第8回 OSSで用意する、プライベートなDropBoxのようなストレージサービス
無料で使えるオンラインストレージサービスとして、私の周りではDropBoxユーザーが非常に多いです。
IT業界の方はもちろん、その他の業種の方も含めてよく利用されていると思いますが、どちらかと言うと個人利用の場合や、中小企業でそこまでセキュリティポリシーが厳密でないところでは有効に利用されているけれども、大企業の方は利用が禁止されているところも多いように思えます。
確かに、セキュリティポリシーが厳密な大手企業では、サードパーティーの無料ストレージサービスに、業務データもしくはそれに関連するデータを置くことをNGとしているところがあるのも納得できます。
私も過去DropBoxを使用していましたが、他の人の共有ファイルも個人に割り当てられた容量を消費する対象にカウントされるので容量がすぐにいっぱいになってしまったため、途中でDropBoxの使用をやめてしまいました。
DropBoxは友達を招待したり、twitterやfacebookと連携したり、つぶやいたりといろいろ手をつくせば容量が増えるんですが、それはそれで結構な労力だしただのファイルストレージサービスなんだからオープンソースで簡単に見つかるんじゃないかと思いました。
そこで、
・オープンソース
・オンラインで利用可能
・プライベートなストレージ
・複数デバイス同期が可能
・セキュリティ確保可能
以上の条件で調査&構築してみました。
◎owncloud
http://owncloud.org/
かなり優れもの、今回最も高評価。
・日本語版がある。
・ブラウザ経由でログインし、ドラッグ&ドロップでファイルのアップロードが可能。
・自動同期
・暗号化通信に対応。
・dropboxのように専用クライアントアプリケーションも用意されていて、ローカルPCのフォルダとサーバー上のフォルダを自動で同期できるところまでDropBoxと同じ機能を備えている。
・ユーザーごとに使用できる容量も設定が可能となっている。
・WebDAVにも対応
他と比べてインストールが簡単、ブラウザにデフォルトで対応という点が優れていて、マイナス点は特にありませんでした。「これでいいじゃん。」
■デモサーバー
ログインURL: http://owncloud.opensourcedemo.biz
ユーザー:demo
パスワード:demo
でログイン可能です。
ログイン後に左下の設定から同期用クライアントアプリもダウンロードして試してもらうことができますが、このアカウントで試している他のユーザーも閲覧可能ですので、配置するファイルには注意してください。
◎SparkeShare
http://sparkleshare.org/
owncloudの次の候補。
・自動同期
・暗号化通信に対応。
・dropboxのように専用クライアントアプリケーションも用意されていて、ローカルPCのフォルダとサーバー上のフォルダを自動で同期できるところまでDropBoxと同じ機能を備えている。
という機能があるので、一応DropBox互換としての要件は満たしていると言えます。
ただし、インストール後に勝手にsshサーバーの設定を変更されて困った点と、機能面でowncloudには劣るという評価です。
また、今回はセキュリティ上の理由からSparkleShareのデモ用アカウントは用意できませんでした。
その他同様な機能を備えているものとしては以下のものが挙げられます。
◎FTPBox
http://ftpbox.org/
FTPのクライアントソフトで、サーバ側と同期をとるというもの。
サーバー側はftpサーバーを用意するだけですが、サーバー側でftpを使用するという点で敬遠するユーザーが多そうですね。
◎Unison File Synchronizer
http://www.cis.upenn.edu/~bcpierce/unison/
1998年から続いているプロジェクトで、ファイルの同期システムとして誕生。
マルチプラットフォームに対応されたようです。
以上の結果を踏まえて、私はowncloudをお勧めします。
DropBoxに不自由を感じていたり、ファイルが保存されているサーバーを把握していないのはセキュリティ的にNGという企業は、プライベートなファイル
同期システムをご用意して試してみてはいかがでしょうか?
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