第13回 「仮面の考察」

新型インフルエンザが猛威をふるいだして数ヶ月。

ふだんマスクをしないという外国人のみならず、日本人ですら驚くほど街中にマスクが氾濫しています。

この異常な光景にも慣れてきたとは言え、差点で信号待ちをしているときに、対岸にいる人々のマスク着用率の高さと自分の周りの人々のマスク顔の多さを見ると、ここは本当に現代の日本なのか?もしかして秘密結社に支配された近未来にタイムスリップ?みたいな妄想が頭を過ぎるのは、ワタシだけではないでしょう。(ってワタシだけ?)

まるで何かを惜しむようにマスクで顔を覆い隠す人々。
何のためにマスクをしてるのでしょう?
(インフルエンザの予防、あるいはエチケットマスクです)

何か後ろ暗いことがあるのでしょうか?
(だから流感の予防とエチケットだっちゅうの)

今回はこのマスクについて深く考察してみたいと思います。
(・・・・・・<最早、無言の内なる声>)

マスクは人格を変えると、よく言われます(ほんとか?)。
マスクをつけることにより、善くも悪くもテンションが上がります。

反則技を繰り出す覆面レスラー(なぜか”覆面”。マスクレスラーとは言わないなぁ)。
マスクとサングラスに鳥打帽の銀行強盗。
彼らはマスクをしていないときはどこにでもいる普通の人たちなのですが、ひとたびマスクをすると凶悪な性格になってしまうのです。

タイガーマスク(アニメ版)も当初はルール無用の反則レスラーでした。
その後、正義のレスラーとなり、<虎の穴>(冷静にみるとすごいネーミングです)からの刺客と戦うのですが、最後はマスクを取って素顔で闘うのでした。(コミック版のタイガーマスクの最終話は、素顔のときに交通事故であっけなく死んでしまうのですが、素顔というのがなにかを示唆しますね)

正義の味方もマスク愛好者が多いです(?)。。
キン肉マン、月光仮面、ヤッターマン、仮面の忍者赤影、スパイダーマン、仮面ライダー、パーマン、各種戦隊もの、タキシード仮面などなど枚挙のいとまがありません。

なぜか正体がばれないように顔を隠しているのです。

なぜでしょうか?
それは、人は素顔のままでは、良いことも悪いこともできないのです。

素顔のまま、平然と「良いこと」又は「悪いこと」をすると、「厚顔無恥」「面の皮が厚い」などと言われます。
すなわち、素顔そのものがマスクだと言われてしまうのです。

しかしながら誰でも人は、普通じゃないことをしたいという欲求を心に秘めています。
変装してでも実現したい、という変身願望を誰でも胸に秘めているのです。

その単純な表出がマスクなのです。厚化粧なのです(と勢いで書いてみる)。

テクマクマヤコンテクマクマヤコンとコンパクトの鏡を覗き込みながら、魔法の呪文をとなえれば何にでも変身できちゃうんです。

頬被りをして桜吹雪の刺青をした遊び人や丹後の縮緬問屋のご隠居や黒縁ロイド眼鏡の冴えないデイリープラネット社の新聞記者もみんな変身しているのです。マスクの変形ですね。

そもそもが裸で暮らしていた人間が蛇にそそのかされてリンゴを食べてしまってから、衣服というマスクを身につけ、本来自然に「ある」ものを隠す(偽装、詐欺)ようになってしまったのです。

いや、「ない」から隠すのでしょうか?(犬神家の佐清(すけきよ)のマスクには深い秘密がありましたね。高木彬光の「刺青殺人事件」も・・・おっと、ミステリのルール違反をするところでした)

「ない」から偽装する。これもマスクの変種です。

必要以上に長い睫の女性、不可能なほどビルドアップされたボディの姉妹、全身ブランドで身を固めた黒髪の中年男性、肩書き入り名刺を忘れてうろたえる自称役員、しおらしい素振りで反省を演出する猶予犯、インターネット上で女性になりすますオタクなどなど(やばい。今かなりの人を敵に回したような気がします)。

だから西城秀樹は「ボタンをはずせ」「ブーツをぬいで朝食を」と裸志向の歌を歌ったのでしょう。
その結果が一部の体毛を表す「ギャランドゥ」・・・。(全然、解釈が違いますね。ごめんなさい)

それにしても、ヤンキースの松井秀喜がMVPに輝いたとき、某新聞の見出しが「ヒデキ、感激」ってのは、どうなんでしょう。きっと記者は「バーモントカレー」を食べて育った世代なんでしょうね。

ワタシも子供のころに秀樹という名の友人がいて、ことあるごとに「秀樹、感激!」というのが、羨ましいやら悔しいやらで、いっそ「秀樹」に改名しようかと考えたほどです。

これも変身願望なのでしょう。

また、子供のころ誰もがやったと思いますが、ストッキングを被って顔を変形させて、誰が一番「人工人間M1号」に似ているかゲームも盛り上がりましたね(えっ、誰もやってない?「ウルトラQ」のM1号ですよ)。

話がどんどん横道にそれてしまいました。
(って、いつも本道などないんですが)。

マスクの話でした。
マスクの女性はなぜかきれいです。

「なぜか」と書いた瞬間、女性を敵に回したような気がしますが、統計的にこれは正しいのです。
調査の結果、ワタシの周りの68%の男性がマスク美人は多いと言っています。

(※調査方法・・・身近な男性5人に口頭で調査した結果、3.4人がマスクの女性は美人と答えました)

この数字は、歯医者さんが女性だったら、男性の68%は診察の椅子に身を委ねて、無防備に大きく口を開けて、もう何をされてもカマワナイ、という数字なのです。

また、目だけをマスクで隠した女王様が先のとがった靴で「女王様とお呼び」と命令したときに幼児に退行して、命令に従うのが全男性の68%ということです。
(それにしても、童話の「はだかの王様」の主人公が女王様だったなら、それを見た子供は「女王様は裸だ!」と指摘したのでしょうか?わりと昔から個人的に疑問に思っています)

だんだん考察(妄想?)は予期せぬおかしな方向へ進んでますね。
考察は推理といっしょで、ジグソーパズルを組み立てたり、積み木を積み上げたりする地道な作業なのです。
いろんなピースを選り分けたり、組み合わせたり、大きな積み木を土台にしたり、何個か組み合わせて基礎を作ったり、崩したり、そうこうしているうちに、霧が晴れてパッと全体像が見えてくるのです。
と言いつつ、まったく五里霧中です。

浅見光彦のような推理力があれば・・・(って、彼もフリーのルポライターと言っているわりには、警察庁に局長クラスの兄がいたりして、水戸黄門の印籠と変わらないですね・・・)

このテーマは重いですね(勝手に自分で設定した癖に)。
「MASK」に「MASK2」があるようにこの項続く・・・。いや、続かないなぁ・・・。

ラミパスラミパスルルルルン♪

教訓「冬ですね。真っ白な雪がなにもかも覆い隠してくれます」

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