第15回 オープンソースクッキング ~夏休みの自由研究にコーラを作ってみよう!~
夏はビアガーデンの季節。
猛暑であればあるほどビールが売れると言われていますが、今年は例年に比べて暑い日が多い上に、9月に入っても残暑が厳しいとのこと。
私も先日、池袋の西口公園にて7/26~28日の3日間期間限定で行われたベルギービールの祭典に行ってまいりました。
60種類のビールを飲み比べできるという名目でしたが、野外&猛暑&人口密度の高さで、6種類が限界。金銭的に考えても60種類も飲めないでしょ~という状態でした。
IT業界の例に漏れず、普段は終電近くまで仕事して家に帰ったり、帰らなかったりという生活をしている中で、夕方6時ごろから野外で生バンドを聞きながらビールを飲めるとは、ハッピーでしたねー。
とてもいい息抜きになりました。
ところで、これまでプログラムのソースコード以外のオープンソースとしては、「家」と「コワーキングスペース」を紹介してきましたが、ビールのオープンソースというのも歴史的且つ一時期ごく一部でブームになったのをご存知でしょうか。
コペンハーゲンの学生が「Vores ol(我らのビール)」というビールのレシピを「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」で公開しており、このレシピは誰でも利用できるが改変した場合は公表しなければならないという前提で2005年ごろにギークの間でだけブレイクしたことがありました。
詳しくは「オープンソース」「ビール」でググれば結構出てきます。
この「Vores ol」のレシピ自体はちょっと探しても見つかりませんでしたが、そこからフォーク(派生)してFREE BEERというプロジェクトで様々なバージョンのビールレシピがここで公開されています。
http://freebeer.org/blog/recipe
よっしゃー!これで自分好みのオリジナルのビールをつくって飲むぞ!
ということはNGで、せっかくのオープンソースでも、免許なく作ってしまうと密造になり罰せられてしまうのでやめましょう、残念。
そこで実際に作れる飲み物をご紹介。
ビールのオープンソースより早く公開された「OpenCola」というコーラのオープンソースです。
wikiでもその材料と製法が書いてありますが、製法の詳細まで記載がありません。
オープンソースという言い方をしていますが、レシピ公開とだけとらえると、クックパッドで公開されているのは全部オープンソースともとれますね。
クックパッドでコーラやビールの作り方も載ってるんじゃないかと思って検索してみましたが、コーラフロートやフローズンコーラなど、コーラを使ってXXXXというのはありましたが、さすがにコーラの作り方はないようでした。
売ってるコーラよりも高くつくでしょうし、材料を集めるのも大変なので、よっしゃー!これで自分好みのオリジナルのコーラをつくって飲むぞ!とはなりにくいでしょうね。
作る人が少なく、ハードルが高いからこそ向いているものもあります。
それはもう一つの夏の風物詩、「夏休みの自由研究」。
さすがにこのメルマガを愛読している小中学生はいないでしょうが、小中学生のお子さんをお持ちの方々。子供の夏休みの宿題を親がはりきってやるというケースは多々あると思います。私も昔、親に夏休みの宿題を手伝ってもらった思い出が。
お子さんの「夏休みの自由研究」のテーマとして、オープンソースのコーラを作る!というのを実践し、娘さん、息子さんのギークさをお友達に知らしめるチャンスです。
子供はコーラ大好きということで、コーラを作ることが出来るなんて、お子さんが友達の間で神になるかも。
また、「オープンソース」という概念を幼少のうちから子供たちに植え付けることができ、IT産業発展という社会貢献にもなります。(?)
ということで、作り方のご紹介。
英語での原文はこちら。
http://www.wikihow.com/Make-OpenCola
■オープンソースクッキングオープンコーラ
○香味料
・3.50mlのオレンジオイル
・1.00mlのレモンオイル
・1.00mlのナツメグオイル
・1.25mlのシナモンオイル
・0.25mlのコリアンダーオイル
・0.25mlのネロリオイル
(プチグレン、ベルガモット、ビターオレンジオイルに似ている)
・2.75mlのライムオイル
・0.25mlのラベンダーオイル
・10.0gの食用アラビアガム
・3.00mlの水
大抵の材料はAmazonで購入できますが、洗剤や楽器手入れ用など、食用以外
のものも多いので、必ず食用のものかどうかを確認してから購入しましょう。
○濃縮液
・10mlのバニラなど香料(小さじ2杯程度)
・17.5mlのクエン酸またはリン酸(小さじ3.5杯程度)
・2.28リットルの水
・2.36kgのグラニュー糖(又は同等の甘味料)
・2.5mlのカフェイン(任意ですが味に影響します)
・30.0mlのカラメル(任意、着色料)
★作り方
○香料をつくる
1.香味料のオイルを混ぜる。
2.アラビアゴムを加えよく混ぜる。
3.水を加え、よく混ぜる。
このステップでは、ミキサーを使用して、よ~く混ぜてくださいね。
香味料は後で使用するために事前に作って保存しておいて大丈夫です。
密封されたガラス・ジャーに入れて、冷蔵庫あるいは室温で保管します。
保管中に、水と油が分離されるので、使う前にもう一度よく混ぜてから使用しましょう。
アラビアゴムを使用することで混ざった状態を維持します。
(ガムを分解させるため、シロップをブレンドする必要があるかもしれません)
○粉末から酸溶液を作る
1.今後も使用することを考えて多めに作ることもできますし、必要な分だけでもいいですが、どちらにしても75%の粉末と25%の水という分量です。
13グラムの酸粉末を小さなガラス・ジャーに入れてください。
2.少量の水を沸かす。
10-20mlの水を1分ほど電子レンジで温めてもOK
3.4.5mlのお湯を酸粉末に加える。
総重量を17.5gにまで持っていきましょう。
4.粉末が完全に溶けるまで、液体を丁寧に混ぜる。
○濃縮物を作る
1.10ml(小さじ2杯)の香味料にリン酸あるいはクエン酸を混ぜる。
2.水と砂糖を混ぜながら、お好みでカフェインを加える。
もし香味料が固体(ガム状)の場合、一部の水をブレンダ―に入れる必要があります。調味料と酸を加え、ブレンドしてから砂糖と水(追加)を入れて完成させます。
カフェインを使用した場合は、次のステップに行く前にカフェインが完全に溶けていることを確認します。
3.ゆっくり水/砂糖の混合物に、酸と香料の混合物を加える。
酸を水に加えたほうが酸にはねられるリスクが低いです。
4.カラメル(着色料)を加えてよく混ぜる。
他の着色料を使用しても自然の色のままでも大丈夫です。
味に影響はありません。
○ソーダを作る
3つの方法があります。
1.濃縮物と水を1:5で混ぜて、それを炭酸水化する。
2.濃縮物とソーダ水を1:5で混ぜる。
3.ソーダファウンテンを使用して炭酸水と濃縮物を混ぜる。
1.と3.はハードルが高いので、家庭で行うには2.がお勧めです。
このレシピに独自テイストを加えて「夏休みの宿題」としてGPLで公開し、親子でオープンソースな夏を過ごしてみてはいかがでしょうか。
(オープンコーラの味や完成度の保証は一切できません。)
オープンソースカフェのメニューとして自分で配合できるコーラなんてのがあっても面白いなと思いました。
おいしくできたよ!という方は、是非 info@ilii.co.jp までお知らせください。
当メルマガでご紹介させて頂きたいと思います。
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