George Harrison 「I’d Have You Anytime」 (Harrison/Dylan) 70Apple

「クワイエットビートル」ことジョージハリスン。稀代のソングライターである、レノン、マッカートニーの狭間で才能を開花させた、ラッキーかつ渋い人です。

地味なのでとっつきにくいんですが、やはり『All Things Must Pass』は名盤です。UK盤は高くて手が出ず、US盤のアナログ3枚組ボックスを最近購入し、地味な佳曲群を良く聴いています。

1曲目はボブディランとの共作の「I’d Have You Anytime」。エリッククラプトンのリードギターに導かれ、線が細いが、その芯になにほどか硬い力を孕んだ声が聞こえています。クワイエット。受け身な姿勢です。

大して聴く気もないリスナーの胸ぐらを掴んで、張り手を浴びせながら、グイグイ引き込んでいくのが「ポップ」だと思いますが、この人のたたずまいはそこからはほど遠く、静かな自宅で沈思黙考しながら、何かを「待って」いるように感じられます。

しかし、こんな地味な「内向性」もロックの神髄の一断面なのです。

http://www.allthingsmustpass.com/