第1回 オープンソースクッキング

はじめまして。内と申します。

今回より当メルマガにて、オープンソースに関するコラムを担当させてもらうことになりました。

最初に、今回のコラムのテーマとなっているオープンソースとは何なのかというのを簡単に説明したいと思います。

皆さんも使用しているシステムやアプリケーションプログラムは、プログラマーがプログラミング言語を使って、コンピュータへの命令を記述して作成されるというのはご存じかと思いますが、そのプログラミング言語でコンピュータへの命令が記述されたファイルをソースファイル、書かれている記述をソースコードと言います。

料理で例えると、トムヤムクンというタイ料理がありますが、たとえ料理を食べても、通常知らない材料ばかりで構成されているので、材料と作り方はすぐにはわかりません。

でも、その料理の作り方が書いてあるレシピと材料があれば、だれでもトムヤムクンを作ることができます。

そのレシピが、システムでいうソースコードに当たります。

行列のできるラーメン屋のスープレシピは極秘で門外不出だったりするのと同様、通常システム開発会社にとってプログラムのソースコードというのは社外秘であったり、受託開発の場合は発注元のお客様の資産になる形態が多いのですが、その「ソースコード」が公開されていて、誰でも入手可能なものを「オープンソース」と言います。

そう考えるとオープンソースの開発者は気前がいいですよね。

私がはじめてオープンソース関わりを持ったのは、10年前のこと。

当時「プログラマー」として新入社員1年目のとき、最初に入ったプロジェクトがlinux上で開発をすることになったからです。

文系出身、まったくの未経験で25歳新卒でプログラマーを始めた私は非常にあせっていたし、学習意欲に燃えていました。

お金はないけれど時間だけはある新人時代。
本を読むだけじゃなく実践しないと覚えない派の私にとって、プログラムを動かすための開発環境、データベース、OS全部無料で手に入れられて、情報もネットで検索すればでてくるオープンソース以外に選択肢がなかったのです。

当時はソースがオープンかどうかなんてどうでもよく、無料で手に入れられる業務ツールという認識でオープンソースを使っていました。

より厳密なオープンソースというものの定義はOSI(オープンソースイニシアティブ)という組織によって10項目定義されていますが、長いのでその項目のタイトルだけ挙げると、

1. 再頒布の自由
2. ソースコード
3. 派生ソフトウェア
4. 作者のソースコードの完全性(integrity)
5. 個人やグループに対する差別の禁止
6. 利用する分野(fields of endeavor)に対する差別の禁止
7. ライセンスの分配(distribution)
8. 特定製品でのみ有効なライセンスの禁止
9. 他のソフトウェアを制限するライセンスの禁止
10. ライセンスは技術中立的でなければならない

なんていうのもありますが、
各項目の説明に触れるのは後々ということで・・・

オープンソースとの触れ初めは上記のような経緯で、それ以降は以下のような活動を通じてオープンソースと関わってきました。

・メール、電話、会社HP、NASやDNSサーバーを初めとした社内システム全般をオープンソースで構築。
・オープンソースベースの海外製品の日本語化や総代理店として販売。
・オープンソースを80%使用して、残り20%を独自開発したようなパッケージシステムの開発販売。
・ある通話録音システムのオープンソース開発コミュニティへの参加。
・上記システムのユーザー会という任意団体をつくって、カンファレンス等へ参加。

現在はオープンソースに限らず、コールセンター業界で使用されるシステムやWebシステムをメインに、システムの輸入、ローカライズ、提案、サポート、開発自体や販売サポートをする設立2年目の会社の代表をしています。

このような経緯を経て、オープンソース業界の裏表がちょっとだけわかるようになってきたので、オープンソース活動に参加している変人や企業、オープンソースを使ってうまくビジネス展開している企業、全然ビジネス展開できていない人々、本当に役に立つオープンソースシステムの見つけ方や全然役に立たないオープンソースをつくっている変人の紹介など、オープンソースに関するなるべく生々しい情報を配信していきたいと思います。

ちなみに私の会社名は「ギークフィード」っていうんですが、ギークとは元々「変人」っていうの意味で、転じていい意味での「コンピューターおたく」という使われ方がされています。

フィードは情報を整形して配信するっていうRSSフィードから由来しているんです。
このメルマガでコラムを担当させてもらうためにつくった会社のようなもんです。

このコラムを書くに当たり、どのような購読者層にどんな視点の記事を配信するのが最も興味を引くのだろう、読んでいる人の属性を知りたいなというのが最初に思ったことです。

不特定多数に対しての片側情報発信のメルマガで、ぜんぜん的外れなことをしゃべっても意味がないということで、ここでメルマガ読者のみなさんにアンケートにご協力いただければと思います。

アンケートの趣旨は、オープンソースに関する認知度、どのようなシステムに興味があるのかといったところです。

ちなみに、このアンケートシステムは、オープンソースの「LimeSurvey」で構築しています。

そこらへんもご参考に、是非アンケートに回答してみてください。

○購読者層についてアンケート
・職種
・業種

○オープンソース認知度と興味
・企業で利用するオープンソースシステムについての認知度
・このメルマガで取り上げてほしい企画

という質問4個のシンプルな構成になっています。

回答者には、統計の結果を公開するように設定していますので、他にどんな人が読んでいるのかもわかります。

勝手に公開していいのかな・・・と思いつつ。

※今回このシステムを構築するのにかかった時間
レンタルサーバー利用開始~システム構築まで・・・約2時間
使い方を覚える・・・2時間
質問を考えて入力・・・3時間

↓「アンケート」はこちら
http://limesurvey.opensourcedemo.biz/index.php?sid=47384&lang=ja


「結果」はこちらから
http://limesurvey.opensourcedemo.biz/statistics_user.php?sid=47384

次回は、オープンソースを愛する個性さまざまな人々が集まる、オープンソースカンファレンスというものについてお話ししたいと思います。