第36回 「アイ」
今回は「アイ」について書こうと思う。(あれ、どこかで見たような書き出し・・・)
もちろん私は「今月のひとこと」の青沼氏と違って「愛」について語る資格があるわけじゃない(あるとすれば、下心の「恋」か)。
でも挫けずに、「アイ」である(ここで、「何である。アイデアル」を思い浮かべた人はご同輩と推測)。
「アイ」と言っても、「アイ」・○ョージが計画したチャリティCDの謎に迫るわけでもなく、ウルトラセブンのウルトラ・「アイ」や必殺技「アイ」スラッガーについて語るわけでもない。
最近、手に入れた「アイ」。
「アイ」フォン4S(iPhone4S)について書こうと思う(回りくどかったですね。
今回は少し真面目に書きます。あ、いつも真面目ですが)。
【以下、プロジェクト○風に】
iPhone3GSを購入してから、9月末で2年3ヶ月が経過した。
経年劣化でホームボタンの反応が悪くなってきたので、iPhone5が発売されたら機種変更をする気満々で、今年のAppleの製品発表会を待っていた。
しかしながら、10月4日(現地時間)、AppleのCEOのティム・クック氏によって発表されたのは「5」ではなく、「4S」だった。。。
見た目はほとんど「4」と変わらない「4S」に、正直がっかりした。
Android携帯に寝返るか?
Androidも最近は使える端末になってきたと周りでの評価も高まっている。
ところが、翌10月5日のこと。
なんと、Apple創始者で前CEOのスティーブ・ジョブズ氏の突然の訃報が・・・。
思い起こせば、20年ほど前、MS-DOSのPCをキーボードだけで使っていた。
そんな日本中のほとんどのPCがDOSだった頃、Macintoshとその独自OSの存在を知って驚いた。
キーボードでコマンドを打ち込む代わりに、プログラムのアイコンをマウスでクリックするだけで使える!(今なら当たり前のことなのですが・・・)
その素敵なOSは漢字Talk7だった(と思う)。
デザインがお洒落で、直感的に操作ができる。
DOSのPCとは違うセンスの良さ。所有者のセンスもアップしそうだ。(持っているだけでモテそうだ)
これしかない!と変な下心で中古のMacintoshSE/30(PCの名称です)を買った。
10インチくらいのモノクロモニタ一体型で、たしか10万円くらいした(その当時10万円もあれば、1年間毎日立ち呑み屋通いができたはず。って、どんな計算だ)。
その後、14インチのカラーディスプレイ一体型のLC520(PC名称)が登場した。
カラーディスプレイは綺麗なトリニトロンで、CDドライブも搭載して28.8万円だった(その当時28.8万円もあれば、叶姉妹のような生活ができたはず(ウソ)だが、これでも新品のMacintoshとしてはビックリするほどの安値だったのだ)。
PowerBook(AppleのノートPCの名称)も買った。
マウスの代わりにトラックボールがついていて、ついに机を離れて、いつでもどこでもマックが使えるようになったのだ。
いわゆるモービルコンピューティングと言うヤツだ(気がつくと「モービル」はいつのまにか消え、「モバイル」という言葉が定着した)。
ただ、PowerBookの電池の持ちはあまり良くなかった。
そのため交換用の充電池をいくつも持ち歩くことになり、気がつくと上腕二頭筋が発達し腹筋が割れてきて、Macユーザーからボディビルダーに転向した人もいた(ウソ)。
いきおいで、PowerBook Duo230も買ったはずだ。普通のPowerBookと違って、フロッピードライブがなくて、軽いノートタイプだ。でも、2kg以上はあったと思う。
ただ単に、人に自慢したいだけで(それほど素敵なデザインだった)、用もないのに持ち歩き、起動する度に電池切れになり、常時外出先で電源を捜すという生活の始まりだった。
コンセントを貸してくれそうな喫茶店は入り口を見ただけでわかるという特殊能力を身につけたのも、この頃だ。
しかし、電源を見つけられなくて、送電線のある鉄塔によじ登って感電落下事故の被害者が出たところで、この生活から足を洗った(ウソ)。
そうこうしているうちに、デスクトップのLC520のスペックが物足りなくなって、Quadra650(PCの名称)を買った。
その当時、Macファミリーの中で2番目の速さを誇る名機だった。(でも2番目。あぁ、どうしていつも2番目を買ってしまうのか?)
妖しい海外CDゲームをプレイしたのもこの頃だった。
英語ができないのに、何故か妖しいゲームを堪能することができた。
なぜだろう?
答えは、たぶん「妖しい」からだと思う。
Quadra650はその後PowerPCへアップグレードして、PowerPC601となった(一般の人には意味不明だと思われるが、昔のAppleは既存のハードウェアをバージョンアップできるアップグレードキットを販売していたのだ)。
パイオニア製のMacintosh互換機も買った。
マシンの筐体全面にスピーカーが搭載されていてパイオニアならではのマルチメディアマシンだった。(パイオニアがMac互換機を作って売っていたなんて、今となっては信じられない話だが、真実)
PowerPC搭載のPowerBook1400Cも買った。早いノートが欲しかったのだ。しかし、やはり重かった。。。
筋肉がますます鍛えられたので、今度はハンマー投げ選手に転向してみた。(ウソ)
ほかにもまだまだ買っていたような気がするが思い出せない。。。
周辺機器もたくさん買った。
プリンターにイーサトランシーバーにスキャナーにMOドライブ・・・ETC
増設用の4MBメモリを49,800円(!)で、「安い」と狂喜乱舞して買った・・・馬鹿だった・・・。
Macintoshに興味のない人には機器の名称など全くわからないと思うが、私がどれほどAppleの製品をアイしていたかを知って欲しくて、だらだらと書いてしまった。
改めて書いてみて、その業の深さに自分でも驚いた、と同時に購入費用を想像して驚愕した。
Appleへの偏愛ゆえ、知らぬ間にジョブズ氏へ「貢ぐ君」となっていた。(一歩間違うと、金も職も失って「Jobs」と書いたプラカードを持って、デモに参加せざるを得なかったに違いない)
Macintoshを買っていなければ、きっと外車の1台や2台は買えたと思う(買えないか)。
車を買って「アッシー君」になっていたに違いない(結局、「貢ぐ君」と大差ないが)。
なんと言ってもAppleへの思い入れは強いのだ(とMacファン、Appleファンはみんな思っている)。
なぜ社名がAppleなのか?、なぜロゴのリンゴマークは囓られているのか?、ロゴのカラーリンゴはなぜ6色なのか?・・・ETC.というAppleの熱烈なファンなら誰でも知っている秘密をもちろん知っている。(でも、今や、そんな些細な自慢もグーグル先生の前では色褪せてしまったわけだが・・・)
ファンというよりは、信者だ。
という厳しい戒律も守っている。
常に腹ぺこで、学習能力なくApple製品を買い続けている。
とにかくApple信者は、世俗的な「裕福」からは遠い位置にいるが、精神的な「裕福」とは共に在るのだ(なんのこっちゃ)。
現在、私のMacintoshマシンたちは長い眠りについているが、第三世代と第六世代のiPod、初代iPod shuffle、初代iPod Touchが手許にあり、iPhone3GSがバリバリの現役、そして次はiPhone5を入手すべく、虎視眈々と狙っていたのだった。
【ようやく前置きが終わって、初めの部分とつながりました。いよいよ本題です】
10月7日からはじまる予約の受付開始段階では、正直「4S」の購入を躊躇していた。
ところが、「4S」とは「4(for) S(Steve)」の意味だというインターネット発のウワサをキャッチ。
信者としてはスティーブのためとなれば、これは手に入れるしかない。
久々に燃え上がるApple愛。
しかしながら、7日、8日は仕事の関係でショップに行くことができず、ますます燃え上がるApple愛(遠距離恋愛のようなものです)。
ようやく9日に予約可能となった。
で、そこで迷いが・・・。
iPhone4Sは、すでに予約だけで過去最高の出足なのだ。
それなのに予約開始から2日も出遅れている自分が、発売日(14日)にiPhone4Sを手に入れることができるのか?
確実に手に入れるためにはどうすればいいのか?
選択肢は6つだ。
①素直にキャリアのショップに予約に行く
②ネット予約でオンライン購入(これなら7日でも可能だった)
③家電量販店に予約に行く
④予約をせずに、当日Appleストアか、量販店に並ぶ
⑤14日海外に飛んで、SIMフリー版を買う
⑥よくわからない
どの選択肢が正解なのか?
3分ほど悩んだあげく①を選択。
近くの小さなショップに出向く。
客は誰もいない。
穴場だ!もしかしたら、予約3日目なのに、自分が1番なのかもしれない。
窓口で店員さんに聞いてみる。
「iPhone4Sの予約って、どれくらい受け付けているのですか?」
「そうですね。ざっと40件くらいです」
「!!(こんな小さなショップで40件)」
このまま予約手続をしても14日には入手できないに違いない。
しかし、当日販売に並ぶほどの根性はない。
3秒ほど迷った挙げ句、予約することにした。
このショップに初日40台入荷されるほうに賭けてみたのだ(そんな大層なことじゃなく、実際は初日入手を諦めたのだ)。
発売前日(13日)の21時、2時間ほど前にショップから電話があったことに気づく。折り返してみたが、すでに閉店時間を過ぎていたため繋がらない。
そして14日、10時開店のショップなので、9時50分くらいに電話をしてみる(開店10分前というのが小心者の証です)。
話中でつながらない。何度掛けてもつながらない。。。。
そうこうしているうちに、ソフトバンクもauもシステムダウンしたという情報をテレビやネットから入手。
一部には本日分の受け渡しは不可との情報も。
アイには試練がつきものなのか?常にアイは試される。
お昼頃、ようやくシステムが回復したとのネット情報があり、冷やかし半分でショップに行ってみる。
客は誰もいない。
あれ?
窓口で店員さんに聞いてみる。
「iPhone4Sを予約しているものですが、手続きできるのですか?」
店員さんは予約者一覧表を取り出して、確認を始めた。
こんな小さなショップなのに(失礼)、予約者リストは膨大(1ページ20人として10ページ以上)なのだ。
そして、なんと14日の受け渡し者リストの一番最後に私の名前があった!!
しかも、昨日電話が繋がった人は電話受け渡しスケジュールに従って、決められた時間に来店する仕組みになっているらしい。
が、思わぬシステム障害で、正規のスケジュールは破綻して、善後策を練っていたようだった。
たまたま連絡のつかなかった私は、その正規のスケジュールから仲間ハズレで宙ぶらりんだった。
しかも、今現在システムは回復し、客は宙ぶらりんの私だけ。
こうして、私は、その小さなショップのiPhone4S第一号ユーザーとなったのだった。
今月の結論:『最後にアイは勝つ』(なんのこっちゃ)
※スティーブ・ジョブズ氏の公認の伝記本が10月24日にアメリカで発売されるらしい。
Apple熱が再燃した私は英語が読めないのに、アマゾンで原書の予約をポチっとしてしまった。
そのうち日本でも翻訳が出るだろうから、その時は並べて読もう、という軽い気持ちだった。
そうしたら、世界同時発売らしく、日本では10月25日に発売されることをさっき知った。。。orz
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