第35回 「マクドナルドとスターバックスのサービスを考える ~街かどサービス探検隊♪~」
いよいよGWも間近となりましたが、みなさんは旅行の計画を立てていますか?
パパクワッチは、サービス学会の国内大会に参加のため、GW前半は函館へ遠征予定です。
函館には3年前の夏休みに一度行ったことがありますが、この時期は初めて。
海の幸はもちろん、時間があれば函館山からの夜景も楽しみたいですね。
(出典:ウィキペディア)
さて、前回から”街かどサービス探検隊♪”と題して街中の様々なサービスについてサービスサイエンスの視点で掘り下げています。
今回は、二大飲食店を例にサービス品質について考えてみたいと思います。
読者のみなさんは、マクドナルドとスターバックスに行ったときには、どんなサービスを期待しますか?
■マクドナルド
時間が無い時に素早く朝食やランチを食べる時に重宝するがマクドナルドですね。コストも安く、まさにサラリーマンの味方です。マクドナルドに求められるサービス品質は、前回の立ち食いそば同様、ズバリ”正確性”や”迅速性”だと思います。
お客様の注文に応えて、いかに素早く調理して間違えずにハンバーガーやドリンクを出すかです。
マクドナルドの応対には”おもてなし”はあまり感じません。また、多くのお客様は、マクドナルドにおもてなしを求めたりはしません。
自分の欲しいセットを素早く出してもらえればそれでお客様は満足するのです。
■スターバックス
一方、スターバックスに期待するサービスは、どのようなものでしょう。
”第三の場所”をコンセプトにするスターバックスは、お客様、特に常連さんに如何にくつろいでもらえるかが生命線です。
お客様は、”正確性”や”迅速性”はもちろん、”共感性”や”安心感”、”好印象”のサービスを期待するかもしれません。
パパクワッチは、スターバックスのヘビーユーザーです。
都内の何カ所かのスターバックスの常連となっていますが、顔見知りのクルーに会うと、”柴崎さん、いつものですね!”と元気よく挨拶され、何も言わずに私の好みのエクストラ・ホットのトールサイズのラテ(熱めのMサイズのカフェラテ)が出てきます。
実は、マクドナルドとスターバックスのアルバイト経験のあるカップルにその導入教育についてヒアリングしたことがあります。
彼氏は、マクドナルドで大学の4年間アルバイトの経験があります。
彼が店頭に出るまでに必要な研修時間は8時間。あとは、現場でのOJTを中心に困った時は豊富なマニュアルを頼りに経験を積んでいったそうです。
一方、スターバックスで働いた彼女の方は、店頭に出るまでになんと、60時間もの研修を受けたそうです。
しかも、その内容はコーヒーの淹れ方だけではなく、スターバックスの経営理念やミッションに始まり、歴史についてみっちり教わったそうです。
さらに、さまざまなコーヒーをこれでもか!というくらい試飲させられたそうです。
スターバックスには、マクドナルドのような豊富なマニュアルはありません。
スターバックスの人間として、どのようなサービスをしたらいいか、基本理念を学ぶことが研修の目的のようです。
スターバックスでは、配属後に指導係が新人アルバイトにつくそうです。
このトレーナーは、新人に対して手取り足取りサービスの仕方を教えるのではなく、例えば、”3ヶ月後にどのようなサービスができるようになっていたいですか?”、”そのために何をしたらよいでしょうか?”というようにコーチングの手法でアルバイトを一人前のスターバックスの人間として育てていくのだそうです。
マニュアルに無いようなトラブルに直面した際、常にスターバックスの人間としてどのような振る舞いが求められるかを考えて行動する癖が養われていくわけです。
どちらのサービスが良いとは一概には言えません。
お客様が置かれている環境によって求められるサービスが異なります。
急いでいる時にはテキパキと。考え事をしたい時などは、ゆったりとした雰囲気の中でホスピタリティー精神あふれた応対を期待するのはだれもが共通するところではないでしょうか?
(つづく)
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