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受注体制とインフラの整備、基幹システムと連携したCTIシステムの導入で受注数2倍を達成

長野県大町市、広大なアルプス山脈を望む絶好のロケーションに、まるでシリコンバレーの一角にあるような広々としたオフィスと工場を構える信越電装様。

海外から輸入した、使い古しや不具合のあった自動車の部品を一度全てバラバラにして丁寧に磨き上げ、新品同様、もしくはそれ以上にリビルド(リマニュファクチュアリング)する技術集団、それが信越電装様です。

メーカーごと、それぞれ数千~数万単位で構成される自動車のパーツ。自動車の故障で困っている、特にビジネスユースでは一刻を争うという状況の中で、最速でお客様のニーズに応えらえるよう、常に莫大な数のパーツを管理されています。

本社である長野県を拠点とし、神奈川県横浜市と北海道の支店、その他、主要都市の協力会社や宅配業者にも在庫を持ち、全国どこへでも翌日には配達できる体制を整えられています。

「ビジネスユースだけでなく、個人でも車がないと困る地域もたくさんあります。
最近では、車検に出しても1日で戻ってくるのが当たり前になってきていますよね。スピード重視で、出来るだけお客様のリクエストにこたえたい、そういういったスタンスでやっています。」と総務企画課 副主事 田中様:以下、田中様は語ります。

経験値を積んだ営業スタッフが全国を飛び回り、お客様のさまざまなリクエストに応えています。

リビルド商品が見直された理由

「海外では自動車、なかでも普段使用する大衆車は単なる道具で、古くなったらその部分を直して、壊れるまで使うのが当たり前なんです。直すとしても、新品の部品ではなく、再生品で十分という考え方です。

当社は、もともと自動車部品の修理を行ってきた会社ですが、そういったニーズから先代の社長が海外でのビジネスチャンスを感じ、海外で市場を開拓したんです。そして、海外で認められたのが現在のビジネスのはじまりです。

一方日本では、好景気の頃は自動車といえば新車がステイタスで、新車市場が伸びていた。ですから、当社は主に海外向けにビジネスをしてきたわけですが、不景気になってからは、国内でも再生品を利用するいわゆるエコ志向が強くなってきました。

でも、日本はかなり車を大切にしますからね。
単なる再生品ではなく、新品同様のリビルド商品を取り扱う当社の需要も高まってきたんです。日本でも、リサイクルというスタイルが見直されたんですね。」 (田中様)

海外から日本へ

リビルドしたパーツを“SHINE”というブランド名で需要の高い海外に輸出していた信越電装様でしたが、日本国内でも、知り合いの修理工場に信越電装様でリビルドした商品を使ってもらったり、戦略的に展示会に出展したりと、手探りで市場開拓を続けていたそうです。

そして、とある有名な車修理分野の雑誌に取り上げられたことをきっかけに、“SHINE”ブランドが、ここ日本でも一気に広まります。

もともと海外向けに始めた“リマニュファクチュアリング“というビジネスが、いつか必ず日本でも見直される時代が来る。海外市場だけでなく、日本市場も大切にしなければ、いずれ立ちゆかなくなるという経営判断が正しかったという訳です。

リビルドされる商品は、国内外から仕入れたコアとよばれる材料のほか、自動車メーカーにクレーム品として返品されたものも含まれるそう。

メーカー純正品のリビルドも請け負い、国内外の自動車メーカーからの信頼も厚く、太いパイプを持つ同社。

ビジネスをはじめた当初は、1名で作業して多くても 1日10件ほどだった出荷が、現在では作業員もかなり増え、1日の受注が600~700件にものぼることもあるそうです。

競合他社との共存

「車が動かなくて困っているわけですからね。当社に在庫のある商品は、その日の17:00までに調整して出荷するというモットーで、時にはライバルと呼べる競合他社さんに依頼してでも、必ずお客様への納期を守るようにしています。」と田中様は語ります。

ライバル会社との共存は理想的ですが、なかなか難しいのが現実です。
信越電装様は、自社が弱い部分は潔く他社のノウハウに頼り、逆に、他社からも頼られる存在でいたい。ライバルともwin winの関係を築けたらいい、そうお考えのようです。

電話対応受付の時短を重要視

日本国内の自動車メーカーや全国の修理工場のほか、海外からの受注も含め、まだ1日の出荷台数が200~300台だった頃。それでも十分件数は多いと思われますが、信越電装様ではまだ本格的な基幹システムは構築されておらず、受注処理は手作業で行われていたそうです。

しかし、リーマンショック以降、新品ほどコストはかからず、しかも保証もついていて性能の良いリビルド品が見直された頃、企業だけでなく個人の方からの問い合わせが増えてきて、さすがに手作業での受注に限界を感じた、と田中様は振り返ります。

「一刻も早く納品するためには、素早くスムーズな受注処理が必須と考えました。
もう、人海戦術で処理するキャパを越えていたんですね。」(田中様)

そして、コアの在庫(自動車のパーツ)、いわゆる原材料の管理をする本格的な基幹システムを構築。前職でIT関連の仕事をされてきた田中様は、コールセンターや電話受付に使用されるCTIシステムというものをご存知で、電話受付をさらに効率化するために、CTIの導入についても念頭におかれていたそうです。

「ただ、まだ基幹システムを構築したばかりでしたから。当社ではまだ必要ない、使いこなせないのでは、ということで機会を逃しました。」と、基幹システム構築時の様子について語ります。

しかし最近、電話機の更新の話があり、基幹システムのデータベースを活かして連携できるCTIシステムはないかということがきっかけとなり、BIGCTIコネクターをご導入頂きました。

BIG CTIコネクター採用のポイント

BIG CTIコネクター採用の一番の理由を聞いてみました。

「大手も含め、何社か比較検討をしました。同じ条件下で、当社の一番のニーズは基幹システムのデータベースを活かしてCTI化したいということが前提でしたからね。
これまで使って来た基幹システムの操作性を変えることなく、CTI部分だけを追加できるBIG CTIコネクターが一番当社の運用に理想的なシステムだと考えました。即断で、BIG CTIコネクターでいこうという感じでしたね。」(田中様)

電話機とシステムの構築を担当された松本市のシステム会社、AID(株式会社 アドヴァンスト・インフォーメイション・デザイン)の瀬黒様も、導入時の印象として「信越電装様は要件定義が非常にはっきりしていましたからね。ご導入までのプロセスがとても早かったです。」とお話されるほど、導入はスムーズに進んだようです。

基幹システムとCTIシステムの使い方

信越電装様では、電話機の刷新を機に電話回線を倍に増設し、全社でCTIクライアントを18台導入されています。

自社で構築した基幹システム(在庫管理、顧客管理、受注、購買の一元管理システム)とBIG CTIコネクターを連携し、電話着信時に瞬時にお客様の情報をダブルディスプレイのモニタに表示、在庫の問い合わせや受注処理をされています。主にインバウンド(着信)機能を利用している同社では、アウトバウンド(発信)機能は使っていないそう。

「発信機能を使ったら負けだと思ってるんです。お問い合わせに即答できず、調べて折り返すという間に、お客様は他社に逃げてしまいます。

だから、発信機能は使いません。通話中に少し保留してもいいから、折り返しはしないというのが当社のルールです。」(田中様)

1日に数千件寄せられる通話は、通話ログ機能で担当者ごとに通話時間等の集計されています。

CTIシステムの導入効果

CTIシステムの導入効果については、次のような点を挙げられています。

まず、電話に出る前にお客様の名前が分かる点。ベテラン社員の方は、電話機に登録された番号だけである程度事前に把握できるようですが、新人やシステムに不慣れな方でも、ストレスなく電話応対が出来るようになったそうです。

電話を受け付ける社員のストレスを無くすということ以前に、本来の目的である、受注エントリー業務を早めるという点についてもCTIシステムは効果的だった、と田中様は語ります。

「CTIシステムの導入により、基幹システムで顧客検索をするというステップを省略できたため、一通話に対し、3~4秒の短縮になったと思います。

1日、600~700の受注ということは、問合わせの電話等も含めると4000件以上の電話がかかってくるんです。
そんな、電話が鳴りっぱなしという状況の中で、一通話3~4秒の短縮は非常に大きいですね。効率が上がるだけでなく、ミスも減りました。

手作業では全スタッフが必死になって300~400件の受注を処理していたのに、基幹システムにして平均600~700件の受注を受けられるようになりました。

さらに、CTIシステムを導入してから、最近ついにトータルで1400台ほどの受注を受け付けたんですよ。単純に、以前の倍の受注をこなせるようになったということです。」(田中様)

CTI導入により受注数が増えることを見越して工場の生産体制を準備したこと、在庫を引き当てておいたことに加え、物流システムとの連動、スタッフの意識改革。さまざまなプラス要因がタイミングよく重なり、受注数2倍という大きな効果を達成されました。

「“今の当社なら出来る”という自信がなければ、多分それまでのシステムでなんとかしようと考えるだけで、新たにシステムを導入しようという決断は出来なかったかもしれませんね。」と田中様は語ります。

主に営業部門で受注処理をされていますが、営業以外のスタッフの端末にもBIG CTIコネクターを導入。
お客様の声や名前が分からない、全国から寄せられる方言混じりの通話でも、他部門のスタッフが対応できるような体制を整えたことでお問合わせを受注につなげる、大切な取次ぎ業務についても効率化された、とのことです。
また、海外からの国際電話についても事前にわかるようになりました。

今後の展望

基幹システム構築時に、それまで別システムだった購買・発注と受注・顧客管理をリフレッシュして1システムに統合された同社。現在、在庫管理、顧客管理、受注、発注管理は網羅出来ているものの、唯一工程管理だけ実現されていないそうです。今後の展望として、次のように語ります。

総務企画課 生産管理課 副主事 田中 幸和氏

「当社の工程管理は非常に複雑で、システム化するには時間がかかりそうです。ただ、工程管理と顧客情報をつなげるというイメージだけは出来ているので、何年かかるかわかりませんが、必ず実現したいと思っています。」と田中様。

CTIシステムの今後の展望としては、横浜、北海道の拠点にもCTIを導入し、さらなる効率化を図りたい、とのことでした。

「現在、各支店でもCTIを除いた、受注からバーコードを使った出荷までのフローは出来るようにシステムを構築しています。

その環境にCTIも追加して受注業務をさらに効率化し、理想としては、本社機能を各支店にも持たせたいと思っています。
いわゆる業務の分散です。

データベースを集中管理して、本社と同じ環境を全支店に作る。これが今後の課題ですね。」(田中様)

各支店への本社環境の構築の次には、データベースを使った営業戦略についても意欲的です。

「営業活動をもっと効率的にするには、SFAシステムと顧客管理、CTIを連携すれば営業ツールとしてうまい円が書けるのではないかと思っています。体制を整えて、徐々にやっていきたいですね。

また、BIG CTIコネクターの通話ログから、どこのエリアからの通話が多いのか、エリアマーケティングや顧客分析等もやっていかないと、と思っています。」(田中様)

電話機刷新に伴い、国内、海外の回線を分けたり、インフラを整備したり、さらに、経理部門が営業の電話を受け、機会損失を防ぐ、といった業務見直しのきっかけにもなったそうです。

電話機の全社が一丸となって取り組んだ電話対応の質の向上で、確実に信越電装様のファンが増えたと言います。クレームは0.数%まで減りましたが、ゼロではない、あくまでゼロにしたいと本気で取り組む信越電装様の業務改革は、まだまだ続きます。