凄いものを見てしまいました。キャパ1,200人程のライブ会場の隅々までを隙間なく、埋め尽くすような音の触感。

音は、空気の微粒子の細々とした細部にまでビッチリと入り込みますが、決して重苦しく湿度を纏うわけでもなく、ごく自然に空気と一体化します。

ギターのフィードバックが唸る轟音は、決して軽やかな調べではなく、複層的な音像の襞を出し入れしながら向かってくるのですが、ギタリストの巧妙な手さばきにて、むしろ整然と、鳴ったり、止んだりします。

このような音の「層」が、常に場を支配し続け、一応歌も歌っているようですが、ほとんど聞こえません。

聴こえてくるのは、少々荒っぽいとも言えるドタバタしたドラミング。これも音量はかなりデカく、音の層をスパスパと切り裂いたりしています。

会場では、轟音に注意すべく、耳栓も配られたりもしていましたが、健康を損なう程の音量ではなく、装着している人もチラホラいたのみ。

コンピュータではなく、電気を使うのが、ロックの王道ならば、ここがその極北だったのでしょう。