第15回 GWのホームセンターにて

気持ちの良い気候になってきました。5月はDIY のベストシーズンでもあり、GWという一大イベントの季節でもあります。

GWは日本人がもっと休みを取るように作られた、日本独自のお休みだそうです。そもそも日本には○○の日と名付けられた祝日が多すぎて私には覚えきれません。祝日の名前が変わったり、移動するのも不思議です。祝日がなくてもフランス人は遠慮なく休暇をとるから祝日が少ないのでしょうか。

GW に混雑するのは行楽地だけではありません。ホームセンターも大混雑していました。

フランスのホームセンター事情はと言いますと、DIY 大国だけあってとても進んでいます。日本との一番の違いは専門性と品揃えでしょうか。

日本のホームセンターは大工道具だけでなく、シャンプーやトイレットペーパーなんかも売っていますよね。近所のカインズはペットショップやラーメン屋さんまであって、ちょっとしたテーマパークみたい。半分位は工事と関係ないものが並んでいます。私も洗剤とか生活雑貨の買い物係を任命されているので、便利ではありますが(笑)

一方、フランスのホームセンターには生活雑貨はなく、工事関係のものしかありません。そのかわりドアやバスタブ、プールまて大物の展示も多く、品揃えも半端ないです。実物を見てから納得して買えるところが良いです。店員さんもかなりマニアックな質問にも必ず答えてくれて、ある意味、全員がカリスマ店員と言えます。

フランスのホームセンターでよく行われているがデモンストレーション。例えば浴室タイルだったら、下地の作り方からタイルの選び方、適した接着剤、貼り方を店員さんがマイクで説明しながら実演してくれます。知識だけじゃなくて、実技も出来るからカリスマ店員なんです!

1日に数回行われるデモンストレーションは盛況で、質問や相談もできます。

ホームセンターで無料でゲットできる小冊子もなかなか使えます。
日本のカインズにも小冊子が置いてありますよね。フランスに帰ったら必ずホームセンターに行くので集めています。「電気の配線のやり方」とか「壁に断熱材を入れる」小冊子まであります。日本だったらプロに頼むような工事まで何でも自分でやっちゃおう精神は流石です。


写真:フランスのホームセンターで収集した小冊子の数々

フランスのホームセンターのことばかり褒めてしまいましたが、日本のホームセンターも25年前に来日した頃に比べると劇的に進化しました。
店舗数や取り扱い商品も増えたし、木材やレンガなど大型商品を購入すると軽トラを無料で貸してくれる、日本独自の素晴らしいサービもあります。私は漢字が読めないので、よく商品を間違えて購入してしまうのですが、返品交換にも優しく対応してもらえるのはありがたいです。サービス面では日本が強いです!

日本のDIY はまだ始まったばかりで、ホームセンターも進化中です。市場規模を考えると、フランスのホームセンターのようにDIY に特化するのは難しいかもしれませんが、デモンストレーションは日本でウケると思うし、小冊子もできれば種類を増やしてほしいです。(特に、フランスにはない砂壁や日本の漆喰を!)店員さんにももっと気軽に質問できると良いですね。

日本では、DIY情報の発信はテレビや書籍が主体になっていますが、ホームセンターが情報発信基地になれば、日本のDIY人口も増えるんじゃないか?と、GW に混雑するホームセンターで思ったのでした。