Prefab Sprout 「The King Of Rock’N Roll」McAloon (88 Kitchenware)

アルバム「From Langley Park To Memphis」1曲目です。
デビュー当初からネオアコに分類することも多かったプリファブ・スプラウト。
アコースティックな音の質感を持ちつつ、アズテック・カメラやオレンジ・ジュースみたいな「青春ポップ全開!」とは違う。一捻り二捻り捩れたポップセンスがくすんだトーンを醸す素となっています。

ただし、「キンクス-コステロ-マッドネス」と連なる伝統的イギリス捩れポップの系統からも外れたところに位置している。

80年代中期以降、「不毛な時代」に出現したソングライターの代表格がパディ・マクアルーンと言えます。

ナヨッとした感じの優男。「キング・オブ・ロックンロール」とは最もかけ離れた「ロッカー」です。
歌もうまくないし、声量もパワーもない。楽器もロクに弾けなさそう。地肩の弱い軟投型です。人となりが曲にバッチリ表れています。最近は仙人みたいなルックスになってますが…実力の無い人間の生きる道のお手本です。

タイトルが示すように、プリファブ・スプラウトの曲のなかでも素直な曲調・ポップなサウンドなのが「キング・オブ・ロックンロール」。

この曲ばかりは「捩れて」も「くすんで」もなく、ハッとさせられるポップさがキラキラ弾けています。