第51回 「共創型サービスモデルを考える ~10代から80代までが参加したハッカソン~
いよいよこのメルマガも51回目を迎えました!
なんとも偶然なのですが、メルマガ配信日の翌日、パパクワッチは、51回目の誕生日を迎えます。
大好きなイチロー選手のかつての背番号と同じ”51”。
いろいろな意味で感慨深いですね。
子供の頃の夏休みの楽しみと言えば、高校野球とクワッチ(笑)
今年も一週間お休みをいただいて、連日甲子園中継の観戦と今年の羽化個体の整理に勤しんでおりました。
そんな中で蛹室から取り出した重戦車のような個体がコチラ。
佐賀県は神崎郡神崎町をルーツとする♂80.0mmです。頭幅は、なんと28mmもあります。
(佐賀県神崎郡神崎町産の男の仔80.0mm)
この仔は、来年の種親決定ですね!
佐賀県産がオオクワッチの西の横綱なら、東の横綱はどこかと言えば、山梨県は韮崎産。前回の弾丸ツアーで紹介した産地です。
西の重戦車と比較して、繊細かつシャープな印象の個体が多く、好みの分かれるところですが、日本のオオクワガタここにあり、という感じです。
(山梨県韮崎市韮崎町産の男の仔74.3mm)
さて、「共創型サービスモデル」について話を進めたいと思います。
福島県浪江町が、なぜハッカソンという日本でもまだ珍しいイノベーション手法を採用できたのか。
前回同様あしたのコミュニティーラボの特集を参考に考察してみたいと思います。
その背景には、ICTによる地域課題解決に実績のある一般社団法人コード・フォー・ジャパン(以下、CFJ)の存在が大きく影響していたことを前回ご紹介しました。
CFJが中心となってインタビューを行い、様々な町民の利用者像を具体的なペルソナに設定して取り組んだのが、アイデアソン・ハッカソンです。
■「町民協働」の発想が根付く町
そもそも、浪江町の馬場町長が「協働のまちづくり」の理念の下、町民が主体的に参画するまちづくりを本格的にスタートさせようとした矢先、東日本大震災が発生しました。
「協働のまちづくり」という発想は、共創やオープン・サービスイノベーション、ましてやアイデアソン・ハッカソンとの親和性もとても高いのです。
■浪江町Webサイト
浪江町では、日頃から町民との協働による委員会を多数開いており、「町民協働」のスローガンは、CFJの掲げる「ともに考え、ともにつくる」の理念
とも合致。
10代から80代まで、幅広い年齢層がアイデアソンに集まったそうです。
■700件を超えるアイデアをパターンに類型化
参加者から集まったアイデアの数は、なんと770件。
それらを、複数回のアイデアソンを経て16パターンに類型化し、さらにハッカソンに発展させ、プロトタイプを開発しました。
そしてサービス実現性を踏まえながら、「システム設計・開発」の事業者選定に必要となる調達仕様書が作成されたのです。
毎回、アイデアソン終了後には必ず、集まったアイデアをまとめる会合を開いてその日の振り返りも行いました。
そこでまとめられたアイデアを、次のハッカソンへ。
ハッカソンの結果を調達仕様書へとつなげていきました。
■6つのベンダーが「システム設計・開発」受託候補者選定の入札に参加
驚きなのが、入札結果の発表時には、各社の獲得スコアやプレゼンテーション内容がYouTubeで公開され、「なぜこのベンダーなのか」が町民の目にはっきり見て取れるようになっていたことでした。
そして、受託候補者が富士通に決定し、いよいよ開発がスタートしたのです。
■アイデアソンやハッカソンを活用した入札方法拡大の可能性
これまでのシステムやサービスの開発は、企業や自治体の情報システムを管理する部門が定める仕様書によって進められて来ました。
つまり、開発すべき要件がキッチリ定まっており、お客様とベンダーの間で開発内容も事前に規定しやすいものでした。
しかし、浪江町の事例からもわかるように、新しい分野にICTを利用するとなると、従来の進め方では乗り越えられません。
これからアイデアソンやハッカソンといった新しい手法が未知の分野へのICT活用のキッカケになる可能性は十分にあると思います。
未だ見ぬ誰もが”想像”できないような新しいサービスを、未来の利用者やシステム開発者、デザイナーなど、多様な人材が恊働して新しいサービスを創造する時代がもうそこまで来ているのです。
なんともワクワクする時代になったものです。
(つづく)
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