第19回 長期滞在したい街 ~ ペルー後編
今回はペルーの後編。ペルーには12泊した。この旅の中で一番の長期滞在であること、6年前新婚旅行で立ち寄った場所であること、南米最初の滞在となった場所なので今思い返してもとても思い出深い場所だ。クスコでの観光は、街に到着してからツアー会社を回って滞在中のスケジュールを決めた。旅の前半は現地での滞在予定を前もって決めて行くことも多かったが、南米は滞在費が抑えられることと時間的な余裕はたっぷりあるので到着してから現地のツアー会社やバス会社を回って予定を決めるスタイルに変わった。旅慣れてきたとも言えるが、結果的にこれは大正解だった。
ツアー会社を3社ほど回り、マチュピチュ遺跡、レインボーマウンテン、クスコ近郊遺跡のツアーをそれぞれ比較してみた。ツアーの中身は大体似てはいるもののそれぞれ出発時間や帰りの時間、お昼の有無などが異なったのとやはりネットで探すよりも圧倒的に安かった。一番コストパフォーマンスが良く英語も対応可能な会社を選んでいくつかツアーを申し込んだ。ちなみに最初の2、3日は高山病に悩まされ、頭が重く身体がだるく観光に出る余裕はなかったが、3日目にクスコの日本食レストランでほんだし?と思われる出汁の効いたうどんを食べたら一気に復活した。だしや味噌のパワーはやはりすごい。
今回はクスコ発の3つのツアーに参加した。1つ目がマチュピチュ遺跡のある村まで車と徒歩で往復し、マチュピチュ村に1泊するツアー。2つ目が山肌がカラフルに見えるレインボーマウンテンを観に行く日帰りツアー。3つ目がクスコ近郊に広がるインカ帝国の遺跡と塩田をめぐる日帰りツアーだ。チンチェロ、オリャンタイタンボ、ピサック、モライにあるインカの遺跡やマラスの塩田を訪れた。どこもクスコに訪れる機会があればぜひ訪れてもらいたいが、最低でも5日間の滞在は必要になるのでまとまった休みが取れる際には検討に入れてもらいたい。現地でツアーを探せばフルパックのツアーよりはだいぶ費用を抑えることが出来るはずだ。
さて、ペルー滞在中の思い出を少し振り返りたい。印象に残ったのはやはりマチュピチュ遺跡。
2度目ではあるものの前回は往復電車、今回はミニバンで6時間、さらに3時間ほど歩いてマチュピチュ村に到着した。ミニバンは20人乗りくらいで崖すれすれのカーブが続く道や砂利道を勢いよく飛ばしながら進み、とても寝れるような状況ではなく椅子から何度か浮く瞬間があったくらいだった。おかげでバスを降りたころには疲れ気味だった。
バスを降りるとアメリカから一人で来ていた女性に「一緒に行かない?」と声をかけられてマチュピチュ村まで3時間までの道のりを3人で向かうことにした。
彼女とは拙い英語で話しながらだったが、「私たちはチームよ!がんばろう!」と言いながらスタンドバイミーロードと呼ばれる線路の上の道を3人のチームで歩いた。わずかな時間だったが、旅のいい思い出だ。マチュピチュ村に着くとマチュピチュ遺跡のチケット売り場に行った。今回買ったチケットは1日400人限定のワイナピチュという山に登れるチケット。前日の夕方にワイナピチュのチケットが購入出来てラッキーだった。
ミニバンと徒歩でたどり着いた翌日にはワイナピチュ登山となったが、これが上り階段嫌いの私にはなかなか過酷でやっとの思いで頂上にたどり着いた。
頂上からはマチュピチュ遺跡がより神秘的だった。
12泊の滞在でペルーの自然、遺跡を満喫した。メルカド(市場)で買い物をしてみたり、スーパーで日用品を買ってみたり、アルマス広場という中心地の広場のベンチに座りながら行き交うチョリータという民族衣装を身に着けてアルパカを引く人たちを眺めたりしながら日々を過ごした。街中でアルパカに出会うのは観光地クスコならでは。
街中で立ち寄った店では、日本人店主の方にあった。40年以上前にペルーにきて現地の方と結婚しているとおっしゃっていた。
40年前からチャレンジングなことをしていることへの羨ましさとともにやはりやりたいことはやっておくべきだと改めて思った。
滞在先のご主人のセルジオさんにもよくしてもらい、毎朝目玉焼きかスクランブルエッグを焼いてくれた。とてもありがたく滞在中の楽しみだった。
宿にはセルジオさんの娘さんが看板娘として活躍していた。するっと部屋に入ってきて気づいたらベッドに座っていたり、買ってきたアイスを食べられたり(笑)、かわいらしい遊び相手だった。クスコの宿では断水になることもあった。高地で水はとても貴重なものらしい。
いろいろなことがあったペルーに後ろ髪をひかれつつ、次なる地へ向かう。