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回転寿司チェーン「トリトン」の食材を通販で全国のファンへ提供

北海道生まれの“トリトン”は、道内のみならず観光客も多く訪れる人気の回転寿司店です。

“トリトン”チェーンを展開する北一食品様は、昭和52年の弁当店起業から始まり、たこ焼き店、とんかつ店、居酒屋などさまざまな店舗を展開されてきました。
最近では、店舗事業を展開する上で発生する食品廃棄物を肥料として有効活用し、自らの手で安全な食材を育てる「循環型農業」にも参画し、さまざまな形で“食”に携われています。

中でも、北一食品様の多角的な事業の柱となっているのが回転寿司チェーン“トリトン”です。

寿司の激戦区である北海道で、あえて回転寿司という形でチャレンジを始めたのは、“トリトン”が先駆けとなっているそうです。一般的な回転寿司チェーンのようにシャリの握りの工程を機械化したり、センターで予め握られたものを店舗で出すのではなく、全て店舗の職人が手で握るこだわりようで商品力を上げ、食通のお客様の注目を集めているようです。

「北海道ですから、おいしい寿司屋はたくさんあります。しかし、高い寿司をもっと気軽にお母さんやお子さん、ご家族で楽しんでもらえないかと考え、回転寿司店の開店を考え始めたんです。」そう語るのは、“トリトン”チェーンを展開する北一食品 取締役相談役 矢吹様。

システム導入のきっかけ

北一食品様の本社のある北見の第一号店を皮切りに次々に店舗を出店、平成6年の札幌での出店をきっかけに、その確かな美味しさで評判が一気に広がり、現在では“おいしい回転寿司を食べるならトリトン”と言われるほどの有名店となりました。

そんな評判の“トリトン”の寿司ネタの仕入を担当する北一食品様は、当然、競合の回転寿司店からも注目され、競合他社への卸売り事業も行っており、北海道のみならず、全国の寿司店へトリトンと同様のネタを販売されています。

卸売事業をすることで大量仕入が可能となり、結果的に最終提供単価が安くなる、とお考えのようです。

通販と卸の両立

北一食品自慢の食材を、もっと一般のお客様にも楽しんでもらいたい、そんな思いから、自然な形で“通販”が始まりました。

最初は試験的に、店舗に出入りする酒メーカーなどの取引先を相手に、“トリトン”で使われる食材を贈答用で販売されたそうです。
予想以上の好評を得た北一食品の通販は、 “トリトン”で実際に寿司を食したお客様が、店舗で注文すると後日自宅に配送される、という形に拡大してゆきます。

「ところが、卸売りとは違い、通販業務、特に贈答目的となると業務が複雑なんですね。通販では主に旬の食材をご提供していますので、生鮮食品には重要な納期の問題、贈答ののし、納品先の管理など、通常の卸売りシステムだけでは管理しきれなくなったのです。」と矢吹様。

最初は手書きで管理されていましたが、ミスが発生し、これまで使っていた卸売りシステムBIG販売管理Proからのレベルアップをご検討されました。

BIG通販Proの選定ポイントは、卸売業務に不可欠な掛・請求管理がそのまま引き継げたことに加え、新たな目的だった“通販”機能の充実を挙げられています。

システム概要

全体の8割を占める卸売りには、これまでご利用頂いていたBIG販売管理Proを、そして通販専用にBIG通販Proを新たにご導入いただきました。
BIG通販Proでは、お客様台帳で“法人”、“個人”の区別をし、一部掛売り機能を使い、卸売り専用のBIG販売管理Proと併用していただいています。業務処理自体は、日々の伝票起票、請求締め業務と、卸売り専用のBIG販売管理Proと大差はありませんが、通販独特の”納期”や“決済種類”といった項目が追加されており、最初はとまどいもあったようです。
しかし、以前より財務会計、給与計算など当社のBIGシリーズになじみのあった矢吹様は、すぐにBIG通販Proにも慣れて頂いたようです。

一般のお客様への通販は、トリトン店舗で受け付けられています。トリトンを訪れると、レジ横に置いてあるカタログにその場で記入し、支払いはレジで行います。申込書を元に本社で出荷処理を行い、後日、商品は自宅に配送されます。

手書きで行っていた処理を機械化することでミスが減り、出荷までのリードタイムが短縮されました。

はじめは1台(スタンドアロン)で始まった通販ですが、現在はクライアント5台規模まで拡大、通販事業も順調のようです。北一食品様は、BIGシリーズを平行利用しながら、卸売り機能とお客様への通販機能をうまく両立頂いている成功事例といえるでしょう。

今後の展望

取締役相談役 矢吹様

以前は、大手ショッピングモールでのネットショップ展開を行っていた同社ですが、商品を大規模に通販することにはこだわっておらず、あくまでも北一ファンへの提供に力を入れられているようです。

「やはり、トリトンや他の店舗を訪れ、実際に北一商品を味わって頂いたお客様、つまり北一のファンを大切にしたいと思っています。そのためには、現在のように店舗からの展開が望ましいのです。」と、矢吹様。
今後も、北一ファンの期待にこたえるべく、商品力で勝負する、との展望を語っていただきました。