Steve Winwood 「Hold On」(Winwood/Capaldi) 77Island

長いキャリアを俯瞰すると、年代によってかなり幅広い音楽性を紡いできたスティーヴウィンウッド。

その芯に一本筋金を通しているのが黒いグルーブです。

黒いグルーブにも様々なバリエーションを提示するウィンウッドですが、メロウでスムースなのが77年の1stソロアルバム。
1曲目の「Hold On」ではアンディーニューマークとウイリーウィークスのリズムセクションを起用。当時で最もしなやかなグルーブを獲得しています。

そして、そのしなやかさの上に堂々と鎮座するのが、ウィンウッドの黒いヴォーカル。質量の濃いコクのある声質なのに、軽やかに伸び、揺れ、切れる。黒人以上に黒い、白人ヴォーカリストの最高峰といえます。

ロック的なこけおどしを全く使わず、ただ音楽の才能と情熱を注ぎ込み、誠実な傑作を作り上げるウィンウッド。聴きこむ程に味わい深い。

http://www.stevewinwood.com/