第22回 フランスとニッポンのクリスマス

カレンダーも最後の一枚になってしまいましたね。

12月になると、近所のホームセンターに大掃除グッズやお正月用品がずらりと並んで、年末の雰囲気を醸し出します。

日本の12月は、フランスと比べてとっても忙しいです。

なぜかと言うと、クリスマスを祝ったあと、大急ぎでお正月の準備をしなければならないから。

パン屋時代は大量のクリスマスケーキの注文をさばいた後、売場を大急ぎでお正月用の飾りに変えて、お正月用のパンやクッキー作りに追われて 本当に目のまわるような忙しさでした。

フランスのクリスマスは12月に入ってもみの木を買いに行って飾りつけることから始まります。この頃になると、スーパーにはフォワグラやスモークサーモン、キャビアなど豪華な食材が並び始めます。

普段はケチなフランス人も、クリスマスだけは大盤振る舞い!
クリスマスまでの数週間はプレゼント選びに奔走することになります。

クリスマスイブは店もレストランもお休みになることが多いので、家で七面鳥や薪型ケーキのブッシュドノエルでお祝いするのが一般的です。

子ども達には25日の朝にクリスマスツリーの下に名前の書かれたプレゼントがどっさり用意されています。包みを片っ端から開けていく時の幸福感と言ったら…

 

お正月は年末にカウントダウンパーティーをするくらいで、1月2日から仕事が始まるし、お年玉の習慣もないので、案外あっさりしています。

パン屋時代は12月が激務すぎて、お正月休みは大抵体調を崩して寝ていました。

お正月にお店を開ければ間違いなく儲かるのですが、スタッフにも自分にも1年間がんばったご褒美で長めのお休みにしていました。

そこで考えるのは、お正月も休まず働いている人の存在です。

日本に長く住んでいると、24時間営業や年中無休の便利さが当たり前になってしまいます。フランスにいる時は休日にお店が閉まっているとか、レジで待たされたりしてもイライラすることもなかったのに、慣れとは恐ろしいものです。

最近では、お正月休みを増やすスーパーやデパートが増えてきています。私はスタッフ想いの素晴らしい会社だと思います。働く人が疲弊しているのにおもてなしはできません。サービス業の人もお正月くらい家族や友人と過ごせたら良いと思います。皆が休みを取ることが難しければ、お正月頑張った人は倍の休日をもらえるようにするとか。

忙しい年末を乗り切ると、日本が最も日本らしくなるお正月です。

家や車をピカピカにして新しい服で迎える「新年」 は去年までの嫌なこともリセットして楽しいことが始まる予感がするのです。