第26回 12月の7つの謎

今年も最後の月となってしまいました。

本業の探偵業で成果を出せないまま年を越すのは心苦しいので、今回は12月にまつわる謎を解明してみたいと思うのです。
長いようで短い1年を振り返ってみると・・・

新たな気持ちで目標を立てた1月。
オリンピックを横目に過ぎた短い2月。
年度末で慌ただしい3月。
さあ新年度、スタートダッシュだ!4月。
なんか気持ちばかり先行して疲れちゃったな・・・5月病。
ワールドカップで寝不足のうちに過ぎた6月。
あと半年、梅雨明けと同時に再スタートしたい7月。
連日の猛暑で意識朦朧、冷えたビールで人間性を回復した8月。
中間決算だ9月。
秋の夜長でのんびり10月。
なんにもないけど11月。
で、気づくと12月。

結局、一年間何もしていないので、「この一年は無かったことにしてしまいたい。うん、忘れよう」と、12月は忘年会でお酒を呑むのです(一年中、酒に溺れているのでは?という素朴な疑問には、ここでは触れません)。

そして、その忘年会で、上司の言う「無礼講」を真に受けて、とんでもないことをやらかして、忘年会そのものを忘れてしまいたいと頭を抱えることになるのです。日本の年末の風物詩ですね(ホントか?)。

クリスマスもお酒を呑む恰好の機会ですが、最近の傾向としては家族や恋愛対象の異性と過ごすことが多いようです。
以前は、クリスマスといえば、バーやスナックでパーティーをしたものです(昭和か!?)。
ボール紙でできたトンガリ帽子をかぶって、セルロイドの鼻付きメガネを掛けて騒ぐ(昭和かっ!?)。
お土産は、いつもの寿司折りじゃなくて、バタークリームたっぷりのクリスマスケーキで、酔った勢いで寝ている子どもを起こして、奥様に怒られるというのが一般的な日本のクリスマスでした(一般か!?)。

【謎1】そのクリスマスは、なぜ12月25日なのでしょう?

12月25日は、イエス・キリストの誕生日と云われていますが、よく考えてみるとその当時は今のようなカレンダーは存在していないはずです。

きっと誰か偉い人が決めたのでしょうね。
書籍やネットで調べれば真相はわかりそうですが、宗教問題に発展すると困るので、これ以上は追求しません(って、手抜きか!?)。

【謎2】クリスマスにやってくるサンタクロースは誰なのでしょう?

子どもの頃は、幼いキリストの枕元に靴下をプレゼントした人がサンタクロースだと思っていましたが、少し成長して『ママがサンタにキスをした』という歌を知るに及んで、サンタクロースの正体がパパだ、ということがわかりました。

ということは、サンタクロースは、キリストの父親なのかと思ったら、時代が合わないのですねぇ・・・。

書籍やネットで調べれば真相はわかりそうですが、宗教問題に発展すると困るので、これ以上は追求しません(って、またか!?)。

【謎3】サンタクロースの橇(そり)を曳くトナカイは8頭立てでそれぞれ名前があるのですが、<8頭の名前:ダッシャー、ダンサー、プランサー、ヴィクスン、コメット、キューピッド、ドナー、ブリッツェン(「スーパートリビア事典」研究社調べ)>
この中にはアノ「赤鼻のトナカイ」ルドルフ君の名前がないのはなぜでしょう?

どうやら、8頭は都会出身だったのに対し、ルドルフ君は田舎出身のアル中で鼻が赤かったため仲間外れにされてたみたいです。
「トカイノトナカイトイナカノトナカイ」(意味もなくカタカナにしてみました「都会のトナカイと田舎のトナカイ」)

このままでは社会問題に発展しそうなので、心優しいサンタさんがルドルフ君を道案内役として9頭目に採用したのでした。(酔っぱらい特有の泥酔しても家に帰れるというナビ機能を重視したのでしょう)

【謎4】クリスマスはもともとは外国の行事ですが、日本に伝わってきたのはいつでしょう?

たぶん日本に宣教師が来たとき、いっしょに伝来したと思われます。
ゆえに室町時代からクリスマスがおこなわれていたと推測されます。
さて、12月のクリスマスと並ぶ行事(?)といえば「忠臣蔵」ですね。
赤穂浪士(義士)が吉良邸に討ち入りを果たした12月14日前後には「忠臣蔵」をテーマにしたドラマや映画が放映されます。
近年は忠臣蔵人気は下火になってきたようですが、それでも今年は映画『最後の忠臣蔵』が頑張っているようです。

「忠臣蔵」は、ご存じ元禄時代に起こった赤穂事件(赤穂藩主浅野内匠頭の吉良上野介刃傷事件から赤穂浪士の吉良邸討ち入りまで)を、時代背景も登場人物名も変えた浄瑠璃と歌舞伎の演目「仮名手本忠臣蔵」の略称です。よって史実「赤穂事件」と物語「忠臣蔵」は別ものなのですね。

【謎5】「仮名手本忠臣蔵」の題名の由来はなんでしょう?

諸説あるようです。

1.実在人物を仮の名で登場させているから(例:実名「大石内蔵助」→仮名「大星由良助」)
2.赤穂浪士の人数が仮名文字数といっしょの47だから
3.いろは歌を7文字ごとに区切ると、「自分には罪がないのに」的な文字が隠されているから
4.忠義の心が蔵いっぱいなので、忠臣蔵
5.忠臣の内蔵助だから
etc.

「忠臣蔵」には日本人の大好きな物語要素がいっぱい入っています。
歌舞伎で上演すると必ず満員御礼となるほどの人気演目ですし、本や映画やテレビでもいろいろな切り口で娯楽作品に仕上げられています。(「大忠臣蔵」「峠の群像」「元禄繚乱」「四十七人の刺客」「わんわん忠臣蔵」etc.)

題名の解釈以上に、内容の解釈は多種多様でこのあたりも日本人の心を惹きつけてやまないのでしょうね。

【謎6】赤穂浪士の討ち入りは予想されていたことなのに、吉良家は何故あっけなくやられちゃったのでしょう?

どうやら討ち入り当日(12月14日)は吉良家の煤払い(大掃除)だったのですね。
そして、煤払い後に全員でお茶会をやったらしいのです。
お茶会と記録に残っていますが、現代でいうと忘年会ですから、たぶんお酒も呑んだことでしょう。
「無礼講」だということで、ハメをはずして大いに盛り上がり、みんなへべれけになったことでしょう。
吉良の殿様は、実際は良いお爺さんだったので、日頃忠義を尽くしてくれる家臣のためにご褒美を用意していました。
家臣が寝静まった頃を見計らって、大きな袋にご褒美を詰め込んで、9頭の馴鹿が曳く橇に乗せると、折から降り出した雪の中を走り出しました。家臣の枕元の足袋にご褒美を届ける為に。

とそのとき、門を打ち破って、火消し装束に身を包んだ四十七士が乗り込んできたのでした。
吉良の殿様はあわてて炭小屋に隠れたのですが・・・。
日本で最初のサンタさんになりそこねたのでした。
現代の歌舞伎における「忠臣蔵」の解釈は、一層複雑で新たなエピソードを創出しつづけています。

その新エピソードの少しだけ明らかになっている部分は以下の内容のようです。

酒好きの主人公○蔵が、殿中ではなく飲食店中で、浪人(元関東某藩士)と刃傷沙汰となり、命からがら逃げ出して奉行所に申し出たが、藩主からは謹慎を申しつけられてしまった。果たして今後仇討が実現するかどうか目が離せない・・・。

このエピソードは「酎臣蔵」という名称で上演されるとか、されないとか・・・(フィクションにしては面白みに欠ける内容ですが・・・)。

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今年の漢字一文字は「暑」。意外にもストレートでしたね。
(私の予想は「流」か「落」かなと思っていたのですが、見事にはずれました)

あの「暑」かった夏のことも思い出せないくらい寒くなりました。
寒さの中で輝くクリスマスツリーを眺めながら、来年もいい年であることを確信したのでした。

※クリスマスプレゼント・・・今なら、上記に記載されなかった【謎7】マークを文中のお好きなところに挿入できます!!(って、ちっともうれしくないですね。今年も最後まですみません<m(__)m>)

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