第6回 「サービスを分解する」

2121僕のメルマガについて会社の先輩から注文がついた。

”クワガタについてメルマガを書いてるって聞いたけど一度もクワガタが出て来ないじゃないか!?”

僕としては、クワガタの話をネタにしてまじめに”サービスサイエンス”について語りたいのだけど、先輩と同じような”事前期待”を持たれている読者の皆さんも多少はいるのではないかと思う(笑)

ということで今年羽化したオオクワッチの中で最もイケメンの彼を紹介したいと思います(虫が苦手の方がいたらごめんなさい)。

佐賀県神埼郡神埼町産のオオクワガタ♂80.5mm

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この子のお父さんとお母さんの系統は、”美形オオクワガタコンテスト”で優勝もしくは入賞した個体となります。言ってみれば、サラブレッド♪

どこが入賞する際のポイントかと言うと逆三角形の体型と形の良い大顎、そしてお肌がすべすべで綺麗なこと!
なかなか、全てをクリアするのが難しいのですよ。

さて、本題に移りましょう。前回からサービスサイエンスの具体的な実践方法について私が提供しているオオクワッチのブリードサービスを題材に紹介を始めました。

前回は、1.サービスを分類する上で意味のある軸(例えば、1.モノ提供サービスと2.情報提供サービス、3.体験提供サービス)をもとにサービスを分類することで、新たなサービスのアイデアや不足するサービスが浮かび上がって来ることを紹介しました。

1.サービスを分類する(前回ご紹介)。
2.サービスを分解する(今回ご紹介)。
3.サービスをモデル化する。

今回は、サービスを分類した次のステップとして、提供するサービスをプロセスに分解してみたいと思います。

提供するサービスをプロセスに分解することで、どのプロセスに問題があるかが見えて来るのです。

 

単純なオークションを通じたお取り引きでも、ご覧のように7~8つのプロセスで展開されています。それぞれのプロセスはさらに詳細のプロセスに分解することも可能です。

サービス提供のボトルネックやキーファクターを見つけるには詳細に分解していくことも重要ですが、まずか大まかなプロセスを押さえることが、肝心です。

僕は、このオオクガタのブリードサービスのプロセスで重要に感じているのは、入札いただいたあとの一時返信だと考えています。

それは、多くのお客様とのファーストコンタクトになるからです(実は、別の回でご紹介しますが、情報公開のプロセスも差別化のためには、重要になって来たと感じています)。

また、それぞれのサービスのプロセスが高い評価を受けるためには、サービスの”品質”を向上させなければなりません。

サービス品質は、6つの評価軸でコントロールしていきます。

1.正確性:正確なサービス提供、約束遵守、納期遵守
2.迅速性:リアルタイム、スピード、納期遵守、24時間365日での対応
3.柔軟性:基礎力、応用力、権限委譲
4.共感性:感受性、傾聴力、観察力、想像力、人好き、褒め上手
5.安心感:沈着、信用、余裕、高い能力、豊富な知識、妥当な価格
6.好印象:挨拶、聴き方、話し方、容姿、制服、施設、設備

僕がオオクワガタのブリードサービスの提供で気をつけてきたことを掲記の6つの評価軸で分析すると次の通りとなります。

 

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※画像をクリックするとPDFファイルが開きます。

この中で特にお客様の感動を呼ぶサービスを実現するためには、柔軟性・共感性・安心感の3項目を重視すべきであると考えています。

お取り引きでは、”柔軟”な対応を心がけています。見ず知らずの人との取引は不安がつきものです。中にはオークションなどインターネットでの売買を初めて経験する人もいます。例えば、取引方法だけでも

”どのような方かお会いしてみたいので直接取引をお願いできますか?”

”家族の眼が気になるので直接自宅には届けないでください。宅配便の営業所止めでお願いします。”

というように、お客様の個人的事情や置かれている状況によって、柔軟な対応が必要な場合があります。

また、できるだけ”共感性”を発揮しやすくするようにフレンドリーな顔の見える関係作りを目指しています。

これは私も初心者の時に感じたのですが、取引に際して相手がどのような人かとても気になるものです。

僕のプロフィールやクワッチの飼育をはじめた経緯、どんなことに拘って飼育しているのかをHPやブログ、twitterで紹介するように心がけています。

そして、”安心感”。
特にインターネット上での取引では重要な項目です。僕がどんな評価を受けている人なのか?取引面でのオークションの評価はもちろん、クワッチのブリードの世界でのコンテストの入賞実績なども、さりげなくHPやブログ、twitterで紹介したりしています。

このサービス品質の6つの評価軸は、提供するサービスの種類によってどの評価軸を重視すべきか異なります。

あなたの身の回りの気になるサービス、例えば昼時に必ず入るお気に入りの定食屋ではどのようなサービス品質を重視しているか確認してみると面白いですよ。

次回は、3番目のステップである『3.サービスをモデル化する』に移りたいと思います。

(つづく)

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