第34回 『「涼み」や「夏日」の憂鬱』

暑い毎日が続いてます。

「飲んでますか?水」が挨拶言葉として定着しましたね(以前は、「飲んでますか?アリ○ミン」でしたが・・・)。

今年は特に暑いです(と、毎年言っているような気がします)。
暑くて、心身ともにバテて、何もする気が起こらないのです(とも毎年言っているような気が・・・)。

パソコンも暑さに負けて満足に動きません。熱暴走中です(「熱暴走」という言葉で、若き日のあの夏の夜のことを想い出して遠い目をしてしまいました。・・・どうでもいい話ですが)。

これを理由に今月の駄文をお休みしようと思いましたが、『どんなにつまらない内容でも約束を守るのがオトナです』という美人編集長
の声が聞こえたような気がするので休みません(暑さが招いた幻聴ですね。。。その幻聴に逆らわないところは闇に脅えて吠える犬と変わらないのですが。。。あ、こう書くと編集長に脅えてるみたいだ。そんなことはなくて、ツンデレのデレがないだけで・・・。あれ、ますますヘンなことを書いてる??ふいに吹き出した汗が止まらないけど、これは暑いから???)。

とにかく、この暑さをしのがなければ、前に進めそうもありません(日々の生活も、この駄文もです)。

暑さ対策に一番なのは、冷房(クーラー、エアコン、冷風扇など)です。
でも、わが家にはクーラーはありません。

去年必死で手に入れた扇風機と26年前に買った日立製扇風機の2台体制です(日立製は丈夫だという宣伝ではありません。日立社から何ももらってないし。。。って、一年前に書いたような気がします)。

というか、例え冷房があったとしても今年は「節電」が全国民一致の大命題ですので、クーラーは暑さ対策には使用できません(「冷房は敵だ」「欲しがりません、クーラーは」「鬼畜冷房」等の標語が街に溢れてます。。。ん?これは暑さが招いた幻影か??)。

冷蔵庫を半開きにして涼もうとしても、30秒もするとブザーが鳴って「扉が開いてます」と怒られます(当たり前ですね)。

冷房系がダメとなると、先人の知恵に頼るしかないですね。
団扇(うちわ)、扇子、浴衣(ゆかた)、夕涼み、行水、打ち水、風鈴など日本の伝統が息づく暑さ対策です。

◆団扇と扇子は、クーラーや扇風機と違って、優しい涼風を送ってくれます。

特に夏は団扇がいいですね。
団扇を片手に浴衣を着たら、そのまま夏祭りに出かけるしかありません。
縁日で、金魚をすくって、射的でタバコを打ち落とし、「月光仮面」か「まぼろし探偵」のお面を斜にかぶり、アメリカンドッグ(あるいはフレンチドッグ)を食べながら、スマートボールに興じる。

日本の夏ですね(って、いつの時代だ・・・)。

ただ、団扇と扇子の弱点は、気温が高いと扇ぐ風が生ぬるいことと長時間扇いでいると手が疲れて汗をかいてしまうことです。

◆夕涼みは、文字どおり、日中より気温が下がってきた夕方、家の外に出て涼むことですね。

縁台を置いて、蚊取り線香を焚きながら、団扇片手に将棋を指す。
日本の夏ですね(キン○ョウの夏でもあるわけですが・・・)。

ただ、残念なことに夕方になっても気温は下がらないですね。そして何よりも縁台を置く場所がありません。
しかも蚊取り線香を焚くと嫌煙家(?)の近所の人に怒られます(「ベープマット」か「蚊に効くカトリス」等を使うしかないです・・・)。

◆行水は、たらいに冷たい水を入れて、それを全身に浴びて涼むことです(建物や間取り等で吉凶を見るのは風水です。禅の修行僧は雲水です)。

葦簀(よしず)張りの庭での行水は冷たくて気持ちがいいですね。
のぞきをする不届き者に「キャー、エッチ」とか叫びながら、水をかけるのも日本の夏の醍醐味です(ま、オトコの場合は誰も覗かないですが・・・)。

ただ、行水をする庭がなかなかないですね。
一般の路上で行水を試みると、きっとお巡りさんに通報されます。
駆けつけてきたお巡りさんに「キャー、エッチィ」とか叫びながら、冷たい水をかけると冷たい飯を食うことになりかねません。

◆打ち水は、庭や道に水を撒いて涼をとることです。

水が蒸発するときに周りの熱を奪うので気温が下がるのですね(お白洲で桜吹雪の刺青を自慢する遠山の金さんの口癖は「市中引き回しのうえ、打ち首獄門」です・・・)。

ただ、マンションの高層階に住んでいる場合は庭や道が近くにないので、必然的に屋内で打ち水をすることになります。当然、家族に怒られます。場合によっては、打ち水がエスカレートして階下の部屋まで浸水し、肝を冷やすことになります(屋内の打ち水は、使用上の注意を守って保護者の監督下で行いましょう)。

◆風鈴は、硝子(ガラス)や金属で出来た小さな釣り鐘状の鈴で、風で揺れる短冊が紡ぎ出す音色によって涼をとるものです(精神的な暑さ対策グッズです。

私事ですが、縁日で風鈴売りの屋台のたくさんのきれいな風鈴を見ると、我を忘れて、その中に身を投じたくなります。風鈴売りのおにいさんが恐いので、ギリギリのところで踏みとどまりますが、いつかやってしまいそうで怖い・・・)。

ただ、一晩中、風鈴を軒下にぶら下げておくと、風流を解さない近所の人に安眠妨害だと刺されかねませんので、注意しましょう(横溝正史の『病院坂の首縊りの家』の「風鈴」になりかねません。背筋が寒くなります・・・)。

と、ここまで先人の知恵による涼のとり方を俯瞰(ふかん)したのですが、ひとつ大事な涼のとり方を忘れていました。

怪談です。

実は、私は臆病者なので、怪談は嫌いです。
怪談を無意識に避けてたかもしれません。
「怪談」を5回書いただけで、背筋が寒くなってきました。

あっ!今、数えてみると「怪談」が4つしかない。ひとつはどこに消えたんだ?・・・と、もう一度数えたら5つある!・・・「怪談」。あ、でも、よく見たら・・・(以下、限りなく続く・・・)。

あるアンケート調査(注)によると、「怪談やホラー映画で涼しくなることがありますか?」という問いに全体の約40%の人が「涼しくなる」または「涼しくなった気がする」あるいは「冷えた関係です。もう会話もありません」(?)と答えています。

しかもその40%の人たちは、「怪談やホラー映画で体感温度が何度くらい下がった感じですか?」という問いに対して、1℃から20℃と幅広い回答をしています。

これを平均すると40%の人が感じた体感温度は約-5℃です。
ということは残り60%の人を加えて計算しても、怪談やホラー映画で体感マイナス2℃ということになります。

非電源系の暑さ対策としては素晴らしい効果です(・・・なんか怪しいです。でも検算してみるとやっぱりマイナス2℃・・・)。

効果があるようなので、本当は怖いですが怪談やホラー映画を観たり聞いたりしたほうがいいようです。

参考として、以下に有名なタイトルを羅列してみます。

日本では「四谷怪談」「番町皿屋敷」「牡丹灯籠」「鍋島の化け猫」「鍋焼きうどん」「皿うどん」「死神」「へっつい幽霊」「白へび館」「へび少女」「エコエコアザラク」「エコバッグ」「エコノミックアニマル」「サイレン」「バカはサイレンで泣く」「笑うセールスマン」「セールスマンお断り」など、西洋では「ドラキュラ」「狼男」「フランケンシュタイン」「怪物くん」「フランケンシュタインの花嫁」「うちの嫁」「エクソシスト」「オーメン」「サンゲリア」「ゾンゲリア」「サスペリア」「パエリア」「エルム街の悪夢」「13日の金曜日」「14日の土曜日」「15日の日曜日」などなど(タイトルだけ並べて、字数を稼いでみました)。

もう想像するだけで寒くなってきました。暑さ対策万全ですね。

では、最後にとっておきの納涼怪談噺を・・・

~ある古い旅館の一室で~
『やだなぁ。やだなぁ。なんだかやだなぁ。
背中がぞくぞくぞくぞくして、ヘンな汗がでてきた。
生温い嫌ぁな匂いがして誰かの視線を感じる。
その感じる先にあるのは古い額縁だ。
やだなぁ、やだなぁ。
でも落ち着かないので、勇気を振り絞って、えいっ、とその額縁をひっくり返してみた。
あわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわ。

・・・なんと、額縁の裏には真っ赤な字で・・・

・・・『祝』・・・

・・・誤字だ・・・』

注:ネットで見かけたアンケートですが、どこのリサーチ会社のなんのアンケートか覚えてません。多少記憶違いがあるかもしれません。

※暑気払いを兼ねて、カッコ(「」、()、『』)を多用してみました。いつもよりカッコが多いはずです。
試しに先月と比較してみると・・・・・・・・ガ~ン・・・前月比-16%・・・orz。
いつもどんだけカッコつけてんだ・・・。

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