第18回 メルマガもオープンソースで

HP、ブログ、メルマガ、SNS等々。

企業が情報配信する手段は様々ありますが、はたしてそれらのツールをどの程度活用できているのでしょう。

私の完全なる独断感覚値で言葉にしてみます。

【会社HP】
ほとんどの会社が、設立時にまず用意するもの。会社案内資料もそうですね。

【企業ブログ】
10年くらい前に一斉にやりだしたが、継続がとても難しい。

企業によってまちまちだが、始めた当初は毎日更新されていて、そのうち1ヶ月、3ヶ月・・・という更新頻度になり、果ては2007年から更新されていない状態で公開されっぱなし、とかいうパターンが多い。

【メルマガ】
ブログよりも更新しなければいけないコミット性が強い傾向。
やっているところはずっと定期的にやっているし、やっていないところは全くやっていない。

【facebook】
簡単に始められるので、とりあえずfacebookページを作ってあるが、会社名以外情報が載っていないパターン。

ブログと同じく、最初だけがんばり、経過とともに更新頻度が下がる。
ちゃんと定期的に更新されているだけでなく、いいねを押したらXXがもらえるというキャンペーンも利用し、着々と認知度を上げる努力をする企業も。

【LinkedIn】
グローバル企業はちゃんとしたページをもっている。
IT系では様子見としてページを作ってはいる模様。

【LINEスタンプ】
値段が高くて超ビッグ企業しか手をだせないブランディングツール。

と、こんな感じです。

HPはどの企業も気合を入れるのは当然だし、facebook等は旬だからと始める会社も多いと思いでしょう。

しかし、「メールマガジン」という手間のかかるものを定期配信するところまで手が回っている会社というと、割合が一気に減るのではないでしょうか。

そう考えると、このメルマガを発行しているイリイ株式会社さんはすごいなーと思います。

メルマガが発行されるとイリイのfacebookページで宣伝され、HP上にバックナンバーをブログ形式で公開。

さらにイリイのtwitterでは佐々木さんのメルマガ記事限定で、関連した音楽ネタがメルマガと並行してつぶやかれている、という見事なまでのメディア間の連動をしております。

しかも発行されてるメルマガを見てみると、松田聖子万歳とか、スマフォアプリ開発でサイドビジネスに挑戦!など、会社や製品の宣伝に終始しないラインナップの幅の広さ。懐が深いですね。

持ち上げるのはこれぐらいにして、今回はオープンソースのメルマガ配信システム「phpList」をご紹介。

ちなみにメルマガと類似のシステムで、「メーリングリスト」があります。

「メーリングリスト」は、配信されたメールに返信すると購読者全員にそのメールが配信されますが、「メルマガ」はあくまで配信元から配信先へ一方通行でメールを配信するので、配信元にメールを返信しても、その内容が購読者全員に届くことはない、という違いがあります。

大抵のメルマガシステムと同様、phpListでは、購読したい人は好きな時にウェブサイトからメールアドレスを登録することで購読開始でき、いつでも購読を停止することができます。これらを全てシステムで自動的に行います。

具体的にはこうです。

登録フォームのHTMLを管理画面から取得し、そのコードをウェブサイトに張り付ければ登録ページが完成。

配信停止は、配信メールのフッターに停止用リンクURLを付与。
配信停止したい読者はそのURLをクリックすることで停止作業も自動です。

その他には、以下のような機能もあります。

・メールアドレスのインポート/エクスポート機能
・メールマガジンのカテゴリごとの購読者管理
・購読者の検索、管理
・バウンスメールの処理
※送信エラーになり戻ってきたメールを送信対象外にする
・メールテンプレート機能
・スケジュール送信機能

さらに、様々な統計機能も充実していて、メルマガごとに送信成功件数、エラー件数がわかるほか、メッセージが開かれた件数やメール本文に入れたURLリンクをクリックした数も確認することができます。

2013年の8月にバージョン2から3にあがり、見た目も大きくかわりました。

また他のオープンソースとの連携も可能で、CMSのwordpressやdrupal、顧客管理システムのSugarCRMとの連携プラグインもあります。

これらのシステムにもメールを一括で送信する機能はついているのですが、やはりphpListほど高機能なものがついていないため、連携のニーズが高いということなのでしょう。

バックナンバーの自動表示プラグインなんかもあります。

メルマガの配信にあたっては、システムの機能だけでなく、規模によっては同時送信件数に応じた回線設備やサーバーインフラ、さらにはメールアドレスという個人情報を管理する点などを考慮する必要があるため、メルマガのホスティングを利用するほうが楽で安心という場合もあります。

しかし、これだけ高機能なシステムがオープンソースで手に入ることは利用価値が高いと思います。

これから自社のメルマガ配信を検討されている方。

wordpressでHPを構築し、phpListでメルマガを管理、プラグインで自動登録やバックナンバーも自動で表示される、という環境を実現してみてはいかがでしょうか。

オープンソース geek(変人)列伝 バックナンバー