第56回 「ちゃん」と予想する

もう6月です。
今月末には今年の半分が終わってしまいます。早いですね。

ビッグバンで宇宙が始まってから137億年。
ずっと宇宙は拡大し続けています。
拡大は加速度を伴ってますので、ビッグバン地点から遠く離れるほど、そのスピードは増していきます。
当然、時間の経過速度も速くなっていきます。
そんなわけで地球の時間も速くなっています。
どおりで歳を取るのが早いわけです。(今年の6月は、だいたい去年の5月に相当してます)

と、いった与太話は置いておいて
半年も過ぎると2013年の流行語大賞の候補もいくつか出てきています。
気が早いですね。そしてこれも与太話です。

でも、与太なりに、まじめにちゃんと予想してみましょう。

今のところトップは「アベノミクス」でしょうか。
年末まで現政権の勢いが衰えずに、一般庶民まで好況感を味わえたなら、間違いなく大賞でしょう。

その次に控えているのが「今でしょ」と「じぇじぇ」でしょうね。

東進ハイスクールの林先生の「今でしょ」は去年のテレビCMでした。
「じゃあ、いつやるか?今でしょ!」というアノCMを見たときはなんかイラッとしましたが、何度も見ているうちに癖になりました。

量販店で、「いつ買うの?」「今でしょ!」
会社帰りに、「いつ呑むの?」「今でしょ!」
不動産屋さんで、「1LDKのLは?」「居間でしょ!」
こんな風にどこでも使えるのがポイントですね。

「じぇじぇ」は4月から放映のNHK朝の連続ドラマ「あまちゃん」でおなじみの感嘆詞です。

驚いて言う「げげげ」の方言が「じぇじぇじぇ」らしいのですが、岩手の人は本当にあんなに頻繁に使うのでしょうか?

一話15分のドラマの中で最低でも5回は耳にします。
そして、それを毎日聞くと耳に残ります。
ついつい驚いたときに「じぇじぇ」と言ってしまいます。
平均視聴率が20%の番組ですから、日本人の5人に1人が耳にして、口にする計算です。

量販店で、「じぇじぇ!財布を忘れたから、このフィギュア買えない!」
会社帰りに、「じぇじぇ!財布を忘れたから、奢ってくれなきゃ呑めない!」

不動産屋さんで、「じぇじぇ!1LDKのDは、段ボールなの!?」
こんな風にどこででも使われてます。

それにしても「あまちゃん」は面白いですね。
ここ数年、NHKの朝の連ドラを見ていませんでしたが、今回は毎日見ています。

というか、しっかり録画をしています。
最初は偶然、見始めたのですが、その面白さに引き込まれ、気がつくと8時15分。

「じぇじぇ!遅刻だ!」
それ以来、毎日録画しています、8時から8時20分まで。
(5分長く録画するのは、「あまちゃん」の直後の生番組「あさイチ」の司会の二人(V6のイノッチと有働アナ)のコメントを聞きたいからです)

「あまちゃん」は東京の女子高生天野アキが母春子の故郷である岩手県北三陸市(架空)に来て海女(海士)のアイドルとなって北三陸の人たちと繰り広げる人情ドラマです。

天野(あまの)アキが海女(あま)になるので、「あまちゃん」なのでしょうね。(私も若い頃、職場の上司や先輩に「お前は「あまちゃん」だな」と云われて可愛がられていたので、アキちゃんが他人に思えません)

主役のアキを演じる能年玲奈が天真爛漫で愛嬌があっていいですね。(IMEが「脳年齢名」と変換するのもご愛嬌です)

アキの母・春子が小泉今日子、祖母・夏が宮本信子というのも堪りません。
周りを固める俳優が、杉本哲太、荒川良々、平泉成、渡辺えり、美保純、でんでん、松田龍平などなどの豪華キャストで、脚本が宮藤官九郎とくれば、面白くないわけがないですね(贔屓しすぎでしょうか)。

小泉今日子が高校生の頃、松田聖子にあこがれて、自分もアイドルを目指して家出したという背景があって、80年代のアイドルが実写で出てくるのも見所です。

松田聖子や斉藤由貴、柏原よしえ、おニャン子クラブなど懐かしい映像や写真が出てきて、中年男性の心を掴んで離しません。

中でもドラマの設定上、80年代に流行したという挿入歌「潮騒のメモリー」が耳に残ります。

「来てよ♪その火を飛び越えて~♪砂に書いたI miss you~♪」(作詞宮藤官九郎)で始まる歌詞は突っ込みどころ満載です。(「ジョニーに伝えて千円返して」とか「私はギター」とか「三途の川」とか全編ギャグです。NHKのサイトでカラオケの動画を見られます)

劇中「潮騒のメモリー」を歌っていたアイドル鈴鹿ひろ美を演じるのは薬師丸ひろ子です(今は写真だけの出演ですが、今後実写もあるのでしょうか?)。

「あまちゃん」はアイドル誕生ドラマという側面(海女のアキちゃんとミス北鉄ユイちゃん)もあって、80年代実在アイドルが次々出てくるのですが、「小泉今日子」と「薬師丸ひろ子」は80年代アイドルとして登場しません(ドラマの設定上、無理ですから)。

その視点から「あまちゃん」を見ると、80年代に「小泉今日子」と「薬師丸ひろ子」という2大アイドルが存在しなかった日本を描くという大胆な実験ドラマでもあるわけです。

キョンキョンと薬師丸ひろ子がいなかった80年代日本。
想像するだけで恐ろしいですね。
「渚のはいから人魚」もいなければ「カ・イ・カ・ン」と呟く女子高生もいないのです。
今後の日本の歴史は大きく変わるはずです。
未来のスポーツ年鑑を現代に持ち込んだどころの騒ぎじゃないです(たぶん)。

そんなわけで、このあとの「あまちゃん」の展開にますます目が離せないのです。

と、ここまで書いたところで、「じぇじぇじぇ!」
(2013年の現実が割り込んできました)
サムライジャパンが失点してしまいました・・・。
あーーー(ため息)
せっかく手の届くところまで来ていたブラジルワールドカップがぁ・・・・・。
・・・あと8分・・・
・・・
・・・
・・・
お!PKだ!!決めるのは、「今でしょ!」
やったー!!本田△(本田さんカッケー・・・2010年の流行語大賞ノミネート)

ブラジルの人、聞こえますかー?(お笑いコンビ、サバンナ・八木のギャグ)

ということで、「じぇじぇじぇ」と「今でしょ!」が、「アベノミクス」を抑えて一歩リードです。

でも、「ちゃん」と予想すると、去年の大賞は「スギちゃん」の「ワイルドだろぅ」なので、今年は「あまちゃん」の「じぇじぇじぇ」が本命です。次点は、薬師丸ひろ子の「ちゃん・りん・しゃん」と大五郎の「しとしとぴっちゃん♪しとぴっちゃん♪ちゃんの仕事は□ぞな♪」

ちなみにアグネス・チャンは70年代アイドルでした。残念!!(なんのこっちゃ)

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