第11回 「サービスバリューを高める」

いよいよ新学期ですね。
企業では新しい年度がスタートした所も多いのではないでしょうか。

クワッチの世界では、今年度の繁殖に向けたブリードの種親を起こしてペアリングシーズンの到来です。

例年、我が家でも種親候補の個体を起こして先ずは十分餌を食べさせます。
起こしてと言いましたが、勝手にこの時期になるとモソモソと這い出してくる個体もいれば、まだ飼育ビンの奥底でジッとしている個体もいます。

そのような場合には、観葉植物用の簡易型の温室に投入してパッチリ目を覚ましてもらいます。

そして十分餌を食べていることが確認できた個体を中心にペアリングを実施します。

ペアリング期間(ハネムーン)は、我が家では大体一週間ほどです。その間にオスとメスの交尾が目視で確認できればベストですが、日中餌皿の下で仲良く添い寝をしているようであれば結婚していると判断しても構いません。

オオクワガタは、比較的大人しい性格ですので、オスがメスを挟み殺すことは滅多にありません。

しかし、気性の荒いヒラタクワガタの仲間はメスを殺してしまう場合もありますので注意が必要です。

一週間のペアリングを終えたメスは、十分餌を食べさせます。そして産卵セットと呼ばれるクヌギの朽木を入れた容器に投入して産卵してもらいます。

さて、クワッチの話はこのくらいにして本題に入りたいと思います。

事前期待のマネジメントについては、僕の予想を上回る反響を頂き、本当にありがとうございました。

今回は、事前期待のマネジメントの大切さを意識しながらお客様(私の場合は全国のクワガタ愛好家の皆さん)の為にサービスバリュー(価値)を如何
に上げて行くかについて考えてみたいと思います。

サービスバリューを高める活動には、いくつかの視点があります。

◆「ワンストップ性を高める」ことで、お客様からすると一括して安心してお任せできるようになります。

◆「サービス品質を向上させる」ことで、お客様の信頼感をアップさせることもできます。

◆「サービス提供の効率を上げる」取り組みも価値向上に役立ちます。

◆「予想されるリスクを下げる活動をする」ことで、お客様の安心感醸成に役立ちます。

◆「ホスピタリティを高める活動をする」ことでお客様を更にファンにすることができるかもしれません。

◆「お客様のプライドを満たす」ことでお客様の帰属意識を高められるかもしれません。

◆「エコロジー性を高める」ことで、環境問題に関心のあるお客様のハートをつかむ事ができるかもしれません。

◆「ライフタイムマネジメントを考慮する」ことで継続してそのサービスを利用してもらえるようになるかもしれません。

◆「ワン・トゥ・ワン性を高める」ことで、お客様のハートを更にしっかりとつかめるかもしれません。

◆「既存のサービスに何かを組み合わせる」ことで新しい価値が産まれるかもしれません。

◆「サービスを見える化する」ことでお客様に納得してサービスを利用してもらえるようになるかも知れません。

◆「お客様がやりたくない事を代行してあげる」ことでサービスの価値を上げられるかも知れません。

皆さんのまわりのサービスでもサービスバリューの向上に成功している例があるかもしれませんね。サービスバリューを高めることで無用な価格競争から脱出できると考えています。

図は、僕がサービスサイエンス仲間と議論したときの新サービス提供のアイデアです。

※クリックするとPDFが開きます。

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この中で実際にサービスとして既にWeb上で展開しているのも幾つかあります。

「飼育自慢」「お国自慢」は、お客様のプライドを満たす取り組みとして考えられました。お譲りした個体の子孫の紹介や全国各地のクワッチの故
郷の紹介です。

「ブリード安心サービス」は、いままでも個別に実施していた飼育相談を、私の飼育個体を購入していただいた方のみ無料でお受けするサービスとして
見える化したものです。

「がんばれ!パパクワッチ!」は、お父さんと主人公のはなちゃんがクワッチの飼育を通して成長していく姿を描いた小説です。

「Twitterによるブリーダーのつぶやき公開」は、ワン・トゥ・ワン性を高める狙いがあります。

「facebookページによるコミュニティ化」は、本格化はこれからですが、ホスピタリティ性の向上を狙っています。

もしよろしければ、皆さんの周りのサービスでサービスバリューを向上させている事例がありましたら是非教えてください。

次回のコラムで紹介させて頂きたいと思います。

(つづく)

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