Paul and Linda McCartney 「Dear Boy」 (McCartney) 71Apple
おそらくは史上最高の作曲家であるポールマッカートニー。
驚くべきは、そんな歴史上の人物とも言える大天才が今年も現役でアルバム発表していることです。しかもあまり注目されていない。(もったいない。)
ビートルズ時代にレノンとの競争にて、神がかったようなメロディーを連打したマッカートニーですが、ソロになって、かなり変わりました。
競い合い、影響しあう相手がいないと、奇跡のような名曲を産む緊張感がなくなり、生来の気ままさが野放しになり、調子の浮き沈みがありながらも、「佳曲」を紡ぐソングライター、といった存在になったのです。
しかし、「佳曲」とはいえ、やはりレべルは違います。ソロ2作目の『Ram』には「浮き沈み」のうち最高の「浮き」の瞬間が収められています。
別に競い合う相手がいなくても軽く「神がかれる」んだよ。という恐ろしい余裕が「Dear Boy」の珠玉のメロディーに潜んでいます。