第43回 Born To Be Mild

ちょっと前のことになります。
3月の初め、とあるサイトで紹介されていたガジェット(電子小物?)が無性に欲しくなりました。
「CuBox」というLinuxベースの小さなPC(サーバーにもなる)です。
どのくらい小さいかというと、筐体の縦・横・高さがいずれも約5cmの立方体で、手のひらに余裕で乗っちゃうらしいのです。小さいもの好きの私としては、黙ってはいられません。

早速、発売元を突き止めました。
「CuBox」を製作販売しているのは、イスラエルのベンチャー企業Solidrun社です。

そのサイトに辿り着くと、英文を読むことなく(というか長い英語は読めない体質なので)、迷わずPaypal(インターネットで決済できるサービス)で、ポチっとしたぜぇ。
内容をまったく読んでないんだぜぇ。
しかも送り先の国名の中にJapanはなかったぜぇ。
ワイルドだろぅ。
(すみません。流行モノなので、とりあえず言ってみたかったのです・・・)

そういえば小さいガジェットと言えば、2年くらい前にも「SheevaPlug」という小さなサーバを買っていました。
こちらは本体ごとコンセントに差して使えるというのが売りで、サイズは11cm×10cm×5cmほど、やはり片手で持てました。

これも当時、若気の至りで(2年前だから別に若くもないか)海外から直輸入したのですが、初期ロットのu-Boot(起動用のプログラム)にBug(バグ、プログラムの害虫、悪いやつです)があったため、自分で更新をするハメに陥ったのでした。

英語で書かれたサイトを開いて、知ってる単語だけ拾い読みしながら、プログラムの更新作業にチャレンジしてみました。

英語もわからないうえに、プログラムの知識もないんだぜぇ。
でも、無理矢理、それっぽい作業をしてプログラムを上書きしたんだぜぇ。
そしたら、もう二度と起動しなくなったぜぇ。
海外から到着した2日目のことだぜぇ。
文鎮を個人輸入したようなもんだぜぇ。
ワイルドだろぅ。(すみません。また使っちゃいました・・・)

※知らない人のために、ちょっとだけ説明すると最近よくテレビで見かけるワイルド「スギちゃん」というお笑い芸人のネタの決めゼリフが「ワイルドだろぅ?」なのです。

ex.蓋を開けた2Lのコーラのボトルを持って登場したスギちゃんが「買ってすぐにキャップを捨ててやったぜ。飲みきれないのにだぜぇ。ワイルドだろぅ」みたいな。。。

ワイルドと言えば、ゴールデンウィーク(余談ですが、NHKではなぜかゴールデンウィークとは言わず「大型連休」と言いますね)に、近所のショッピングモールで変わった企画をやってました。

その企画は『GWコンテスト』と書いて、「グレートワイルドコンテスト」とルビが打ってありました。

内容はというと、コーラの早飲み競争やナンバー錠(秘密の4桁の数字が揃うと解錠できる鍵です)の解錠スピードを競う競技など、ちょっとしたゲームをやって、景品がもらえるというものでした。

たまたま、そのコンテストをやっている広場を通りかかったら「一発ギャグコンテスト」という演目の最中でありました。

司会の人に促されて出てきた中年のおじさん。

「4番、マルちゃんでぇす。一発ギャグやります。コーヒーはいつもミルクを入れて飲むぜぇ。マイルドだろう?」
(カーン♪)

鐘ひとつ。不合格ですね。スギちゃんのパクリだし。

次は、おばちゃんがエコバッグをブラ下げて登場です。
「5番、スズキちゃんです」

エコバッグから洗剤を取り出すと一言。
「ボールドだぜぇ」
(カーン♪)

主婦らしいコメントですが、ボケが雑です。

次は二人の幼児を連れた若いお母さんです。
「6番、ゆうちゃん、こうちゃんの母です」
いきなり子供たちを抱き上げて
「チャイルドだろう?」
(カーン♪)

惜しい。子供二人はチルドレンですねぇ。

今度は犬を連れた小学生の女の子です。
犬種はプードルですね。
(カーン♪)

何も言ってないのに、「出オチ」判定?不合格。小学生に対して厳しいです。

次はヒッピー(死語?)のような大学生が、
「アバンギャルドだろぅ」
(カーン♪)

ハンバーグを持ったピエロが、
「ドナルドだぜぇ」
(カーン♪)

そこに乱入した2次元のアヒルが、
「ドナルドだぜぇ」
(やっぱりカーン♪)

内藤陳が、
「ハードボイルドだど」
(チーン、合掌)

などなど。。。合格者が出ないので、一発ギャグコンテスト会場をあとにしたぜぇ。
特におちはないぜぇ。ワイルドというより手抜きだぜぇ。

・・・という、ゆるい大型連休が終わった5月の中旬にイスラエルから郵便物が届きました。
小さなB5サイズの封筒です。驚くべき事に宛先と名前が漢字で印字されています。
イスラエル恐るべし。

小さな封筒から出てきたのは小さな箱で、小さな箱を開けると小さな黒い筐体が出てきました。
これが「CuBox」です!(と言っても、わからないですね。Web版イリジンには写真が掲載されています・・・予定)

まさに『これがPC?本当にサーバーになる?』と疑いたくなる大きさです。
スペックは、CPUがARMのデュアルコア800MHz、メモリが1GB、ストレージはMicroSD4GB。
USBが2個、ディスプレイ用にHDMI、外付けHDDのためのeSATA、ギガビットの有線LANに赤外線までついてます。
※いちおうスペックを書いてみましたが、私にもよくわかりません。

電源スイッチはありません。ACアダプタを繋げば、電源ONです。
LinuxディストリビューションのひとつであるUbuntuが立ち上がります。
※Ubuntuは、「ウブントゥ」と読むらしいです。「お弁当」に似てますが、もちろん違います。

しかし、電源を入れてもHDMI接続のディスプレイを持たない私には、正常に起動しているかどうか、確かめようがありません。

こんなときは、有線LANに繋いで、外部のPCからSSH接続をして確かめるに限ります。
※SSHは、セキュアシェルの略らしいですが、意味はわかりません。「S(それは)S(少し)H(エッチ)だからセキュリティを強化して。」と覚えましょう(何のために?)。

SSH接続するには、ターミナルエミュレータを用意しましょう。PuTTYやTeraTermなどが一般的です。

※ターミナルエミュレータは、「電車ごっこ」のことです。たぶん。
※PuTTYは、「パティ」とか「プティ」とか「プッチョ」とか呼ばれるお菓子?AKB48も大好き。
※TeraTermは、お寺のTermです。「お経」のようなものです。

PuTTY等でCuBoxと接続すると、ログインユーザー名を聞かれます。素直に自分の名前を入れるのも一つの手ですが、例外なく接続できませんので、ここは無難に「root」を名乗りましょう。

※rootは、根です。root2は一夜一夜に人見頃です。なんか妖しいです。

次にパスワードを聞かれます。パスワードは秘密の言葉です。秘密なので、わかりません。

CuBoxの箱の中には、納品書と保証書しか入っていません(英語なので、内容まではわかりませんが、たぶん保証書です)。

なんの説明書もマニュアルもありません。
もしかすると英語で書かれたCuBoxのフォーラムを探せばわかるかも知れません。

でも、誇り高き日本人である私は、美しい日本語を愛しています。
英語なんか、わかりませんっ。(きっぱり)

というわけで、せっかく個人輸入できたCuBoxではありますが、使えないんだぜぇ。
そもそも何に使えるのか、わからないのに買ったんだぜぇ。
ワイルドだろぅ。
(スギちゃんは、ロンドンオリンピックまでかなぁ・・・あ、失礼)

201205_f

中年探偵団バックナンバー