The Brothers Johnson「Light Up The Night」(Johnson/johnson/Temperton)80A&M

多幸感、という言葉がぴったりくる音楽。

リズムはスムースに流れることを目的とし、ストリングスは曲の進行を優しくバックアップする。
 
ジャズ/ソウル界の御大、クインシージョーンズのプロフェッショナルなサウンドプロダクションには隙がありません。

50年代には泥臭い音楽だったリズム&ブルースは、幾多の変遷を経て1980年に、ほぼ鉄壁の洗練を獲得したわけです。

ロックが既成のシステムに反抗するがさつな音楽だとすれば、ソウルはもうひと段階大人の音楽だと言えるでしょう。
 
恋愛やセックスやダンスの享楽的な快楽に潜む、おごそかな神とのつながり。
シンプルに神を敬愛することによって、人生のネガティブな要素を打ち消していく。そのフィーリングをファンキーなリズムに乗せて解き放つ。

ジョンソン兄弟を初め、ここでのラインナップが2年後、マイケルジャクソンの記録的ヒットを生んだことも特筆すべきでしょう。