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防災設備のメンテナンス管理に顧客管理とCTIシステムを活用

千葉県浦安市にある浦安防災様は、千葉県内を中心とした近隣エリアの小中学校や病院といった施設の消防設備の点検、施工を担われています。創業から30年、街の安全を見守り続けています。

作業着がよく似合う優しい雰囲気の保坂社長が一人で創業された浦安防災様は、現在では総勢19名を抱える大所帯に。
点検に出かける前のスタッフが集まる事務所は、活気に満ちた雰囲気を感じられました。

「おたくの会社の車を近所で見かけたよ、とお客様によく声を掛けられます。そんなに台数が多い訳ではないんだけどね。」と、保坂社長は笑います。

防災ベルの誤動作などがあるとすぐに契約のお客様に駆けつけるという同社。社名入りの社用車は、浦安防災様のフットワークの軽さを象徴したイメージとして近隣の皆様に定着しているようです。

CTIシステムの提案

約1600件のお客様とおつきあいのある同社ですが、消防設備業の要である消防設備点検結果報告書についてはかねてよりシステム化を図っていたものの、顧客管理については紙ベースの顧客台帳にて管理されていたそうです。

住宅用火災警報器の設置が全国的に義務付けられた昨今、お客様からのお問い合わせも多く寄せられるそうです。

そういったお問い合わせに誰もがスムーズにお応えできる体制づくりを整えたい、という保坂社長の想いをIT関連の販売店である有限会社 エスティエス様に相談されました。

そしてまず、情報共有の出来る顧客管理システム、BIG顧客管理Proを10クライアント導入。

のちに、電話応対でお客様に失礼のないようにしたいという保坂社長がお客様を大切に想う気持ちがCTIシステムの提案という形となり、半年後、電話機の入れ替えを機にCTI対応版に入れ替えをして頂きました。

入力補助機能でお客様情報を登録

顧客管理システムであるBIG顧客管理Proが導入され、まずは1600件分のデータを一から入力することから始まりました。

壁一面にファイルされた大量のデータの入力には苦労されたようですが、郵便番号や電話番号から住所を自動表示するといった機能を駆使し、システム導入から2年半が経過した今、お客様のデータベースはだいぶ充実したそうです。

防災設備のメンテナンスご案内などに顧客システムを活用

荒井様

顧客台帳には、お客様の基本情報をはじめ、見積もりの提出有無やメンテナンス日、施工の詳細等を管理し、誰が見てもお客様とのこれまでのやりとりが把握できるようになっています。

顧客管理システムは、浦安防災様ならではの様々な方法で活用されています。

まず、同社にとって欠かせない機能のひとつ、検索機能です。
防災器具は年間に数回のメンテナンスが義務付けられているため、メンテナンス時期にお客様を検索し、お知らせするという大切な業務に役立てられています。

メンテナンス時期のお知らせ以外にも、検索機能を使った業務があります。

「銀行や郵便局からの入金は振込元がカタカナの名前で記載されていますが、当社は主に物件名で管理しているため、どこからのお振込みなのかわからないことがあり困っていました。さらに、お振込みがオーナー様で、その間に管理会社が入っている場合など、どのお客様のどの物件なのか探すのに苦労します。BIG顧客管理Proの検索機能で物件を検索することで、振込先銀行や日付で照合できるようになり、便利になりました。」(荒井様)

こちらの活用方法は、自社の業務効率化はもとより本来お支払済みのお客様に督促したり、問い合わせをしたりするという失礼のない対応にもつながっています。

顧客システムの導入効果は、目に見える形でも現れました。1600件分の莫大な書類をデータ化したことで、お客様ごとの書類フォルダを最小限に抑えることができ、省スペース化につながった、とのことです。

CTIシステムの導入効果

浦安防災様では、顧客管理システムの導入後にCTI対応版へと入れ替えをされましたが、CTI機能を追加したことで便利になった業務を聞いてみました。

「お客様は、“○○区の××だけど”といった感じで名乗られることが多いのですが、こちらとしては似たようなお名前ですと判断しかねる場合も少なくありません。CTIシステムでは電話番号から物件名、お客様名を表示してくれるため、電話応対がスムーズになりました。」と荒井様。

電話着信と同時にディスプレイにポップアップされるCTIモニタには、お客様名、建物名、オーナ様(管理会社)名などが表示されるようになっています。

電話着信時には、顧客登録された既存のお客様なのか、はじめて電話を頂いた新規のお客様なのかがすぐにわかるよう工夫されています。

他には、ログ管理機能も活用されています。

保守サービスの一環として夜間の対応もされている同社ですが、夜間の緊急電話については当番制で受け持ち、会社に入電した通話を担当者の携帯電話に転送するという方法を取られているそうです。

お客様と通話が出来れば問題ないのですが、途中で切れてしまった場合、一旦会社を経由しているため、携帯電話の着信履歴は会社の代表番号になってしまいます。

そういった場合や休日明けなどに、CTIのログでどこからの着信だったのかを確認し、必要があれば折り返しの電話もできるようになりました。

今後の展望

重要性は高いものの、日常生活であまり意識をすることのない“防災”。
浦安防災様では、消防設備や防火管理をプロの目線でわかりやすく説明した“防火管理マガジン”という小冊子を作り近隣企業や住民の方に配布されています。

代表取締役 保坂様

発行部数は5000部、その配布方法は、“足”で、というのが保坂社長のやり方です。

創業当初、ひとりきりで“足”で営業して回り、ゼロだったお客様がだんだん増えていく喜びがあったからこそ、今までやってこられた、という保坂社長。嬉しかった思い出が忘れられず、今でも社長自らが飛び込みでお客様を一件ずつ訪問されるそうです。

「飛び込み営業に慣れていない世代の方にはきょとんとされることもあります(笑)。

インターネットなどの新しいサービスは便利ですばらしいと思いますが、最近はそれに縛られてしまっているような気がしています。人間に必要な感謝や思いやりといった気持ちというのは、やはり人間同士のおつきあいから生まれるものだと思うんです。たとえば、パンフレットを配る姿を見て “暑い中、大変だなぁ”と感じること。営業に直接つながらなくても、そういう気持ちを与えるということが重要だと考えて動いています。

インターネットが盛んな現代だからこそ、お客様と直に接することが一番なのではないでしょうか。」と保坂社長は語ります。

今後は、導入した顧客管理システムを活用し、小冊子を配布したことをきっかけに継続的にご案内をしたり、お問い合わせを頂いたときにスムーズに対応できる“新規顧客対応”のしくみについても整えておきたいとお考えのようです。

他にも、契約済みの建物の防災設備の写真を顧客台帳に取り込み、作業を行う現場からの問い合わせに少しでも早く応対したい、といった展望をスタッフの方からも伺うことができました。

保坂社長の“お客様を大切にする”という姿勢が社員の皆様にも伝わり、お客様サービス向上に全社で取り組まれている浦安防災様。今後も、顧客管理システムやCTIシステムがそんな想いをサポートできれば、と考えています。