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今月の一冊

-土屋 敦
書評家・編集者の土屋 敦氏が厳選した珠玉の一冊をご紹介します。

『山の旅人 冬季アラスカ単独行』

今年1月、雑誌「Number」における中村計によるインタビュー記事で、登山家・栗秋正寿は、「事実上の引退」を表明した。今回取り上げるのは、その栗秋の著書『山の旅人 冬季アラスカ単独行』である。 栗秋は、史上最年少でアラス …

『短編宇宙』

集英社文庫の『短編宇宙』は宇宙をテーマにした短編アンソロジーだ。集英社文庫では、定期的に『短編○○』という、編集部がセレクトした短編集を出していて、『短編工場』『短編学校』『短編少女』『短編少年』等がある。良作も多く、例 …

『この本を盗むものは』

『戦場のコックたち』そして前作の『ベルリンは晴れているか』という本格歴史ミステリで高い評価を得た作家の深緑野分。『この本を盗むものは』は彼女の最新作だ。 前作と雰囲気は大きく変わり、遊び心にあふれ、読書好き、小説好きには …

『じんかん』

松永久秀を描いた歴史小説『じんかん』は、500ページを超える分厚さだが、気持ち良いぐらい、どんどん読み進めることができる。まさ年末年始の読書にぴったりの作品である。 松永久秀ーー松永弾正と言ったほうが、わかる人は多いかも …

『恋するサル 類人猿の社会で愛情について考えた』

今回ご紹介するのは、まだ未発売の本。12月1日発売予定です。実は私自身が構成で関わった本なのです。手前味噌ですが、著者である黒鳥英俊さんの語るエピソードがあまり面白かったので、ぜひ紹介させてください。 著者の黒鳥さんは、 …

『マル農のひと』

著者の金井真紀さんは、『世界はフムフムで満ちている』、『パリの素敵なおじさん』など、イラストとやわらかな文章で、世の中のちょっとおもしろくてすごい人たちを描いてきた、人物ノンフィクションの名手だ。そんな彼女が、新作『マル …

『フレンドシップウォー』

昨年の11月28日、アンドリュー・クレメンツが亡くなった。 クレメンツが、すぐに誰だか分かる人は少ないだろう。80冊以上の作品をこの世に出し、全米650万部という大ベストセラーも生み出し、数々の受賞歴もある作家であるにも …

『昭和16年夏の敗戦』

広島、長崎の原爆の日、終戦記念日と、この時期は先の戦争のことを考える機会が多い。特に今年はコロナ禍のなか、より深く、非常時における政治や行政に考えをめぐらすことが多かったように思う。 そんな中、1983年に出たノンフィク …

『晴れ、時々くらげを呼ぶ 』

「来い! くらげ! 降ってこい!」 学校の屋上で小崎優子(ゆこ)は叫ぶ。入学したばかりの高校1年生。「不思議ちゃん」としてクラスでちょっと浮いている。屋上の入り口に腰掛け、宮沢賢治の『春と修羅』を読みながら、小崎が叫ぶ声 …

『兄の終い』

『兄の終い』は、著者が、兄の突然の死と関わった5日間の出来事を綴ったエッセイである。特に大きな事件が起きるわけではなく(もちろん兄が突然死んでしまうということは、個人史においてはひとつの事件かもしれないが)、兄の死の「後 …

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