David Bowie 「Soul Love」(Bowie) 72RCA
デヴィッドボウイ25才。
一世一代の大博打がアルバム「ジギースターダスト」です。
完璧に練りこまれた並びで曲が連なる構成。アコースティックギターのストロークをベースに置き、エレキギター、サックス、ストリングスを立体的に重ねた音像。あえて「ベタ」を狙ったとしか思えないほど、耳に残るメロディー。
それまでのキャリアに残っていた青臭さを一掃する、徹底した「ツクリモノ」の世界は、超一級のロック的コケオドシに昇華され、前人未到の境地に達しています。
「ソウルラブ」はアルバム2曲目。いささかラテン風味のリズムに、ザクザクとアコギが刻まれ、若さあふれるボウイのハイトーンがスタートします。
キモはボウイ自身が吹くサックス。音符ずれてるんじゃないの?と思うぐらいじっくりタメをきかせたブロウは、いかがわしさ満点のコケオドシ。
このあまり上手くはないサックスは、ロックが本質的に虚像であることを高らかに宣言しています。