第33回 「ステップメール」のオープンソース

こんにちは、うちです。

今回のテーマは「ステップメール」」です。

私がお客様から受けるIT活用に関する相談で最も多いのが「ホームページ」についてですが、同様に相談の多いテーマとして、「ITを利用した効果的な集客」についてというものがあります。

・SEOによりホームページへより多くの顧客を誘導する。
・メールマガジンを発行して顧客に情報を届ける。
・facebookにいいねをおしてくれたら店舗で特典を得られる。

等々はメジャーな手段なので実践されているところも多いですが、これらに比べると「ステップメール」は、まだまだ認知度は低いようです。

そこで、今回はオープンソースの「ステップメール」をご紹介したいと思います。

■「ステップメール」とは

美容室での活用例を挙げてご説明しましょう。

あなたは、これまで利用したことのない美容室に初めて行くとします。
そこで、顧客カルテを渡されました。メールアドレス欄があったので、メールアドレスを記入します。

また、どれぐらいの頻度で美容室に行くかのアンケートがあったので、「2ヶ月ごと」と記入します。

すると、

1.利用した翌日に「昨日はご来店ありがとうございました」のサンキューメールが届きます。

2.来店から2ヶ月ほど経つ頃、「そろそろ髪を切りにいらっしゃいませんか?
今週ですと土曜日の午前中が比較的空いております」といったメールが届きます。

あなたは、「髪も伸びてきたし、そろそろ行くか。」という気持ちになり、晴れて2回目の訪問顧客になります。

このようなシチュエーションの、1.と2.のメールを自動的に送信しているシステムが「ステップメール」です。

見込み客や新規顧客に対して、段階的に送信したいメール文章をあらかじめ登録しておくことで、メールアドレスを登録した初回から設定期間が経過すると、自動的にメール送信するという仕組みです。

お客様との出会いの期間や接触度に応じて自動的にフォローメールを送ることで、

「潜在顧客」→「見込み顧客」→「固定顧客」→「常連」

に導くためのツールといってもよいでしょう。

「無料」、「ステップメール」で検索すると、無料で利用できるステップメールサービスがたくさん出てきます。

それらを利用するのもひとつの手だと思いますが、

・メールに全然関係ない広告が入っている。
・送信元メールアドレスが自社のものでない。
・そもそもメールアドレス収集で利用されてしまっていて、登録後に相手に
スパムメールが届くようになったとクレームを受けるようになった。

このようなリスクを考え、サービス提供元が確かなところなのか、サービス利用時の制限事項や免責事項をしっかりと確認しましょう。

■オープンソースの「ステップメール」
「オープンソース」、「ステップメール」で検索しても、なかなかヒットしないのが現状です

というのも「ステップメール」という呼び方は日本独自のようで、海外では順番に自動返信メールをする、ということで「sequential auto responder」という呼び方をするようなのです。

それではオープンソースでステップメールを構築するプロダクトをいくつかご紹介します。

■Infinite Responder
http://infinite.ibasics.biz/

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「ステップメール」単独の目的でつくられたオープンソースプロジェクトは、私が探してみた限りこれだけの様子。

「ステップメール」としても、「メールマガジン」としても機能します。
最終更新日が2007-07-28となっており、現在アクティブに開発が進められていない状態で、管理画面の日本語対応もされてません。

実際に構築して使用してみましたが、メール本文が日本語対応しておらず、そのまま使用することはできませんでした。

文字化け以外は、ちゃんと「ステップメール」としての動作をします。

■PHPListの「AudtoResponder」プラグインを利用する。
http://goo.gl/LuH8iT

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第18回 メルマガもオープンソースで こちらでご紹介した、オープンソースのメールマガジン発行システムにステップメールのプラグイン「AudtoResponder」をインストールすることで、同様の機能が実現できます。

こちらは「PHPList」、「AutoResponder」プラグインともにアクティブなプロジェクトで、日々新バージョンがリリースされております。

管理画面のメニューもほとんど日本語化されており、メールのタイトル、本文も日本語に対応しております。

■WordPressのプラグインを利用する。

さすがWordPressはメジャーなだけあって、ステップメールのプラグインも複数あるようです。

「BFT Autoresponder」
https://wordpress.org/plugins/bft-autoresponder/

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「ARGWA FREE Autoresponder」
https://wordpress.org/plugins/autoresponder-gwa/

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ただ、どちらも1種類のキャンペーンしかできないようです・・・。

あまり複数のシナリオパターンを利用しないなら、WordPressのプラグインでも十分ですが、本格的に活用するならPHPListのプラグインを利用するという手が現時点では良さそうですね。

「メールマガジン」同様、「ステップメール」も、うまく利用すればプロモーションのツールとして有効ですが、やみくもに利用すると、顧客にとって迷惑な「スパムメール」と認識され、企業イメージを損ないかねません。

バランスを考え、うまく活用したいものです。

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