沢田研二 「ストリッパー」(三浦徳子-沢田研二)

1967年のタイガースとしてのデビュー以来、38年間コンスタントにロックし続けるジュリー。何とその67年から今年2005年まで、タイガース~PYG~ソロと毎年、休むことなくアルバムを発表し続けています。多分世界的に類例ないですね。

その魅力はまず「声」。

私は十数年前、新大久保の東京グローブ座でジュリーのライブを観ました。観客席がステージを囲んでいる円形空間の劇場で、見下ろすように目撃したジュリー。かなり至近距離で「生声」が聴こえました。声量は豊かで、
ふくよかに艶かしく伝導する。そしてその姿から濃厚に発せられるロックスターのオーラ。

「ロックスター」といっても反社会的な「異端」ではない。一般社会にリンクする「芸能界」に棲息し、そのスター性を広く一般にアピールする。

膨大な数のアルバムの中で、まずこの一枚がアルバム『ストリッパー』。

タイトルソングの「ストリッパー」はストレイキャッツ風の、いなたいエレキギターを基調に据えた、ジュリー&エキゾチックスのワイルドなバンドサウンド。ただし、当時のヒットシングルなので、歌謡曲としての機能も併せ持っています。

ロックなサウンドと芸能的な下世話さを併せ持つバランス。クレバーな戦略?いやむしろ、そういったビジネスライクなプラットフォームを超越して、優雅に屹立する姿こそが真髄です。

グローブ座のジュリーの姿には、退廃と洗練を孕むやんごとなき「ロックスター」の妖気が漂っていました。

http://www.co-colo.com/