第16回 南半球へ~オーストラリア編
タイ出国の日、お昼頃飛行機でチェンマイからバンコクに戻り、乗り継いでマレーシア・クアラルンプールへ飛び、再び乗り継ぎ、オーストラリア・パースへ向かうという丸1日以上かかるルートだった。言うまでもないがこれが最安だったから。
が、バンコクからマレーシアへ向かう飛行機が遅延し、乗り継ぎが間に合わないかもしれないという致命的な状況に陥った。何をすべきかわからずプチパニックだったが、Trip.comという予約したサイトでサポートしてもらい、カウンターで直接話したほうがいいと聞いて、たどたどしい英語で事情を説明した。結果的にはそのまま向かうしかないとのことなので、遅延のお詫び?のお水とお菓子を食べながらひたすら神頼みして待つしかない。そして、1秒でも早く到着するよう機敏に動いた。
結果、乗り継ぎ時間10分だったが、奇跡的に搭乗口が隣り合わせで、10分での乗り継ぎに成功した。神頼みが通じた…と思った。おかげでパースへの飛行機は爆睡だった。
そんな旅路を経て到着したのがオーストラリア・パース。早朝6時頃に到着したが、外気温7度。タイとの気温差は25度くらいあり一気に冬モード。南半球に来たことを実感した。宿に荷物を置いてまずはマクドナルドでモーニングを食べた。マクドナルド?と思うかもしれないが、ガパオライス三昧のタイでの生活を考えるとたまにはジャンクフードが恋しくなるものである。
到着した日は、一気に上がった物価にドキドキしながら、編集長Uさんおすすめのフリーマントルに向かった。海が近くおしゃれなお店が立ち並んでいて、マーケットのようなところもある素敵な場所だった。お金と荷物を気にしなければ色々買いたかったが、ウィンドウショッピングで我慢した。それでも街中をぶらぶらしたり、電車に乗ったりして街歩きを楽しめた。
電車は車内で駅員さんがチケットを確認していたのが驚きだった。
電車のルールも日本と違い、チケットを購入すると何時間乗車可能、という時間制だった。
日本だと切符は目的地まで購入するのが一般的なので、若干戸惑った。
パースでは、予算の兼ね合いからバックパッカー向けの宿を選んだ。
街歩きを終えて宿に戻ると、欧米系の20代くらいの若者グループが複数、総勢20人くらいいて、広いキッチンとリビングは若者達のたまり場でパーティーのように盛り上がっていた。もちろんアラフォーっぽい人はおらず、アジア系もおそらく私達だけ。若者の邪魔をしないようにひっそりと夕飯を作ることに。夕飯と言っても定番のパスタソースを絡めるだけのパスタだが、私がパスタを茹でている隣で、おそらく20代くらいの男の子が料理を始めた。これがとてもちゃんとした料理で、野菜たっぷりのサラダやお肉もワイン?で風味をつけたりして、ひと手間かかった料理を作っていた。当然だがお裾分けはなかった。
私達にとっては、何とも肩身の狭いバックパッカー宿だったが、2泊乗り切ることが出来た。人間どこでも生きていけるものである。
ちなみに2日目はピナクルズという砂漠に奇岩が無数に広がる場所にツアーで行った。そこに向かうまでの道のりは3時間くらいのドライブだったが、オーストラリアの広大な自然を感じられる道のりだった。
ピナクルズではエミューの足跡の標識を目印に歩き回ったがこれが楽しかった。
方向感覚がなくなるので迷子になる人もいるそうだが、何とか戻ってこれた。
奇岩が広がる光景は不思議で絶景なので、ぜひパースに来た際は立ち寄ることをお勧めしたい。
ツアーには夜の星空観察も含まれており、ピナクルズの入り口付近でビュッフェ形式の食事とお酒を楽しみながら、日が落ちるのを待った。
そして、真っ暗な砂漠の中で星空を観察。南十字星はもちろん流れ星や天の川も肉眼でくっきり見えて、まさに絶景だった。スマホカメラでは写真に残せないのが悔やまれるが、今でもはっきりと思いだせるくらい素敵な記憶である。
帰り道は野生のカンガルーに出会いながら、パースへ戻った。
パースは2泊のみだったが、観光というよりは暮らすのに最適だなと感じた。またのんびり訪れたい場所の一つとなった。
オーストラリアでは、パース以外にメルボルンにも滞在した。
メルボルンは数年前にも来たことがあり、今回はどちらかというと次のニュージーランドに向かうために立ち寄った要素が多い。高層マンションのアパートメントホテルだったので、オージービーフを手に入れて焼いてワインと一緒に食べたり、乾燥機付きの洗濯機でたまった洗濯物を整理して、街中をぶらぶらした。思ったより寒かったので、洋服もここで調達。メルボルンはアジア人でも浮かない感じがして、過ごしやすい。もはや住める、と思える場所だ。世界的に過ごしやすい街と紹介されるのには頷ける。
次回はプチ事件が起こったニュージーランド編。