第34回 「立ち食いそばとこだわりの蕎麦屋 ~街かどサービス探検隊♪~」
すっかり春めいてきましたがみなさんいかがお過ごしでしょうか?
今回から”街かどサービス探検隊♪”と題して、街中の様々なサービスについてサービスサイエンスの視点で掘り下げて行きたいと思います。
読者のみなさんは、お蕎麦屋さんに行ったときには、どんなサービスを期待しますか?
■立食いそば
急いでいる時に駅や繁華街で素早く食事を済ませたい場合に重宝するのが立食いそばです。
まさにサラリーマンの味方です。
この立食いそばに求められるサービス品質は、ズバリ”正確性”や”迅速性”ですね。
お客様の注文に応えていかに素早く調理して間違えずにおそばを出すか、それに尽きます。
図:6つのサービス品質
ある立食いそば店の店員さんの対応に驚いた事があります。
入口近くにある食券自販機のどのボタンを押すかを見ており、お客様が食券をカウンターに出すなり、出来上がったそばを出して来たのです。
流石にこのスピード技にはビックリしました。
■こだわりの蕎麦屋
一方、蕎麦好きの愛好家がこだわりのお蕎麦屋さんに期待するサービスにはどのようなものがあるでしょう?
ゆったりと落ち着いた雰囲気で店主のこだわりのウンチクが書かれたお品書きを楽しみながら、こちらは”正確性”や”迅速性”よりは”共感性”や”安心感”、”好印象”のサービスを期待するかもしれません。
たとえば、”北海道産そば粉100%使用の自家製粉”であるとか、”使用する鰹節の種類(鰹節・宗田節・鯖節等)へのこだわり”といった情報提供です。
そして、お店によってはこんな張り紙があるかも知れません。
“お蕎麦は、ご注文いただいてから湯がきます。”
これは、はやる気持ちのお客様の”事前期待”を抑える施策に他なりません。
そしてお蕎麦を運んで来た店員さんから、”お待たせしました!今年の新蕎麦は特に香りが良いですよ!”といった話をしてもらえると、我慢して来た食欲がさらに増すでしょう。
このように、街中にもサービスサイエンスの理論の具体例が隠されている場合が多いです。
これからのシリーズでは、そのような具体的な事例を紹介していきたいと思います。
(つづく)
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