Siouxsie And The Banshees 「Candyman」 (Siouxsie And The Banshees) 86Polydor

言ってみれば、青年劇画のマインド。滲み出る醜い若さを、わかりやすくポップに味付けして、コンパクトにまとめる。70年代前半の英国プログレが陥った、自堕落な事大主義への反省か。

そうなれば、主役はキーボードではなく、ギターです。ブルージーなギターソロは必要なく、適度に不穏な空気のリフを手堅く積み重ね、微量、逸脱もする。

マーケティング的に完成されたバックトラックを従えて、厳かに鎮座するのが、スージースー。

ヴォーカリストやパフォーマーの資質としては、おそらく同年代のクリッシーハインドとの類似も想起させますが、フロントに立つアプローチは全く真逆。

歌舞く女王を若干戯画的に演じ切るスタイルは、日本のヴィジュアル系にその系譜が受け継がれました。