第18回 自由の国、アメリカへ~アメリカ&ペルー前編

アメリカへ向かう飛行機遅延の影響で、ロサンゼルスからラスベガス行きの飛行機には間に合わなかった。仕方なくロサンゼルス空港のベンチで夜を明かし、早朝の便でラスベガスへ向かう。ベンチでバックパックを枕にしてみたり、試行錯誤したが、結局大して寝れないまま夜が明けた。

デスバレーに行くために寄ったラスベガスだが、度重なるフライト遅延で疲れがたまっていたのでホテルで身体を休めることを優先し、デスバレーはまた次の機会にと諦めた。

アパートメントタイプのホテルだったので自炊予定だったが、スーパーに生鮮野菜はおいておらず、パンやパスタで乗り切った。たしかにカジノの街で自炊しようなんて思う人は少ないだろう。一気に砂漠のど真ん中に来て暑さにやられたのと、カジノでやや負けて、体力と精神どちらも若干疲れた滞在となった。わかってはいたが、バックパックで来るようなところではない。それでもカジノの街ラスベガスの非日常感を十分味わった。

ラスベガスを後にした私たちはロサンゼルスへ。
ちなみにこのフライトも雨の影響で離陸寸前で遅延になり、機内に5時間近く待機して出発し23時過ぎに到着した。空港から宿まではUberで向かったが、なんとテスラ!車の周りの様子がリアルタイムにナビの画面に表示され、一部自動運転機能も利用しているようだった。疲れていたが、最新の設備にワクワクしているうちにあっという間に宿に到着した。

宿はチャイニーズシアターの裏手にある築100年の宿で、マリリンモンローも泊まったことがあるらしい。キッチン・シャワー・トイレは共用だが、個室は確保されていてロサンゼルスのど真ん中の割には安かった。

ロサンゼルス滞在の目的は大谷翔平選手の試合を観ること。

2日後に観戦予定だったが、84年ぶりに上陸したハリケーン「ヒラリー」の影響で、1日前倒しされ翌日野球観戦となった。

今やドジャースで大活躍の大谷選手だが当時はエンジェルス所属で、私達が見に行った翌週の試合から、怪我で出場しておらず、大谷選手のプレーが観れてラッキーだった。アメリカと日本の野球観戦を比較すると席がゆったりしてて、みんな各々に野球を楽しんでおり、自由な空気感が居心地がよかった。が、球場のビールは2,500円、ジュースは1,000円はきつかった…。

ちなみにロサンゼルスは、観光地だが治安にやや不安を感じる面も。地下鉄は乗らないほうがいいと聞いて避けたが、それでもホテル周辺や駅では、奇声を上げていたり、若干異臭がしたり、何かの中毒なのか目がうつろな人達を多数見かけた。今までの街では見なかった光景だったので、緊張感があった。

そんな中、印象的な出来事が。通りすがりのマダムがその奇声を上げている女性に声をかけた。何か食べ物を買ってあげようと声をかけたようで、すぐそばのスーパーで適当に食べ物を買って渡してあげていた。日本ではあまり見かけない光景。でも、マダムの対応がとても自然で、当然のことという雰囲気で素敵だなと感じ、マダムみたいに自然にできるような人に私もなりたいなと思った。

ロサンゼルスは3泊の滞在だったが、翌日はハリケーンの影響で1日中雨だったので近場でのんびり過ごし、最終日はサンタモニカビーチまで足を延ばしたり、大谷選手の大好物という噂のIn-N-Out Burgerを食べてみたり、ロサンゼルスを満喫した。

ロサンゼルスからは深夜便でパナマ→リマ(ペルー)→クスコ(ペルー)とアメリカ大陸を南下していった。

飛行機から見える南米大陸は、剥き出しの大地が続いていて、ずっと見ていても飽きなかった。

実はペルーは2回目で、6年前に新婚旅行で訪れていた。当時クスコは一瞬の滞在だったが、街の雰囲気が素敵でもう1度行ってみたいと思っていたのだ。

空港からホテルへはUberで向かった。個人経営の小さな宿なので看板がなく運転手と一緒に迷ったがなんとかたどり着いた。

6年前と変わらないクスコの街並みとスペイン語が飛び交う感じにワクワクしたが、標高が一気に3,310mまで上がったので、少し歩くだけで息苦しい。

とりあえず深呼吸を何度もして休んだが、すぐ暗くなってきたので夕食を食べに出かけることに。

Googleマップで高評価の店が近くにあるのを見つけてそこに行ったが、入ってみると狭い店内に現地の人が盛り上がっていて、よく見るとみんな同じ強そうなお酒を飲んでいた。どうやらローカル酒場のようだ。酔っ払ってるお客さん達にまぁ座って飲め飲めと言われたが、体調もいまいちなので退散することにした。お店の人に場所を教えてもらい向かってみたが見つからず、少し坂を登ったところにあった別のお店に入った。言葉も通じずわからないまま注文したが、ラーメンの丼ぶりぐらいの大きさのマカロニ入りスープがでてきて、メインとご飯、マテ茶、デザートとなかなかのボリュームだった。

後から気づいたが2人で500円と破格で美味しかった。
ちなみに宿も朝食付きで1泊3,000円と一気に財布に優しくなった。

次回も引き続きペルー。旅も最終章に入る。