第24回 伝える

都心にも4年ぶりの大雪がふりましたね。温暖な三浦は大丈夫だとなめていたら大雪警報が出て、危うく帰宅できなくなるところでした。

雪は翌日にはすっかり溶けて、可愛い真っ黄色の水仙が顔を出していました。

三浦海岸の河津桜もほころび始めて、少しずつですが春の気配を感じます。

市場にクッキーを出品して1ヶ月が経ちました。年末はマグロ祭りなどのイベント効果でまとまった数が売れましたが、お正月の後は財布の紐が固くなることもあり苦戦する日々が続きました。

お店をやっていた時は、おすすめ商品の試食を出したり、直接自分の言葉で説明することができていたので、宣伝に頭を悩ませた憶えがありません。

そもそも、市場に来るお客さんは私のことやクッキーがどのように作られているかを全く知らないので、商品とPOPの情報が全てという訳です。

美味しいものを作ることは得意だし、努力を惜しみません。だから余計な説明をしなくても食べてもらえれば分かるし、また買ってもらえる。という考えでいました。○○産や○○にこだわっています。

といった説明をするのは野暮のような気がして…でもそれは、自分のお店だから許されたことだったようです。

観光市場という場所では、そんな考えは全く通用しません。どんなにこだわって作られた有機栽培の大根も、ただ並べたらお客さんは違いがわからなくて当然なのです。食べてもらうには、まずは興味を持ってもらうこと、手に取ってもらうところから始まります。

 

手始めにPOPを作りました。

私の写真入り(しかもモノクロで故人に見えなくもない)で少し恥ずかしいですが、生産者の顔が見えるのは大事です(笑)外国人の生産者は私一人なので、写真では市場の中で一番目立っています。

 

クッキーのレシピは、私の祖父でパン職人のルルおじいちゃんからもらったも大事なものです。
100年前のレシピだということと、自宅のアトリエで手焼きしているとローカル感を出したPOPにしてみました。

 

 

商品の材料や、味の違いが一目で分かるボードも作成!
額縁はペイントでアンティーク風にしてみました。

陳列台は市場からの借り物なのでぐっと我慢して、自分のテリトリーのみのDIYです。

POPを作ったら売上が倍増しました!と言いたいところですが、そんなに甘くはありません。

ただ、売場を観察していると、POPをじっくり読んでくれるお客さんがとても多いことに驚かされます。

どんな人がどんな風に作っているのか?
商品の持つストーリーを伝えることの大切さを実感しました。

売上が伸びて、もっと大きな売場をもらえたら思いっきりDIYして市場にぺぺルルワールドを作る!と、野望を胸に今日もクッキーを焼いているのです。