から常連のお客様のお名前や住所を間違えるわけにはいきません。手書きではなく、システム化してよかったと思っています。」

今後の展望

販売部 長谷川様、近藤様

一日の業務終了後、通販部門の売上を基幹システムへ反映します。双方でのシステム連携はなく、売上合計を一括して入力されているそうです。 また、ネットからの注文に関しても、データ取込はせずに、今のところは手入力で対応されています。

システム運営において、同社が次に取り組みたいこととして、個々に稼動しているシステムの連携を挙げられています。

通販部門と卸部門の販売情報の一元化、ネット注文データの自動取込で、更なる業務効率化を狙います。

今後の商品展開としては、歴史ある商品はこれまでどおり大切にしつつ、地元特産品とのコラボレーションなど、時代に合わせた新しい試みにも挑戦していきたいとのことです。

宣伝活動の予定についてお伺いすると、「新規のお客様ももちろん大切ですが、広く大々的に商品を宣伝するよりも、昔からのお客様を大切にすることのほうが重要と感じております。こちらからは、贈答の季節にお得意様にご案内の封書を出すくらいです。」と丁寧に話す長谷川様。

さすがは、120年以上の歴史を持つ同社。古くからのお客様を大切にする姿勢も、自然に社員の皆様へと受け継がれておられました。