第6回 DIY ブーム到来?

最近テレビを見ていると、DIYを取り上げた番組が増えたように思えます。

私は「完成!ドリームハウス」という番組の大ファンで、必ず録画して何回も見ています。
この番組は、実際に土地を購入済で家を建てたい家族が建築家に依頼して、更地の基礎作りから完成するところまで、半年以上かけて見せてくれます。

最大の魅力は、普通テレビでは紹介されないような地味な工程が全て見られるところ。
職人さんの技をスローで見て釘の打ち方や角度をチェックしたり、気になる材料の名前を一時停止して書き取って調べてみたり、ちょっとマニアックな視点で番組を楽しんでいます。

先日、バラエティー番組のコーナーで、古民家をDIYして住もう!みたいな企画を見て衝撃を受けました。

舞台となる物件は、古民家というよりもただの汚ないボロ屋。
それは良いとして、台所は朽ち果てた床板を剥がすこともなく新しい板を釘で打ち付けたり、棚板もボロボロなのに、補修せずにキレイな色のペンキを直接塗って終わり。

ビフォーとアフターの映像を並べて、明るくなった、安く上がったと盛り上がっています。

ちょっと違うんじゃない?と突っ込みたくなります。

DIYは、汚ないところや古いものを隠して見えなくすることではないのです。床が抜けたらどうするのですか!
素人といえど、まず下地が傷んでいたら補修するところから始めるのが当たり前。

カフェ風とかニューヨークスタイルとか言う前に、補修のやり方をちゃんと紹介してほしいです。
テレビ的に地味な工程を見せたくないなら、DIYではなくインテリアコーディネートとして紹介すれば良いのです。

DIYは出来上がりだけでなく工程を楽しむものだし、おしゃれというよりどちらかと言えば地道な作業が多いんです。

私の娘の部屋の工事前と工事後の写真を並べると、簡単に見えてもその間には大切な工程が沢山あります。

 

before

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例えば壁紙を貼り直すにしても、まず、古い壁紙をはがすところから始まり、やすりで平らにならし、釘穴はパテで埋めて・・・。

と、壁紙を貼るだけでもかなりの下準備が必要です。

After

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この部屋を作る為の道具と材料で、一部屋は完全に倉庫化して凄いことになっています。( 木工用ボンド、デカいですね 笑)

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日本人は、フランス人よりずっと流行に敏感です。
毎年、数えきれない程のブームが生まれては消えていくのを最初は冷めた目で見ていましたが、今ではくるくる変わる日本の流行のスピードにすっかり慣れてしまいました。

消えていってしまうブームがほとんどだけど、日本人は新しい文化を取り入れて日本向けにアレンジする天才だと思います。

外国生まれの料理が日本でアレンジされて、オリジナルを超えちゃうなんてことも珍しいことではありません。

だからこそ、DIYはブームで終わってほしくないし、どんどん日本風にカイゼンされて根付いてほしいのです。

それには、紹介する側もちゃんとしなくちゃダメですよね。
私は、ビフォーとアフターの間にある、苦労や面倒な部分もきっちり見せたいです。

DIY人口が増えたら、ご近所さん同士工具を貸し借りしたり、自分の得意な分野の工事を手伝ってあげたり(レンガ積みには自信あり!)ちょっと苦手なペンキ塗り(単調な作業がキライなんです)を助けてもらったりと、色んな人達とDIYをシェアできたらいいなあと思っています。