第10回 暮らすように滞在するヨーロッパ ~ドイツ&イタリア編

ついにこの旅も10か国目を迎えた。
チェコの首都プラハからバスで5時間ほどかけてドイツ・ベルリンへ向かった。ヨーロッパは物価が高く、かつ円安の影響もあり滞在費が高くなってしまうため、1カ所の滞在が2泊か3泊の駆け足の滞在になってしまった。残念ではあるが、ヨーロッパはまた必ず来ると割り切ることにした。

ベルリンの中心地はホテルが高めだったので、ベルリンの壁さえ見れたら満足という思いで少し中心地から離れた場所に2泊にした。
滞在期間も短いので、ホテルに到着早々、散策を開始した。ホテルから10分ほど歩いて、ポツダム広場へ、なんとそこにはベルリンの壁が少し残っていた。こんな街中にあるのかと衝撃だった。何度もベルリンの壁崩壊の映像は見たことがあるが、その壁を目の前にしてみると思っていたよりもずっと高い。無機質なコンクリートの壁には落書きやガムがたくさんつけられており、当時の人々の怒りや悲しみやいろんな思いがぶつけられているような気がした。翌日イーストサイドギャラリーという壁が1.2kmに渡って続いている場所に向かうと壁はもはやアートの一部になっていて、当時の面影というよりも現代、未来の平和を願うメッセージを強く感じる。

当時を知るという意味ではイーストサイドギャラリーだけでなく、ポツダム広場の壁やチェックポイント・チャーリーと呼ばれる国境検問所を訪れることをお勧めしたい。また、戦時中の空襲で破壊されたカイザーヴィルヘルム記念教会もお勧めだ。当時の空襲の凄まじさが伝わってくる。この教会、煌びやかさは全くないが、一面青いステンドグラスで覆われていて、普通の教会とは異なる趣でとても落ち着く場所だ。イーストサイドギャラリーとは少し離れているが、ぜひ訪れてもらいたい。

さて、ベルリンのグルメも少し紹介しておきたい。とりあえず、食費を最小限にと考えていたので「ベルリン B級グルメ」で検索してヒットしたものを食べてみた。まずはウインナーにケチャップと少しカレー風味のカリーブルスト。屋台形式のスタンドで焼きたてが食べれて最高だった。ビールが進む味である。もう一つ紹介したいのはケバブサンド。ケバブサンドはトルコのイメージだが、実はベルリンの名物らしい。人気店を検索し、そこへ行くことにした。開店とほぼ同時に向かい並ばずに済んだが、食べている間にあっという間に行列ができていた。2人で分けてちょうどいいくらいの食べ応えのあるボリュームでおいしかった。ケバブサンドはいろいろなところで食べたが、ここのケバブサンドはダントツの1位である。予算も抑えつつおいしいものでおなかを満たしたいときにはピッタリである。

ちなみに節約と言いながら、おにぎり屋さんに足を伸ばしたのはここだけの話だ。日本人経営で日本のおにぎり専門店のようなおにぎりだった。おにぎりとから揚げセットで2人で26ユーロ(3,800円くらい)とこれまでの節約の意味がなくなるくらい高かったがこの上ない満足感を味わった。海外にいると無性に米が食べたくなる。旅人あるあるである。

 

ベルリンを駆け足で後にした私たちは、今度はイタリア・ミラノに向かった。イージージェットというLCCのおかげでバスと飛行機の値段が変わらなかったので、優雅に飛行機で向かった。バス移動に比べ、飛行機は圧倒的に快適だった。LCCに感謝。

空港からミラノ行きのトラムに乗っていると、途中駅で何回か路上生活者のような人が乗ってきてこの街の治安があまり良くなさそうなことを感じた。大きなバッグパックを持った私たちはどう見ても観光客なのでスリが多いと言われる地下鉄は警戒して乗らず、ひたすらトラム移動で乗り切った。GoogleMAP検索でもトラムのルートが出てくるので、怖いものなしである。


宿泊先のAirbnbは日本人の母を持つイタリア人男性とそのパートナーが暮らすアパートの一室だった。少し日本が喋れることに安堵しつつミラノ暮らしを2泊だが満喫した。ミラノはドゥオーモさえ見れればと思いやってきたが、翌日1日乗車券を手にミラノの街中を歩き回り、本場のイタリア料理を堪能し(比べてはいけないが自炊パスタよりはるかに美味しい)、イルビゾンテの本店に行き財布を買うという贅沢をした。

途中スフォルツェスコ城にも足を伸ばしたが、突然ミサンガを腕に巻いてきてお金を巻き上げてくる詐欺に絡まれそうになり、中欧エリアではなかった緊張感を持ちながら街中を歩いた。それでもドゥオーモは圧巻だった。外見はもちろんのこと、中の彫刻やステンドグラスも本当に素晴らしい。来た価値があるといえる場所だった。ヨメは大学の卒業旅行で南イタリアを訪れたことがあったが、全く雰囲気が違ったので、イタリアは改めてじっくり滞在したいと思った場所である。

駆け足のベルリン、ミラノとなったが今日はここまで。次回はスイスへ向かう。