第57回 「共創型サービスモデルを考える ~リアルとバーチャルの融合~」
一瞬、春一番のような暖かさでしたが、真冬に逆戻り。
この先も寒い日が続きそうですね。クワッチのお世話もまだまだ続きます。
先日、東京・代官山の蔦屋書店に行ってきました。
(代官山蔦屋書店)
インターネットでの書籍の購入が当たり前に都市部にあって、この店の盛況ぶりにはビックリさせられます。
何が驚いたかというと、一言で言うと”楽しい”場所であるということ。
カフェも併設する店舗には、さまざまなカテゴリーの本が工夫を凝らして並べられています。
例えば、料理の本のコーナーはこんな感じ。
レシピ本と合わせて調理器具が並べられ、何やら楽しい雰囲気ですね。
(蔦屋書店料理書コーナー)
「共創型サービスモデル」について、このコラムのシリーズでお送りしていますが、今日は、リアル店舗とネットの購買の関係について考えてみたいと思います。
■対面販売の書店を全米展開するアマゾン
ウォールストリートジャーナルによると、ネット通販大手アマゾン・ドット・コムが対面販売の書店を全米に展開する可能性があるとのこと。
既に、昨年11月にシアトル実験店舗「Amazon Books」がオープンしています。
(Amazon Books)
「Amazon Books」では、店のいたるところに、「Fire TV」の実演や「Fire」タブレット専用のテーブルが設置されているといいます。
アマゾン版の「Siri」とも言える「Amazon Echo」専用のテーブルも設置されているそう。これは、アップルの「Siri」のように音声でやり取りでき、音楽を再生したりショッピングができたりする装置です。
■アマゾンの決断の裏にネット通販会社の成功
実店舗を運営するネット通販会社は、アマゾンだけではありません。
メガネを販売するワービー・パーカー、宝飾品のブルー・ナイル、衣料品のボノボスなども、リアル店舗を持ちます。
いずれも顧客が通販で購入する前に実際に商品を手にとって感触を確かめ、試着することができるショールーム店舗を構えることで、ネット通販ビジネスの最大の弱みである顧客の商品の実体験に取り組んでビジネスを拡大してきています。
■バーチャルからリアルとバーチャル新時代へ
長らくアマゾンは、インターネットを武器に実店舗を持つ書店と戦い、シェアを拡大してきました。
さらなる成長を目指し、新時代のクリック&モルタル戦略(インターネットとリアル店舗)が吉と出るか、凶とでるか?
もし、あなたの街の本屋さんに蔦屋書店のように楽しい空間があれば、いつもなら買わなかった料理のレシピ本を可愛い調理器具と併せて買ってしまうかもしれません。
蔦屋書店の戦略は、小売の業際を取り除く、新しい顧客アプローチと言えるかもしれません。
「共創型サービスモデル」について、このコラムのシリーズでお送りしていますが、体験型リアル店舗とバーチャル販売の融合から新たなサービスが開発されるかもしれませんね。
今後の展開が楽しみです。
(つづく)