第38回 「ビッグサイトへの長~い道のり その2」

<前回のあらすじ>

期せずして東京マラソンに当選した私は、5km以上の長距離走の経験がなく、エントリーをやめようと考えていた。

しかし偶然見た街頭テレビで「元気があればなんでもできる」というアントニオ猪○氏の言葉に励まされて参加を決意し、すぐに特訓を開始する。

ところが、特訓後に立ち寄ったスーパー銭湯で、フルマラソン養成ギブスを装着したままの入浴を断られた私は、自暴自棄となり大雪山に亡命中のタウラマラ僧の門を叩くのだった・・・。

という虚偽のあらすじはさておき、2011年12月も早くも半ばを過ぎてしまいました。

泣いても笑っても今年もあと半月です。
どうせ半月なら笑って過ごしたいものです。

ところがフルマラソンの完走を目指す私には、笑っている余裕はないのです。

ちょっと前までは箸が転んでも可笑しくて笑えたのに、今ではトレーニングをしようとした矢先に凍った橋で転んで腰を痛めて、膝だけが笑うという状況です。

しかも連日の雪が私の行く手を阻むのです。真面目に一生懸命、練習しようとしているのに。。。
「天は我を見捨てたのか!」、まさに映画『八甲田山』の北大路欣也の心境です。

本戦まであと70日余り、私を取り巻く環境が私の練習の邪魔をしてるのです。

・・・以上、全く練習をしていない言い訳でした。

先月購入したランニングシューズはまだ新品のままです(あ、一度だけ飲み会に履いていきました。いつもより飲むピッチが上がって、さすがはアシッ○ス!と感心したことは秘密です)。

積雪で野外を走れない以上、室内に練習拠点を求めるしかありません。

いろいろ悩んだ結果、スポーツクラブに入会することにしました。

すでにテニスクラブに通い、銀座のクラブに通い、万葉倶楽部で温泉につかり、少年倶楽部を愛読し、ソフトシェルクラブを食べたいと思っている私にとって、クラブ活動は得意分野のひとつです。

「クラブ」について書け、と言われたら本一冊くらい書けそうです。

そもそも『クラブの成立は、近代ヨーロッパの成立と軌を一にしている。
中世ヨーロッパにおいても、クラブに類似した人的結合は存在しており、ドイツやフランスでは兄弟団や信心会などの団体が見られ、イングランドでもフラタニティと呼ばれる集団が活動していた。・・・』・・・続きはWikipediaをご覧ください(『』内もWikipediaからの引用です・・・)。

・・・「クラブについて詳しい」などとウソをついてしまいました(ウソのつき納めですから勘弁して下さい)。

銀座はおろかススキノのクラブにも行ったことはないですし、「少年倶楽部」も読んだことはありません。(でも、「少年画報」と「ぼくら」は読んでました。そういえば、子どもの頃
「ぼくら」を読んでいると、今は亡き祖父がそんな本を読んでたら「ぼんくら」になるぞ、と言っていた意味が最近ようやくわかりました。祖父の予想どおり「ぼんくら」になりました)

どんなスポーツクラブに入ればいいのか?
よくわからないので、知人に尋ねたところ、某スポーツクラブを薦められました。

そして知人が言うには、

・最初に入会目的を訊かれるので明確に答える必要がある
・その目的と現状がどのくらい乖離しているか、測定される
・その測定を踏まえて、個別にメニューを作成してくれる
・そのメニューに従って、黙々とトレーニングに励む
・目的達成!!(^^)/

となるらしいのです。

なるほど、入会目的はハッキリしている。
あと70日余りでフルマラソンを走れるようになることだ。
しかし、現状が目的とどれだけ乖離しているかは、知るべくもない・・・。
それをいきなり初対面の人(スポーツクラブの人)に測定されて知られるなんて・・・恥ずかしがり屋の私には到底我慢できない。身を投げ出してすべて晒すなんて・・・(そういう話じゃないですよね)。

とりあえず、人に測定される前に自分で把握しておきたい。それがジョーシキある社会人の務めである。

ジョーシキある社会人として私は以下のような思考と行動を取ったのでした。

*****************

まず、自分の走力を正確に計らねば・・・。
そのためには正確な計測器が必要だ。

いろいろ調べたところGPS付ランナー用時計というのがあるじゃないか!
さすがはアマゾ○。なんでも売ってる。

ナ○キか、ガー○ンか?
ガー○ンのForeAthlete610というのが良さそうだ。でも6万円くらいする・・・。

ForeAthlete210で3万円・・・。

あっ、アメリカから直接買うと199.99ドル、なんと16,000円!半額じゃん。

アメリカのアマゾ○から買おう。
『ポチッ』とな。
これで、正確に時間と距離が測れる!!

おや?Kindle Fire(キンドル・ファイア・・・Androidベースのタブレット)が199ドル。
日本でタブレットを買うとiPadが44,800円だし、Androidのタブレットもソニーのものは5万円くらいする。
Kindle Fireなら、16,000円で買える。
じゃあ、これも買っておこう。
『ポチッ』とな。

あと、SIMフリーのiPhoneはいくらかなぁ・・・。
え!800ドル!!
これは高いなぁ。やめておこう。

ところで、4つプロペラのついたラジコン・ヘリコプターもアメリカから買うと安いんじゃないかな・・・?
カテゴリは何になるのかな?
・・・

あれ?なにやってんだ??

***************

ジョーシキある社会人を演じるのも大変なのです。

アメリカから時計が届くまで、することもないので、本を読むことにします。(それでいいの?>自分)

先月、読み切れていなかった「BORNTORUN走るために生まれた」(クリストファー・マクドゥーガル著日本放送出版協会)の続きを読まなきゃ。

この本はなかなか面白いのです。
獣と戦う体力をもち、頭脳も発達したネアンデルタール人が滅亡し、体力も頭脳も劣るホモサピエンスがなぜ生き残り、進化をとげたのか?
それはホモサピエンスは走り続ける持久力があったからなのでした。
小動物を走って追いかけて、走り続けて相手を疲弊させ、倒れたところを捕獲する。
こんな悠長な狩りの方法は、走るために生まれたホモサピエンスに与えられた才能なのでした。
ネアンデルタール人は体格が良すぎる分、走り続ける持久力がなかったのでしょう。

頭脳を使って、大きな獣(ナウマン象やマンモス)を追い詰め、槍で倒すネアンデルタール人は氷河期の終了とともに大きな獣と一緒に居場所を失い、消えていったのでした。

そして、肝心のホモサピエンスのように走り続けるための秘訣は・・・?

あぁ、またしても時間切れなのでした。

本も読み終えることができないし、走ることすらしていない・・・。

東京マラソンまであと70日。
その前にスポーツクラブに入るための体力をつけねば。(あれ、なんか目的がおかしくなっているような?)

このまま年を越してしまうのか?
どうする?
どうなる東京マラソン。。。

グダグダのまま来年に続く。。。

みなさま良いお年を。

(おまけ)
東京マラソン関連出費メモ

ガーミンForeAthlete210約16,000円
Kindle Fire は関係ないか・・・

合計16,000円

先月からの累計44,171円

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