Wes Montgomery 「Four On Six」(Montgomery)60RIVERSIDE

エレキギターといえば、ロックの概念の大きな部分を構成している楽器だといえます。
電気的エフェクトにて、本来の弦の響きを逸脱するまでに増幅されたディストーションの破壊力は、刹那的な暴力衝動を体現しているといえるでしょう。

それでは、はたしてジャズギターとはどういうものなのか?

ジャズギタリストの代表格であるウェスモンゴメリーの1960年のプレイには、黒人特有の粘っこさと優しさがしっかり根付き、エフェクターが使われないアンプ直結の音色が、素朴にそのフレージングを漂わせます。

哀歓を素直に表現するそのブラックネスは、ブルースの影響を色濃く感じさせる点が、ホーンやピアノがメインのジャズと大きく異なり、その洗練されたブルースフィーリングは、R&Bやソウルへの系譜として継承されたのではないか、と想像されます。

いづれにしてもそのキモは、高度な洗練です。素朴さを保ちながら、感覚を洗練させる手法は、70年代のダニーハザウェイやマーヴィンゲイの先駆ともいえるかもしれません