第144回 うま年の当然

2025年の暮れのこと。
以前から気になっていたモノをネットで注文した。
頑張った自分へのクリスマスプレゼントである。
(「今年も頑張ったね!」と言ってプレゼントをくれる人などいないのである ← 当然である)

で、12月25日に自分宛のプレゼントが届いたのだが、よく考えてみるとそのプレゼントの支払いは自分なので、別にプレゼントでなくて、ただの衝動買いであり、無駄使いなのだった(当然である。なぜ最初に気づかないのか?)。

とはいえ、欲しかったモノを手に入れたという喜びと満足感はあって、早速その大きな段ボール箱を開けようと思うのだが、支払い問題が小さなトゲとなってカッターナイフを持つ手を躊躇わせるのだった(段ボール箱に残ったためらい傷)。

気持ちよく段ボール箱を開けるには、支払い問題をクリアにするしかない。
そのためには気持ちよく泡銭(あぶくぜに)を手に入れるしかない(!?)。
現在日本の由緒正しい泡銭の入手方法は、宝くじか公営ギャンブルしかない(断定していいのか?)。
でも、この時点ですでに年末ジャンボ宝くじの販売は終了していたので、残された選択肢は12月28日の有馬記念のみである。

日本の競馬は明治時代に始まり、第二次世界大戦後に今の形式になったという。
が、そんな歴史を知ったところで競馬に勝てるわけではない。
競馬に勝つためには、いろいろな情報が必要だ。

例えば、以下のような情報である。
・血統:お父さんやお母さんがどんな由緒正しい家の出なのか
・距離適性:短距離が得意なのか、長距離が得意なのか。スプリンターかステイヤーか(ときどきワケのわからないストレンジャーというのもいる。ウソです)
・馬場適性:得意な馬場は芝かダート(砂)か、得意なカーブは右回りか左回りか、ゴール前の直線は長いのがいいのか、晴れがいいのか雨がいいのか
(私自信は泥濘の迷い道をクネクネするのが得意です(?))
・性格:強気か、弱気か、はたまた臆病で優柔不断なのか
(競い合うのが苦手な馬はブリンカー(遮眼帯)をつけて後ろや横が見えないようにします。私も愛用してます。ウソです)。
・馬同士の相性:どんなに強い馬でも勝てない相手がいたり、好きな相手がいたりする(馬には乗ってみよ、人には添うてみよ)
・そして過去の成績:馬の世界でも当然過去の実績を問われる。成績優秀なG1馬の偏差値は70以上という説もある。
(人間の脳を移植された競走馬がレースに挑むという小説があったような気がする。筒井康隆先生だったかな。。)

こんな御託を並べながら、有馬記念の出馬表をみる。
どの馬も血統も過去の成績も素晴らしい(選ばれし優秀な馬たちなので当然である)。
どの馬もどんな天候でも、どんなコースでもいけそうである。
オッズには差があるものの、どの馬が1着になっておかしくない。
これは悩ましい・・・

一晩中、予想をしたみたものの確信は得られない。
もう当たって砕けるしかない。
財布の中のたったひとりの渋沢栄一を取り出してみる。
(これが聖徳太子なら馬との相性は抜群だったのに)
通常「馬券」と呼ばれている勝馬投票券を購入する。
投票は国民の権利だ。自信がなくても予想した穴馬に投票するのだ。
当たれば大もうけ。泡銭にも税金が発生する。納税は国民の義務だ。
馬券をあてて税金を払おう!

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12月28日夕刻 グランプリ有馬記念の雌雄は決した。

私の予想した馬は一生懸命走っていたが、入賞には届かなかった。
でも、馬が必死なのはよくわかった(私も必死だった)。お疲れ様でした。

泡銭を手にするのは難しい。当然、勝馬投票券は紙切れになった。
馬で金儲けしたヤツはいないと植木等も言っていた(唄ってた)。

しかし、あの疾走する馬の躍動感がすばらしい。
汚れのない馬の眼は清々しい。心が洗われる。
うま年の来年こそ頑張ろう。

競馬に身も心も委ねるのだ!
ギャンブルに依存することに対しては異存はないのだ。
負けたお金を取り返そうとするからハマっていくのだ。
勝馬投票は国民の権利であり、未来への投資なのだ。

寺山修司先生も言っている。
「ふりむくな
ふりむくな
うしろには夢がない」(詩「さらばハイセイコー」より)

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そんなわけで、年が明けて2026年になりました。
もう、すっかり有馬記念のことは忘れて、衝動買いした大きな段ボール箱を開けてみる。
中身は以前から気になっていた「3Dプリンター」である。
性能が上がったうえに価格も熟れてきたので、自分へのプレゼントとして購入したのだ(繰り返しになるが支払いは自分だ。当然である)。

早速「3Dプリンター」で2026年の干支の馬をプリントしてみる。
同梱されたお試し用の白いフィラメント(3Dプリントの材料のプラスチック(?)の糸のようなもの)で馬を作り始める。
4本脚から胴体の半分までプリントされたところで、フィラメントがなくなった。。。

新年早々「馬脚をあらわ」したのだった(なんのこっちゃ)

これに懲りずに今年もお付き合いください。よろしくお願いいたします。