第21回 「買う前にファンにしてしまう5つの法則 ~『法則1:ターゲットとなるお客様をイメージする』~」

今年の冬は、首都圏で大雪が降ったりロシアで隕石が降って来たりと色んなことがありますね。

今月のクワ部屋は成虫も幼虫も完全に冬眠モードZzzzz

成虫は基本的に常温で管理していますが、幼虫はより大型の個体を狙って10月~1月末は25~20度前後で管理し、少しずつではありますが、餌を食べさせる環境を維持してきました。

しかし、この1月末~2月末は幼虫も完全に暖房をオフにしています。
これは、幼虫に冬を感じさせるためです。

国産のオオクワガタは、自然界ではもちろん四季を感じて生きています。
この冬を感じさせる”儀式”をするかしないかで、実は春から初夏の羽化に大きな影響がでるのです。

冬を感じさせていない個体は、羽化不全や成虫になる前に★となる個体の比率が高いと言われています。

確かに、我が家でも過去10年間の経験からそのような傾向が伺えます。

今後、暖房のスイッチを入れるのは恐らく3月初旬。
次回のコラムの原稿を書く頃にはスイッチオンしていると思います。

本題に入る前に少し近況報告を致しますと、2月15日と2月18日に、2つの対照的な団体で拙著に絡めた講演をさせていただきました。

2月15日は、情報処理学会の「サービスサイエンスフォーラム」です。
こちらは今年で4回目の登壇で、学究的な立場でサービスサイエンスを語り合う場所。拙著のキッカケにもなった場でもあります。

今回は、観光、IT、ソーシャルメディアの世界にサービスサイエンスを適用したらどうなるか議論が行われました。例年になく濃い内容で、100人を超えるサービスサイエンスに興味を持つ皆さんからの熱いまなざしを感じました。

《情報処理学会「サービスサイエンスフォーラム」》
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一方、2月18日は、Web広告研究会の会員の皆様に対して講演させていただきました。こちらは、名称を見てお分かりのように、Webや広告の専門家が集まる場所ということで、明らかに毛色が異なります。

自称サービスサイエンスの布教部会長を名乗る私としては(笑)、ザビエル伝道師の如く、サービスサイエンスを広げる活動の一環となります。

残念ながら、この原稿を書いている時にはまだセミナーは終了していませんので、どんな反応であったかは次回のコラムで報告したいと思います。

さて、本題に入ります。
今回より、これまでの復習も兼ねて、拙著のテーマであるソーシャルメディア×事前期待のマネジメントの肝である「買う前にファンにしてしまう5つの法則」を5回に渡ってご紹介したいと思います。

”買う前にお客様をファンにしてしまう”ことなど出来るのでしょうか?

絶対の法則は存在しませんが、これからご紹介する5つの法則は多少なりともその状態に近づくためのヒントになると考えています。

《 買う前にファンにしてしまう5つの法則 》
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※画像をクリックするとPDFファイルが開きます。

■法則1:ターゲットとなるお客様像をイメージする

まず、自身のお店や企業のターゲットとなるお客様像をイメージしてみることが重要だと考えています。

ソーシャルメディアのプロフィール欄を眺めて見てもある程度イメージすることは可能ですが、ここでお勧めなのは、ペルソナの活用です。

以前このコラムでお話したこともありますが、ペルソナとは、架空のお客様像のことです。

ターゲットとするお客様のプロフィールを設定することで、お客様のイメージをつくり上げるマーケティング手法です。

パパクワッチは、ペルソナの効果には、3つあると考えています。

まず1つめは、チームなど複数人での組織対応時に、お客様像のイメージを共有して、対応しやすくなることが挙げられます。

2つめは、お客様がどのようなことを考えてどんなアクションを起こすのかといったお客様の行動パターンを想像しやすくする効果があります。

たとえば、モノやサービスといった商品に関する情報の取得、商品の購入、商品の利用、アフターサービスといったプロセスで、そのお客様がどのような行動パターンを取るのかイメージしやすくなるでしょう。

そして3つめは、ペルソナの設定方法によっては、自社のモノやサービスのマーケットにおける新たなポジションを検討することも可能だと考えています。

ペルソナの作成は、厳密には裏づけとなるデータが必要だといわれています。

つまり、お客様の属性として、年齢や収入、家族構成などをもとにサンプルとなるお客様を抽出して、アンケートや面談によって必要な情報を聞き取るのです。

定量的な情報と定性的な情報を元にペルソナをつくり上げます。
そしてペルソナのプロフィールを記した紙にイメージするお客様の写真をつけると、より具体的になります。

しかし、ここまで厳密でなくても、簡易な方法でペルソナをつくることも可能です。

たとえば、パパクワッチは、お客様向けのセミナーの来場者をイメージするために簡単なペルソナをつくるようにしています。

想定される来場者層から、経営者層や情報システム部門層、現場部門層といったざっくりしたイメージで設定するだけでも十分効果があります。

因に下記のペルソナは、パパクワッチのお友達のイメージですよ♪

《 ペルソナ例:クワガタ好きのお父さん世代 》
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※画像をクリックするとPDFファイルが開きます。

次回は、「法則2:ソーシャルメディア上のやり取りからお客様の心理を感じ取る」をお届けします。

(つづく)

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