第51回 「今年の目標」を考える

また新しい年が始まりました。
西暦2013年、平成25年、巳年(みどし)です。あるいはへび年です。

前回のへび年は、2001年。
21世紀の始まりでした。

子供の頃、21世紀は夢の世界でした。
モノリスに導かれて有人宇宙船ディスカバリー号が木星に向かったのも2001年でした。

宇宙船搭載のコンピュータ「HAL」(ハル、「IBM」の一文字ズレ)が自分の意思で行動したのも2001年のことでした。

この映画「2001年宇宙の旅」が公開されたのは1968年ですから、21世紀の33年前のこと。

あのころの社会経済の成長スピードと科学第一主義を考えると、30年後に太陽系内を宇宙旅行するのはおそらく可能だと誰もが思ったのでしょうね(あるいは、30年後は意外と遥か未来なので、正確な判断ができなかったのか。それとも、SF=科学的妄想なので、一般の人は気にも留めなかったのか。。。)。

1966年の週刊少年マガジン(1/10号)※には、『21世紀はもうはじまっている』という新年特別企画が掲載されています。(※『「少年マガジンの黄金時代」週刊少年マガジン編集部編、講談社刊』から引用)

その記事によりますと、21世紀には東京からヨーロッパまで45分で飛ぶ「超音速ロケット旅客機」が導入されていると予測しています。

東京の南の海上に浮かぶ人工の島から、ロケットエンジンをつけた旅客機が大気圏を飛び出して目的地に向かい、大気圏再突入後はグライダーのように滑空して着陸するようです。

今、イラストを見るとロケット旅客機の形がどことなく、スペースシャトルに似ています(そういった意味では予測は的中しているのかも)。

なお、乗客は発射時の衝撃を感じないように「電子装置」で眠らされるらしいです(「電子装置」がちょっと怖い)。

「チューブ式弾丸列車」も予測されています。こちらは21世紀のアメリカの話で、チューブ状のトンネル内をロケットエンジンを積んだ列車が時速650kmで走るそうです。(当時の新幹線が時速200kmで、今なら上海のリニアモーター列車が時速400kmくらいなので、かなり速いです)

イラストを見ると、エアシューターのようです。(エアシューターって、今もあるのでしょうか?昔、どこかの会社で見たことがありますが、各階に繋がっている直径20cmくらいのパイプの中を書類の入ったプラスチック製のボトルが空気の力で行き来するインフラのことなのですが。。。)

弾丸列車のイラストの下のほうのコラム欄には21世紀の4つの予測が書いてあります。

1.21世紀になると、肉や魚が足りなくなるので、石油からタンパク質を取りだして食料をつくる(石油から肉を合成する話はどこかで聞いたことがあるような気がします。それとも初夢で見たのかな・・・。今は石油にも限りがあると言われてから久しいですね)

2.機械に話しかけるだけで文字が表示される声のタイプライターができる。
外国語への自動翻訳装置もできる。(これはほぼ実現してますね。自動翻訳装置の精度もあがってきています。でも、「タイプライター」はどこかに行ってしまいました。。。)

3.海水を真水に変えて、海から水道をひく。
しかも原子力の熱を利用すれば安く真水にできる。(これもほぼ技術的に実現してるのでは?これも初夢で見たのかもしれませんが・・・。原子力云々についてはノーコメントでお願いします)

4.21世紀の家庭ではテレビ電話が普通に利用されている。
個人はポケットに入る小型無線電話を持つようになり、どこにいても誰とでも電話ができる。(この予測は大正解ですね。テレビ電話は一般的ではないものの、インターネットを使えば誰でもテレビ電話っぽいことができます。
携帯電話は20世紀後半から普及して、今や一人2台持ちの時代になりました。ただ、どこにいても電話が繋がるというのは、ある意味面倒ですが。。。)

ちょっと長目に引用してしまいましたが、2001年へび年はそんな年でした(実際の2001年とは違うだろ!!というご意見はニョロッとスルーします。へびだけに)

2001年の前のへび年は1989年でした。
西暦では気づきませんが、1989年は昭和64年であり、平成元年でありました。

元号が変わって気持ちも新たに、というところでしょうか。(2001年は世紀が変わって新規一転。2013年は政権が変わって・・・おっと、政治云々はアンタッチャブルでした)

1989年は消費税3%が導入されて、年末には東証株価が最高値(38,915.87円)を記録したのでした(ワタシの大好きなバブル絶頂期です。この直後にバブルは弾けるわけですが・・・おっと、経済の話も禁句ですね)

手許の年表を見ると、1989年は大学の共通一次試験最後の年(翌年からセンター試験開始。中年のワタシはどちらの試験も経験してないですが)、参院選でマドンナブームが起きて(女性議員22人当選。これは今と比べてどうなのか。

GK(死語)、自分)、美空ひばりさんが亡くなって、プリンセスプリンセスの「DIAMONDS」がヒットして、テレビアニメ「ドラゴンボールZ」が放映開始して、吉本ばななの「キッチン」がベストセラーになって(ちなみに前年1988年には村上春樹の「ノルウェイの森」がベストセラー)、巨人が近鉄を降して日本一になっています。

この年の日本シリーズで、巨人はいきなり近鉄に3連敗。
その第3戦の直後、近鉄のある選手があることを言ったところ、それを聞いた巨人の選手が大いに発憤、その後巨人が4連勝して逆転の日本一となったのでした。その最終第7戦、ホームランを打った巨人のある選手は1塁ベースに向かいながら、近鉄のある投手の向かって「○~○」と言ったのでした。(「ある」と○は各自お調べください。今年最初の宿題です。といいつつ、プロ野球の話題も亡くなった祖父から禁じられていたのを思い出しました)

1989年の前のへび年は1977年。
って、キリがないのでもう止めますが、ある人によると、へび年は変革の年、古いものを脱ぎ捨てて脱皮する年で、景気もニョロニョロ回復するそうです(へびだけに)。

そんなへび年の始まりに過去を振り返ってばかりいてもしょうがないので、「今年の目標」を立てて、前向きにスタートを切りたいと思います。

「今年の目標」
◇禁酒・禁煙・・・昔の4コマ漫画の主人公にありがちな目標ですが、最近はあまり聞かないですね。やめる人はすでにやめていて、続けている人はやめる気は全くないので、もはや目標にはならないのでしょう(蛇の道は蛇です)。

◇ダイエット・・・これを目標に掲げている人には永遠の目標です。達成できないからこそ目標だ、という「目標パラドクス」の中心となるドグマです。簡単に達成できているのなら、こんなにダイエット本は出版されません(三段腹が蛇腹です)。

◇○○大学に合格する・△△資格をとる・・・わかりやすい目標ですが、目標の意味を取り違えています。合格や資格取得はゴールではなく過程です。合格した大学で、あるいは取った資格で何をするのかが目標です(ちょっとカッコいいことを言ってしまいました。オマエはどうなんだ?と言われそうです。やぶ蛇です)。

◇常に変化する社会のニーズを捉え、生活者のマインドを把握し、明確なビジョンを持って、共創的イノベーションを創発する・・・何か大層なことを言っているようですが、意味がわかりません。というより、心が籠もっていない言葉の羅列は何も言っていないのと同じです(どこかの誰かがこんな大げさな今年の目標を掲げていそうです。竜頭蛇尾です)。

◇世の中の傘になる・・・子供の頃から「おふくろさん」に言われています(蛇の目です)。

◇AKB48の一員になる・・・今年はモモクロの一員の方がいいような気もするけれど、ジャンケンにはちょっと自信があるので。。。(ヘビーローテーションです)。

◇ノーベル賞をとる・・・小学生の目標としてはあると思いますが、オトナの目標としてはどうでしょうか。実際にノーベル賞を受賞する人はこんな目標は立てません(オトナの目標に相応しい賞は、スネークマン賞か東京コミック賞です)

◇今年の目標を考える・・・目標ではなくて、今のワタシの状況です。新年早々美人編集長を待たせていますが、もう何のアイデアも浮かびません・・・(蛇ににらまれた蛙です。あれ?なんか表現が不適切・・・)

と、まあ、今年の目標を考えると言いながら、いつものようにグダグダなのですが、ワタシの今年の目標はハッキリしています。

◇締切を守る・・・・・・なんのひねりもなくて、すみません。

というわけで、今年もよろしくお願い致します。

【おまけ】今年がどんな年になるか予測する最善の方法は、それを発明することです。(アラン・ケイさんの言葉をぱくってみました。蛇足です)

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