Parliament 『P.Funk』(Clinton/Collins/Worell) 75Casablanca
初めて聴いたとき、迂闊にも、意外と地味だな、などと思ってしまいました。
ポップな躍動感を放出するモータウン、アーティスティックなニューソウル、多幸感あふれるアース、どす黒く強靭なファンクをぶつけるJB。
弾けてロールする、ファンキーなソウル群を吸収していた若い頃、世評高いPファンクは、あまり響いてこなかったのです。
そらから時の過ぎること、20年。わかりました。ようやくわかりました。これはやはり只者ではない。
アメリカ大陸に奴隷連行されたアフリカ人の強靭な生命力は、西洋的な論理構造とは全く異なるリズムを爆発的に進化させました。
高度に複層化された黒いリズムは、全世界を制覇し、現在、全ての音楽は黒人のリズムを基調に作られています。
その進化が最も激しく進行した70年代、最も強靭に高度な洗練を獲得したのがPファンクだったんですね。わかりました。
余剰な装飾を敢えて排除しながら、細部の陰影に膨大な情報量を宿し、クールに重く進行する、どす黒いファンクネス。
強い。圧倒的に強い。これは日本人はおろか、白人にも絶対真似できませんね。
http://georgeclinton.com/