Mute Beat 「Beat Away」 (小玉和文) 87overheat
80年代後半、東京産のリズムが世界屈指のレべルだったことを証明するのが、ミュートビートの存在でしょう。まず、バンド名がかっこいい。「ミュート」した「ビート」。ネガティブかつクールに反抗的なネーミングセンスは、間違いなくパンク~ニューウェーブの精神を受け継いでいます。
87年、私は岡山でミュートビートのライブを体験しましたが、今だにその静かな凶暴性ともいうべき、佇まいを忘れられません。表面的には決してヒートアップすることなく、あくまでクール。しかし、恐らくは、その内側には残忍さを孕んでいるグルーブ。
レゲエ・スカを基調とした、重いリズムセクション。必要な部分だけに音の隙間を埋めていくキーボード。静かに怒りのラインを紡ぐ、小玉氏のトランペット。
「Beat Away」収録のアルバム『Flower』はマストです。出来る限り大音量で聴くべし。