第41回 「ビッグサイトへの長~い道のり 完結篇」

いきなりですが、今回は『プロジェクト○』風に・・・。

♪~~~♪(脳内BGMに中島みゆきの「地上の星」、ナレーション・田○トモ○ヲ的な)

多くの市民ランナーが憧れる東京マラソン

参加を阻む競争率

偶然当たったプラチナ・チケット

躊躇する私を後押しする友人たち

目指すは完走

♪~~♪
しかし

相次ぐトラブル

続かない練習

壁のように立ちはだかる豪雪

酒に溺れる日々

失いかけた信頼・・・消えていく情熱

♪~~~♪
2月26日曇り・・・
9時10分 スタートの号砲

意外にも快調な滑り出し

沿道を埋め尽くす応援とバナナ

♪~~♪
そして、17km地点の突然(当然)の失速

大腿二頭筋、膝関節、ふくらはぎの激痛(・・・単なる練習不足・・・)

じわじわ迫る関門の足切り

次々追い抜いていく河童やサンタクロースたち(・・・速いぞ!コスプレランナー)

30km関門目前・・・非情なタイム

もはや、これまでか?

その窮地でのサロン○スのヒラメ貼り

驚異の復活(プラシーボ効果?)

・・・・6時間21分・・・ビッグサイトへ生還・・・・・

都知事と交わす熱い抱擁・・・(じゃなくて、握手でした)

♪~~~♪(BGM終了)

ま・・・さんざん引っ張ってきたわりには、平凡なタイムです m(__)m
初めてのフルマラソンなので勘弁してください m(__)m
正統派ランナーの皆様、真面目に練習しないまま参加してごめんなさい m(__)m
応援をしていただいた皆様、ありがとうございました m(__)m
ボランティアの皆様ありがとうございました m(__)m
とにかく、完走後の気持ちは感謝と陳謝が入り交じって、多謝で薄謝の大感謝祭なのでした。

新たな体験はヒトを成長させます(ほとんど成長の余地のない中年と言えども、破廉恥と泥酔度合い以外の成長の可能性はあるのです)。

以下、実際に走ってみてわかったことを書いてみます。

1.車のない東京の道路を走るのは、愉快・爽快・嬉々快々。
普段見ることのない視点(道路の真ん中)から周りのビル群や名所旧跡を眺めるのはある種の優越感に浸れます。

そして、自分が、もしもゴルゴ13ならば、あのビルの屋上からこの辺り(自分が走ってる辺り)を狙うとか、スパイダーマンなら、あの塔の先からぶら下がって、逆サイドのビルに飛び移るだろうな、とか考えながら、道路の中心で「チョー気持ちいい」と叫ぶのでした。

2.走っているとお腹が空く。
前回紹介した本(直前の24時間で30分速くなる云々の本です)には、当日のスタートまでに餅を7個食べましょう的なことが書いてありました。

それを実践しようと、おはぎ3個とモチモチ食感のクリームパンを2個用意したのですが、スタート前は胸がいっぱいでおはぎを1個しか食べられませんでした(その前に、少量ですが、朝食としてサラダとコーンスープとクロワッサン2個とバターロール3個とヨーグルト200mlと特濃豆乳200mlとバナナ1本を摂取していたのですが、胃袋が小さいのですかね。。。)。

そして、走り出すと、すぐお腹が空きました。たぶん朝食をしっかり摂らなかったせいだと思います。

20km地点でやっと巡り会ったバナナ(ドール極撰!)の美味しさに感激。
厳しいトレーニングをした甲斐がありました(とトレーニングをした人ならば、思ったに違いありません)。

そこからは5km毎に極撰バナナ食べ放題です。
「またバナナか。サルじゃねんだよ」と言い放つオジサンがいましたが、サルですらいつもこんな美味しいバナナを食べられるはずがないのです(ましてや人間をや)。

そんな失礼なオジサンは仲間由紀恵に懲らしめられてしまえ!!と思ったことでした。(「ゴクセン」繋がりということで・・・)

3.応援の人達に背中を押される。
さすがは首都東京のマラソン大会です。応援の人達は途切れません。
42.195kmの沿道をすべて応援の人達が埋め尽くしています。

人間の体の幅を平均40cmとすると、沿道の片側に105,487.5人が並びます。
沿道の両側を併せると210,975人です。
しかも最低でも人垣は二重なので、その倍の421,950人。
その上、応援の人達は次々入れ替わります。3分に一度入れ替わるとすると、マラソンの制限時間7時間のあいだに140交替で、59,073,000人!!
なんと日本の人口の半分近い人達が東京マラソンを沿道で応援してくれるのです。

この膨大な人達の応援が励みにならない訳がありません(疑わしいほど膨大な人数ですが、緻密な計算の結果なので、間違いありません)。

しかも、応援の人達が提供してくれるチョコレートや人形焼き、レモンスライス、塩飴、ドライフルーツにフライドポテト、鶏の唐揚げに枝豆、冷や奴、ビールにハイボールから泡盛まで、これが推進力(酔進力?)となり、ゴールまで導いてくれるのです。

4.ボランティアの人達が引っ張ってくれる。
応援の人達が背中を押してくれるのなら、ボランティアの人達は前へ前へと引っ張ってくれるのです。

ランナーと同数は居ると思われるボランティアの人達は、エントリーの手続きから大会当日の案内や走路の誘導、沿道の給水所や給食所、救護施設の運営から各所の清掃まで、陰に日向にランナーをサポートしてくれるのです。

40kmを過ぎた辺りでは、ボランティアの人達のかけ声が、燃え尽きかけているランナーに再度火をつけてくれます。

「歩いても大丈夫。一歩一歩進めば、もうすぐゴール!!がんばって!!!」
(うん、がんばる)

「あきらめないで!!!・・・・・・真矢みきも言ってたわ!!!」
(あ、真矢みきの代理人?)

「ゴール間近だ!走れ!!!」
(いや、すみません。もう走れないから歩いてます)

「Wooooooooooooo!!!!!!」
(うぉーーーーーーー!)

5.42.195kmは長くない!?
走る前はいろいろな雑念が頭を巡っていたのです。
未踏の距離を7時間近く、どのようにモチベーションを維持すればいいのか?
そもそも5km以上走れるのか?
もし走れたとして(あるいは歩けたとして)7時間も退屈するのでは?
7時間ずっーと考え続けられる面白いことはないだろうか?

・シリトリ?ひとりで?
(例:とうきょう → うま → マラソン・・・負けた・・・)

・回文でも考える?
(例:「駄目、マラソン。そら、豆だ。」・・・鳩か・・・)

・次回のコラム?
(例:・・・・・・・・・・なんも思い浮かばない)

・etc.
てなことをいろいろ考えてました。

が、実際にスタートしてみると、妙に楽しくて退屈するヒマがない。
アドレナリンが出まくっていたのか?
身体が考えるので、頭が考える余裕がない。
やがて身体が考えすぎて、筋肉が痛くなる。
頭のほうはボウーっとしていて、次のバナナ補給地点の事だけ考えている・・・
そのうち、カラダが宙を跳び・・・目の前のスカイツリーに大きな虹が・・・・
・・これが、これがランナーズ・ハイなのか!?
はい、実際は違いますね。はい)

とにもかくにも初めてのフルマラソンを走り切り、今まで考えたこともないことを考えるという経験をしたのでした。

ということで今年は敬虔なる経験主義者に転向します。

【結論】人間いくつになってもチャレンジだ。(極めて平凡な結論なのでした)

(おまけ)
完走後、新橋のサウナで完走メダルを提示すると、半額で入浴できます。但し湯船は2階のため、筋肉痛で悶絶しながら階段をのたうち回るという罠に嵌りました。

(おまけ・その2)
親しい人たちが完走祝勝会を開催してくれました。みんな楽しそうに呑んで酔っぱらいました。そして、いつものように、なんの趣旨で呑んでいるのかわからなくなりました。お酒を呑むきっかけを提供できただけでも幸せです。友人にだけは恵まれているのでした。

(おまけ・その3)
東京マラソン関連出費メモ
もはやプライスレス(カウントレス?)

(おまけ・その4)
次回は「ホノルルマラソンへの長~い道のり」でお会いしましょう。

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