第24回 「買う前にファンにしてしまう5つの法則 ~『法則4:さまざまな事前期待に応える』~」

新緑の季節を迎え、裏庭のクヌギ三兄弟も若葉で覆われてきました☆彡

毎年この時期になると観賞用に”クワリューム”をセットします。これは、小型の水槽に洞のついた木を入れて人工リーフなどをいれたクワガタ用のテラリュームです。

夜間の観察はとても面白いですよ♪
オオクワッチは意外と高足で木の上を闊歩しています(笑)

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さて、前回に引き続き、買う前にファンにしてしまう5つの法則をご紹介します。

今回は「法則4:さまざまな事前期待に応える」と題して事前期待への対応についてです。

《買う前にファンにしてしまう5つの法則》
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■法則4:さまざまな事前期待に応える
お客様の事前期待に応えてライバルに差をつけていくにはどうしたらよいでしょうか?

お客様の事前期待には、大きく4つの期待があることはすでにご紹介しました。

《事前期待の持ち方とサービスの評価》
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もっとも基本的な事前期待は、「共通的な事前期待」です。基本であるがゆえに、この期待に応えないとお客様の離反につながってしまいます。

共通的な事前期待は、誰もが期待するような事前期待です。たとえば、レストランは誰でも清潔で適切な均一なサービスを提供してほしいですし、定食屋さんでは注文した順番を間違えずに早く食事を出してほしいとみんなが考えます。

オオクワッチを趣味にする人々の世界では、産地の情報や飼育データは、共通的な事前期待の1つです。

この共通的な事前期待への対応は、ベテランだけでなく、新人などその業務に精通していない初心者にもわかりやすく伝えるためにマニュアル化が必要です。

次に「個人的な事前期待」に応えるとお客様はどのような印象を持つのでしょうか?

共通的な事前期待と同様に「価値あるサービス」と評価する場合もあるでしょうし、「ワン・トゥ・ワンサービス」だったり、「すばらしいサービス」と評価されるでしょう。

オオクワッチの世界で言えば、お気に入りの産地や大きさやカタチへの拘りなどです。

人は誰でも「自分が一番」と思っているところはないでしょうか。
裏を返せば、サービスを提供している企業や店舗側からすると「自分のことをよくわかっているな」と思わせたら勝ちだと思います。

3つ目の「状況で変化する事前期待」に応えると、「すばらしいサービス」、「ホスピタリティサービス」、「感動サービス」と評価されることでしょう。

タイミングよく、お客様のその時の状況に応じた事前期待に応えると、サプライズが生まれる可能性があります。

今期張り切ってブリードをしているような愛好家にメスを追加でお薦めしたりすると非常に喜ばれたりします。

このような「状況で変化する事前期待」に対しては、ある程度、対応者に権限を委譲する必要があります。

いちいち上司にお伺いを立てていては、とっさの判断の中でお客様にとって最適なアクションを、お客様のハートをつかむチャンスを逸してしまうからです。

また、こればかりはツールに頼ることはまだまだ難しいと思われます。

刻々と変わる状況変化を情報としてレポーティングすることは仕組みでできるでしょうが、その状況を的確に判断して何をすべきかを考えるのは人間の感性だからです。

最後の「潜在的な事前期待」に応えると「ホスピタリティサービス」や「感動サービス」を評価されます。

お客様が意識していない潜在的な期待に応えるのですから、うまくいった時のお客様の顧客満足は、他の事前期待に比べて群を抜いています。

パパクワッチのお客様に特定の産地の形状に拘りをもったお客様がいました。
産地は異なるのですが同様のカタチのオオクワッチをお薦めしたところ、とても喜ばれたことがあります。

お客様の潜在的な事前期待に応えるためには、何をすべきでしょうか。
自分たちのモノやサービスを利用するお客様はいったい何を求めているのか。
そして、その反対にお客様は何をしたら嫌がるだろうか。ある意味、潜在的
な事前期待に応えるアクションは恋愛ゲームと同じと考えることもできます。

まずは、お客様のことを好きになることが必要です。好きになれない場合でも、お客様について関心を持つことが重要です。

そして過去の成功事例を蓄積し、関係者全員で共有することも似たようなケースの場合に役に立つかもしれませんね。

ソーシャルメディア上でのやり取りでも、本来企業や店舗のソーシャルアカウントが提供すべき価値以外の価値をお客様に提供できたら面白いかもしれません。

次回は、いよいよ最後の法則として「法則5:ソーシャルメディアで事前期待をマネジメントする」をお届けします。

(つづく)

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