Chic「Le Freak」(Edwards/Rodgers)78Atlantic

薄くゴージャスな1980年代を象徴するのは、ナイルロジャースのプロデュースによる、煌びやかに空虚で、無機質にファンキーなサウンドでした。

デヴィッドボウイの『レッツダンス』、マドンナの『ライクアヴァージン』。
スーパースターの大ヒットアルバムには、誠実さや穏健さなどという、手ぬるい足かせを吹き飛ばす爽やかさが貫かれていました。

ここで重要なのは、資本主義の無責任さを体現する白人スターを演出したのは、黒人ミュージシャンだったことです。

ロジャースの過度に正確に刻まれるギターカッティングには、従来のソウルマンが内包していた、被抑圧の情念が綺麗にそぎ落とされています。

アフリカの土着性をほぼ完全に喪失した黒人と白人が手を携える文化が、しょせん虚飾であることを露呈させ、アメリカの衰亡の始まりを導くかのようです。 

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